日本囲碁ニュース

日本の囲碁ニュース・棋戦情報をお伝えします。
日本で行われている囲碁のイベントや棋戦情報を皆様にお伝えします。

囲碁ニュース [ 2019年8月15日 ]

芝野が名人戦挑戦者。プロ入り後、史上最短記録

 第44期名人戦(朝日新聞社主催)の挑戦者決定リーグ戦・プレーオフが、8月8日に打たれ、芝野虎丸七段が河野臨九段に黒番半目勝ちを収め、張栩名人への挑戦権を獲得した。規定により、八段昇段も決めた。19歳9カ月での7大タイトル挑戦は、井山裕太四冠の持つ19歳3カ月、一力遼八段の19歳3カ月に続く史上三番目の若さ。プロ入り4年11カ月での7大タイトル挑戦は、史上最速記録となる。また、第6局までに名人を獲得すれば、史上初の10代の名人が誕生する。初の7大タイトル挑戦をかなえた芝野は「なぜ挑戦者になれないのかと周りに言われていたので、とりあえず安心しました。10代初タイトルの記録は気にせず、自分の力を出し切りたい」と語った。終盤まで粘り続けた河野は「リーグ終盤は碁の内容がものすごく悪かった」と振り返り、「今日はいい碁を打ちたいと思っていましたが……仕方がないです。また腕を磨いて来期もがんばります」と語った。
 張栩名人と芝野の対戦成績は、張の1勝4敗と、芝野が勝ち越している。注目の七番勝負は、8月27日、28日に東京都文京区の「ホテル椿山荘東京」にて開幕する。

許碁聖、スコアをタイに戻す

 許家元碁聖に羽根直樹九段が挑戦する第44期碁聖戦挑戦手合(新聞囲碁連盟主催)の第4局が、8月9日、愛知県名古屋市の日本棋院中部総本部で打たれた。許は、初戦から二連敗の苦しい展開となったが、黒番中押し勝ちを収め、前局に続いて二連勝でスコアをタイに戻した。許は「自分らしい碁を打ちたい」、羽根は「第3、4局は内容が悪かった。第5局はいい碁を打ちたい」と、それぞれ抱負を語った。決着のつく最終局は、8月23日、東京都千代田区の日本棋院で行われる。

囲碁ニュース [ 2019年8月8日 ]

許家元碁聖、一勝を返す

 挑戦者の羽根直樹九段の二連勝で迎えた第44期碁聖戦挑戦手合(新聞囲碁連盟主催)の第3局が、7月27日に石川県金沢市の「北國新聞会館」で打たれた。白番の許家元碁聖が難解な大斜定石を仕掛け、羽根が受けて立った序盤は、検討陣からはやや白よしの評価。中盤に入ると羽根に後悔の一手があり、その後「絶好点だった」と羽根が振り返る白86のボウシから許が一気に優勢を築くと、そのまま押し切る形で羽根を投了に追い込んだ。一勝を返した許は「カド番というのは変わらないので、次局も精一杯がんばりたい」と語り、羽根も「次も精一杯打つだけ」と語った。第4局は8月9日、羽根の地元、愛知県名古屋市の日本棋院中部総本部で行われる。

名人戦リーグは、芝野と河野のプレーオフに

 張栩名人への挑戦権をかけた第44期名人戦リーグ(朝日新聞社主催)は、最終一斉対局が8月1日に東京と大阪で行われた。ここまで、リーグ内の順位上位から、井山裕太四冠、芝野虎丸七段、河野臨九段が2敗で並ぶ混戦レース。三者はそれぞれ羽根直樹九段、鈴木伸二七段、山下敬吾九段との対戦で、全員が勝てば、順位上位の井山と芝野がプレーオフを戦うという状況だった。まず、劣勢だった芝野が逆転で勝利を収め、プレーオフ以上を確定させた。続いて優勢だった井山が、緩めず最強を追及した一手から逆に主導権を奪われ、逆転負け。最後に残った河野は、劣勢から我慢を重ねて終盤に逆転。本因坊リーグに続いて、芝野と河野のプレーオフに進むこととなった。挑戦者をかけた大一番は、8月8日に行われる。

囲碁ニュース [ 2019年7月26日 ]

