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囲碁ニュース [ 2018年2月15日 ]

第3回欧州プロ選手権、リジー1pが初優勝

第3回となる欧州プロ選手権が2月5-9日、ルーマニアのヴァトラドルネイにおいて開催された。

ヴァトラドルネイの町並み。ルーマニア北部ブコヴィナ・モルダヴィア地方にあるスキーリゾートである。
(写真:EurogoTV、Judith van Dam)

 欧州プロ選手権は、第1回、2回とロシアのサンクトペテルブルグで開催されており、第1回はフランスの樊麾(ファンフイ)2pが、第2回はイリヤ・シクシン1p(当時)が優勝している。

メインオーガナイザーのカタリン・ツァラヌ5p(右)夫妻。(写真:EurogoTV、Judith van Dam)
参加者のプレート。(写真:欧州囲碁連盟)

 ルーマニアではここ数年囲碁関連行事を盛り上げようとする動きが盛んで、ヴァトラドルネイでの冬季囲碁キャンプもその一つ。今回の欧州プロ選手権は、この囲碁キャンプに併せて行われた。同時に、欧州囲碁連盟(EGF)アカデミーのキャンプも行われている。

プロ選手権に参加したのは昨年の優勝者イリヤ・シクシン2p(最近、昇段点に達し、欧州プロとしてはじめて2pに昇進した)をはじめとする欧州プロ6人(パボル・リジー1p、アリ・ジャバリン1p、マテウシュ・スルマ1p、アルテム・カチャノフスキー1p、アンドリー・クラベッツ1p)に加え、アレクサンダー・ディナーシュタイン3pを加えた7人で、総当たり戦で覇を争った。


ディナーシュタイン3p(左)対カチャノフスキー1pの対局。(写真:EurogoTV、Judith van Dam)

ジャバリン1p(左)対シクシン2p。ジャバリン1pは、先日のグランプリファイナル戦と打って変わって不振だった。(写真:EurogoTV、Judith van Dam)
最終結果。(写真:欧州囲碁連盟)
優勝したリジー1p。(写真:欧州囲碁連盟)

 結果は、パボル・リジー1pが最終戦でジャバリン1pに負けたのみの5勝1敗で見事優勝を果たした。リジー1pは欧州囲碁連盟(EGF)のプロ第1号。その後は大きな大会での優勝がなかったが、今回は独特の鋭い棋風が開花、苦しい碁も見事な逆転で勝利につなげた。

 なお、2位はシクシン2pで、やはり5勝1敗だったが、直接対決でリジー1pに負けたのが響いた。3位はカチャノフスキー1pが占めた。

 囲碁キャンプは週末にも続き、新設となる「Vado Cup」をはじめ様々な大会が催される。

囲碁キャンプに参加する子どもたち。シチョウ…かな?(写真:EurogoTV、Judith van Dam)

[ 記事:野口基樹 ]

囲碁ニュース [ 2018年1月29日 ]

