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4月 女流棋士囲碁相談室

小林泉美六段へのご相談

毎月月初に更新される「女流棋士囲碁相談室」、月々担当する華の女流棋士が、最近の出来事などの近況のお手紙とともに質問に回答していただきます。 続きを読む

あなたのお悩み囲碁相談室

今月のご相談 其の一

棋士として今後の5年の目標は?
という質問があったら何とお答えになりますか?

こんにちは。
ご質問ありがとうございます。

ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、私は一昨年の4月より対局の方をお休みさせていただいております。
現在は、主人のスケジュール管理や子育てなどを中心に過ごしております。
休場してからもうすぐ2年になりますので、周りの方から復帰を望んでくださるお声をかけていただいたりと、光栄に思っておりますが、自分としては、もう少し先の復帰をと、考えております。

何事も頑張りすぎるのが、私の長所であり欠点でして、碁を打つと他のことを顧みず全力投球をしてしまいます。
結婚するまではそれでも、何とか成り立っておりましたが、今は妻となり母となり、家族にものすごく必要としてもらっているので、自分の事だけに集中するわけにもいかなくなってしまいました。
体一つしかない状態がとてももどかしく感じますが、今は今でしかできないことに集中し、日々の生活を一生懸命過ごしたいと思っております。
子供の成長も早いですし、私にとって碁を打つ以上に大切なことがたくさんあります。

また、入段してから、ずっと対局に追われて生活していたので、今のような生活もとても新鮮です。
今思えば、碁の勉強も、ともすると対局のための勉強?!のような付け焼刃のようなものが多かったと思いますが、現在、長女が碁を打つようになり、一緒に碁を並べたりすることは、あらためて囲碁の楽しさや本質を知る大切な経験となっています。

今度復帰するときは、自分も家族の体調も万全で、私自身心から思いっきり碁を楽しめるように、その日に向けて、しっかりと準備をして過ごしたいと思っています。

今月のご相談 其の二

座右の銘はありますか?ありましたらエピソードなどをお聞かせ下さい。

座右の銘というほどのものではありませんが、若い頃は「慧眼」と色紙に揮毫していました。

これは、大好きな本「星の王子様」の中にもあるような、「大切なものは目に見えない」という心が碁にも通じるのではとの想いから、その時の自分の気持ちと重なったため、気に入って書いておりました。

「澄心」という言葉も、今回揮毫させていただきましたが、大切にしている言葉です。
長女の名前は「心澄」と書いて「こすみ」と読ませていますが、これは本当に主人と一緒にゼロから考え、悩みに悩んで辿り着いた名前でした。
囲碁用語を名前にするなどと不謹慎と父に怒られるのでは・・・?と、心配していましたが、こすみが産まれた日に父が病院に来てくれて、「澄心」は、母、禮子が昔、揮毫していた言葉だったということを教えてくれました。
いろんな意味で、縁を感じています。

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