高校選手権全国大会

 7月22日から14日にかけて東京市ヶ谷の日本棋院で第43回全国高校囲碁選手権全国大会が行われ、全国から集まった高校生が熱戦を繰り広げた。22日、23日には団体戦、23日の午後から24日は個人戦が行われた。
 男子団体戦では今年の世界アマ選手権で日本代表として戦った川口飛翔さんが主将を務める筑波大附属駒場高校(東京)と開成高校(東京)の東京同士の決勝となった。筑波大附属駒場は川口さんという絶対的エースに信頼を寄せ、自分が勝てばチームが勝てると副将、三将は優勝に闘士を燃やしていた。開成も過去に3連覇するなど三人とも実力が拮抗しており非常にバランスが取れたチームになっている。途中から主将戦は筑波大附属駒場の川口さんに形勢が傾き両者ともにあとの二人に注目することになった。主将戦を筑波大附属駒場が、三将戦を開成が取り、副将を半目差で制した開成が6度目優勝を果たした。
 女子団体戦は洛南高校が安定した戦いぶりで2連覇を果たした。
 23日午後からは個人戦が行われ、男女とも注目選手が多く登場した。男子では昨年準優勝の鈴木智大さん(神奈川)、世界アマ選手権全国大会でベスト4経験のある北芝礼さん(愛知)、中学生名人経験のある森田拳さん(京都)など高校の大会におさまらず全国で活躍する選手が多く登場した。予選リーグが終わり16名が決勝トーナメントに進出するが、この3名が同じブロックに入ることになった。鈴木さんが昨年の雪辱を果たし見事優勝した。
 女子は岩井温子さん(京都)が3連覇なるかということが注目を集めた。岩井さんは安定した戦いぶりで決勝に進出。もう一方は昨年準々決勝で岩井さんに敗れた加藤優希さん(愛知)が勝ち上がった。熱戦の末、加藤さんが昨年の雪辱を果たし優勝、岩井さんの3連覇はならなかった。

囲碁ニュース [ 2019年7月24日 ]

羽根、二連勝で碁聖奪取に王手

 許家元碁聖に、挑戦者の羽根直樹九段が先勝してスタートした第44期碁聖戦挑戦手合(新聞囲碁連盟主催)の第2局が、7月19日、東京の日本棋院本院で行われた。中盤、黒番の許が左下の白の大石に襲いかかったシーンは、シノギを得意とする羽根が冷静に対処。終盤の難解なコウ争いで羽根がリードを奪い、そのまま押し切った。216手まで、白番中押し勝ちを収め、羽根が8期ぶりの碁聖位に王手をかけた。許は「ミスがいくつかあったので、次局は内容のいい碁を打ちたい」と巻き返しを誓い、羽根は「いい流れが来ているので、この流れが途切れないように一生懸命打ちたい」と語った。第3局は、27日に石川県金沢市の北國新聞会館で打たれる。

趙治勲名誉名人、マスターズカップ4回目の優勝

 50歳以上の七大タイトルホルダー経験者(16名に満たない場合は予選を行う)のトーナメント戦で行われる第9回フマキラー 囲碁マスターズカップの決勝戦が7月20日、東京の日本棋院本院で行われた。決勝に勝ち上がったのは、趙治勲名誉名人と小松英樹九段。序盤から黒番の趙が「らしさ」を見せる打ち回しでファンを楽しませる内容。形勢は、白の一手の緩着で逆転したようだ。149手まで、黒番中押し勝ち。趙が4年ぶり4回目の優勝を果たし、タイトル総獲得数の記録を75に伸ばした。大盤解説会場で解説と聞き手をつとめた河野臨九段と謝依旻六段を前に、局後の趙は「活躍できるのはシニア棋戦だけになりましたが、河野さんにも謝さんにも勝てるように、これからも精進していきたい」と話し会場を沸かせた。

囲碁ニュース [ 2019年7月17日 ]

井山、本因坊戦8連覇達成

 本因坊文裕(井山裕太四冠)3勝、挑戦者の河野臨九段2勝で迎えた第74期本因坊戦七番勝負(毎日新聞社主催)の第6局が、7月3日、4日に大阪府吹田市の「ホテル阪急エキスパーク」で行われ、黒番の文裕が171手まで中押し勝ち。歴代単独3位の本因坊戦8連覇を達成した。序盤、河野が力強く切りを入れ、戦いに突入するも、この切りが「後々まで負担になってしまった」と河野は振り返る。井山の打ち手が上回り、その後は流れを渡さずゴールに向かった。二連敗からの四連勝とシリーズの流れも渡さぬ見事な防衛となった。敗れた河野は「自分なりに頑張った結果。仕方ありません」と語った。文裕は「チャンスのあった2局目を落とし、好調な河野さんに押されるスタートで、失冠も覚悟した」という。しかし、「第3局は運がよかっただけですが、4局目以降は自分なりに今の力を出し切れました。防衛できて素直に嬉しいです」とシリーズを振り返った。

仲邑菫初段、最年少白星

 今年四月に史上最年少でプロ棋士になった仲邑菫初段が、7月8日、公式戦2局目となる女流棋聖戦の予選で、田中智恵子四段に勝利した。10歳4カ月は、最年少勝利記録。藤沢里菜女流本因坊が持っていた11歳8カ月の記録を大きく塗り替えた。仲邑は、大勢の記者に囲まれて、はにかみながら「嬉しい」と喜びを語った。