第1回グランプリファイナル、ジャバリン1pが優勝

 1月18-21日にかけて、第1回グランプリファイナル大会がチェコ・モラビア地方のオロモウツにあるパラツキー大学において開催された。「欧州グランプリ」を構成する10大会の結果により選抜された16人のプレーヤーが参加した。
 「欧州グランプリ」は欧州囲碁連盟(EGF)が2015年以来実施しているシステム。これは「積極的に大会に参加している欧州出身プレーヤーのパフォーマンスを測り、成績優秀者を表彰する」ことが目的とされていて、1年の間にEGF圏内で比較的重要な大会に参加したプレーヤーに成績によって得点を与え、その総合点を争う、という内容。こうしたシステムは以前、トヨタやパンダネットも主催していていた。「欧州グランプリ」を構成する「比較的重要な大会」としては、毎年5月にベルリンで開催されるグランドスラム大会に加え、得点配分の高さに従ってAランク大会からCランク大会までがある。こうしたランクはどのように決定されるか、というと、一言で言えば大会組織者がEGFに納める金額の差によるものである。今回のファイナル出場者を決定した2017年の大会を見ると、Aランク大会は独オーバーホフ欧州コングレスにおける欧州選手権のみ、Bランク大会は4大会(サンクトペテルブルク、ダブリン、パリ、アムステルダム)、Cランク大会も4大会(セルビアのニシュ、ウィーン、チェコのパルドゥビツェ、アムステルダムの欧州日本棋院25周年大会)で、グランドスラムを加え全部で10大会となっている。
 「欧州グランプリ」は欧州プレーヤーに大きなモチベーションを与えるシステムではあるが、グランドスラム大会での得点配分が高いため、その勝者がほぼ自動的にグランプリの勝者にもなってしまうことが欠点である。今回、「グランプリファイナル」と呼ばれる大会が創設されたのには、恐らくその点を修正する意味もあるのだろうと思われる。また、今年はプロ選考手合が開催されないのも関係しているのかもしれない。
 さて、参加したのは以下のプレーヤーで、第1段階では4人の総当たりリーグ戦を争い、上位2人が決勝ステージに進出する、というサッカー・ワールドカップのようなシステムである。

Aグループ
名前 段位 出身国 結果(勝-敗)
アルテム・カチャノフスキー 1p ウクライナ 2-1
タンギー・ルカルベ 6d フランス 1-2
アリ・ジャバリン 1p イスラエル 2-1
ニコラ・ミティッチ 6d セルビア 1-2
Bグループ
名前 段位 出身国 結果(勝-敗)
パボル・リジー 1p スロバキア 1-2
アレクサンダー・ディナーシュタイン 3p ロシア 2-1
クリスティアン・ポップ 7d ルーマニア 3-0
チャバ・メロ 6d ハンガリー 0-3
Cグループ
名前 段位 出身国 結果(勝-敗)
マテウシュ・スルマ 1p ポーランド 3-0
ドミニク・ボビズ 6d ハンガリー 0-3
アンドリー・クラベッツ 1p ウクライナ 1-2
デュシャン・ミティッチ 6d セルビア 2-1
Dグループ
名前 段位 出身国 結果(勝-敗)
マイリヤ・シクシン 1p ロシア 3-0
ルカシュ・ポドペラ 7d チェコ 0-3
ビクトール・リン 6d ウィーン 1-2
オスカル・バスケス 5d スペイン 2-1

見事枠抜けを果たしたバスケス5dは7位に入賞。
順位戦ではポップ7dを血祭りに。
(写真:Judith van Dam – EurogoTV)

 プロではリジー1pとクラベッツ1pが脱落。逆にアマチュアからはデュシャン・ミティッチ6d、ポップ7d、そして若手期待の星であるバスケス5dが見事枠抜けを果たした。

 ノックアウト方式で行われた決勝ラウンド1回戦では、ジャバリン、スルマ、カチャノフスキー、シクシンの欧州プロ4人がアマ勢を葬り去って準決勝に駒を進めた。やはり欧州プロ勢の壁は厚く、これを破るのは至難の業である。決勝に進出したのはジャバリン1pとカチャノフスキー1pで、結果はジャバリン1pが根性のシノギを見せて優勝した。ジャバリン1pは昨年はグランドスラム大会で最下位に沈むなど大ブレーキで、ほとんど活躍がなく心配させたが、今回の優勝が再上昇のきっかけとなるか。

ジャバリン ジャバリン ジャバリン ジャバリン
ディナーシュタイン
スルマ スルマ
バスケス
カチャノフスキー カチャノフスキー カチャノフスキー
ポップ
シクシン シクシン
ミティッチ

優勝を飾ったジャバリン1p。
(写真:Judith van Dam – EurogoTV)
最終結果は以下の通り
1 アリ・ジャバリン 1p
2 アルテム・カチャノフスキー 1p
3 イリヤ・シクシン 1p
4 マテウシュ・スルマ 1p
5 デュシャン・ミティッチ 6d
6 アレクサンダー・ディナーシュタイン 3p
7 オスカル・バスケス 5d
8 クリスティアン・ポップ 5d

[ 記事:野口基樹 ]

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