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パンダネット囲碁講座

<講座テキスト>
坂井秀至八段

第2回
「小林光一名誉棋聖の実戦譜に学ぶ(2)」

 

今回は1985年に打たれた小林光一名人対石田芳夫天元の実戦譜を題材に勉強していきたいと思います。

(手順図)
黒5のカカリに白6とカカリ返して、黒7とハサむのは時々打たれている形です。ここで白8とハサミ返すのが有力な手段で、実戦でもよく使われています。黒9のツケに白10と下辺をヒラいて、一種のフリカワリです。左下黒11のコスミツケから黒17までと治まるのは、昔はよく打たれていた定石です。黒17と備えたところが今回のテーマ図です。


【テーマ図・白番】
黒△と守ってきたところです。小林光一名誉棋聖は候補手A・B・Cからどの手を選んだでしょうか?

(1図)
白1(A)のハイは不正解です。左下白の根拠を確保しつつ、黒の根拠も脅かす好点ではあるのですが、この局面では黒2に先着され、右辺を大きな確定地にされてしまいます。白3と左下の黒に迫っても、黒4と打つくらいで簡単に治まられてしまうので、そこまでのダメージは与えることができません。黒への攻めが大したことがないので、白1と二線をハった手は、実利としては価値の小さいところに打ったことになります。
二線に打つ手は実利としては小さいことが多いので、二線に打つことが必要な局面を見極める力をつけることが大切です。
(2図)
白1(B)のヒラキも不正解です。テーマ図Aのハイよりは、左辺を広げていて大きい手ですが、この局面では、やはり右辺の白△を活躍させたいところです。
(正解・3図)
白1(C)と右下隅を荒らしにいく手が正解です。黒地が確定する一歩手前に荒らしにいくのが大きいのです。黒2のツギには白3とノビ、黒4のオサエには白5、7と黒に断点を作りながら生きます。黒8の守りが必要ですから、白は先手で大きくエグることができました。本図は白大成功です。

(4図)
3図黒2で黒1とオサエてきたら、白2、4から12までと右辺で大きく生きます。本図は白の後手ですが、3図よりも右辺に大きく進出しているため、これも白十分な変化です。
(5図)
3図の白3では、白1とツケる変化もあります。黒2とオサエるのは白3のツギから白5、7と隅で大きく生きることができます。
(6図)
白△のツケに対しては、黒1とワリ込んでくることが多いでしょう。白は2、4と守ります。黒5やaとオサえてくれば、白6とヒラいて右辺を荒らすという当初の目的は果たせますので、考えられる変化の一つです。

(7図)
実戦の進行は、3図で示したように白1から黒8までとなり、白は先手で白9と大場に回りました。白1から黒の確定地を荒らしたことで黒に立派な厚みを作らせてしまいますが、下辺の白△が安定しているので、うまく黒の厚みを制限しています。これも、実利は裏切らないという作戦のいい例であると言えます。
相手に大きな確定地を作られそうなときは、そこが完成する直前に荒らすことが大切です。
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