藤沢、扇興杯を制し、女流四冠に

 藤沢里菜女流本因坊と謝依旻六段による第4回扇興杯女流最強位戦の決勝が、14日、滋賀県東近江市で行われ、281手まで、大激戦の末、最終盤に逆転して、黒番の藤沢が1目半勝ちを収めた。第2回以来の2度目の優勝で、平成29年11月以来、自身二度目の女流棋戦四冠達成となった。準決勝で上野愛咲美女流棋聖を降し、無冠返上を期した謝は「また一から頑張ります」とコメント。藤沢は「二転三転、四転五転する難しい対局でしたが、また来年、この場で成長した姿を見せられたらと思います」と前を向き続ける抱負を語った。

囲碁ニュース [ 2019年7月10日 ]

アマ名人戦 大関さんV

 第14回朝日アマチュア囲碁名人戦全国大会が7月6日、7日の両日、東京市ヶ谷の日本棋院において行われた。招待選手を含む各57名が栗田佳樹アマ名人への挑戦権を目指した。
 1回戦から世界アマチュア選手権で今年日本代表として出場した川口飛翔さん、何度もアマチュア日本一になっている平岡聡さんが敗退する中、招待選手が順当に勝ち上がった。2日目のベスト8の内6名が招待選手となった。その中でアマ名人準優勝経験のある夏冰さん(招待)を破って2日目に進出した片山浩之さん(東京)の活躍が注目を集めた。
 ベスト4は全員が20代、前アマ名人の大関稔さんと学生十傑戦全国優勝の津田裕生さん、元アマ名人の平野翔大さんと昨年準優勝の星合真吾さんの対戦となり、大関さんと平野さんが決勝進出となった。
 大関さんと平野さんは一昨年のアマ名人戦挑戦三番勝負と同じ顔合わせであり、学生大会の決勝で何度も優勝を争っている。白熱の熱戦を大関さんが半目差で制し、全国優勝となり栗田佳樹アマ名人への挑戦権を獲得した。昨年は栗田さんが大関アマ名人に挑戦、勝利をおさめている。立場を変えての二年連続の対戦となる。
 大関さんは学生大会で大活躍し多くの学生タイトルを獲得、さらにアマ名人、アマ本因坊でも全国優勝するなどした。大関さんは「今年から社会人になり囲碁に割く時間は少なくなるが、これからも活躍できるように頑張りたい」と語っていた。
 栗田アマ名人との三番勝負は7月27日、28日に行われる。栗田アマ名人防衛か、大関挑戦者返り咲きなるか、注目の三番勝負である。

囲碁ニュース [ 2019年7月3日 ]

碁聖戦、羽根直樹九段が先勝

 許家元碁聖に、羽根直樹九段が挑戦する第44期碁聖戦挑戦手合(新聞囲碁連盟主催)が開幕した。井山裕太四冠が七大タイトルの挑戦手合に出場しないのは4年ぶりとなる。許が勝てば初防衛、羽根が勝てば8期ぶり二度目の碁聖位で、新旧対決としても大いに注目が集まるシリーズだ。羽根は「久しぶりの大舞台なので、しっかり準備していい碁を打ちたい」と語り、迎え撃つ許も「羽根先生は最近調子がいいですよね。僕も自分なりに準備をして、力を出し切り、いいパフォーマンスを発揮したい」と臨んだ。
 五番勝負の第1局は、6月30日に京都市左京区の「金戒光明寺」で打たれた。対局室となった「松の間」は枯山水の庭園に接しており、冷房設備がないため、重さ35キロの氷柱が2本持ち込まれ、扇風機の風を氷に当てたその冷風で両対局者は暑さをしのいだという。
 序盤、左上の数子を捨てて右下に先着し、逆に白への攻めを見たのが好判断で、ここで羽根が少しポイントをあげた。以降は、許にやや焦りも出たようだ。羽根は下辺で30子もの白の大石を仕留める力を出して勝負を決め、155手まで中押し勝ちを収めた。第2局は、7月19日に日本棋院東京本院にて行われる。

囲碁ニュース [ 2019年6月26日 ]

テレビ囲碁アジア選手権、韓国選手の三連覇

 第31回テレビ囲碁アジア選手権(主催:NHK、CCTV、KBS、日本棋院、中国棋院、韓国棋院)が、6月21日から23日までの3日間、東京都文京区「ホテル椿山荘 東京」で行われた。日本、中国、韓国から各2名と前年度優勝者によるトーナメント戦で、日本からはNHK杯で優勝した一力遼八段と、準優勝の井山裕太九段が参戦。久々の日本勢優勝に期待がかかったが、一力は中国の丁浩六段に、井山は韓国の申旻埈九段に惜敗し、一回戦で姿を消した。決勝戦には、丁と韓国の申眞諝九段が勝ち上がり、非公式ながら世界ランキング1位とされる申が、粘り強さを発揮して優勝を決めた。「終盤までは劣勢でしたが、相手のミスに助けられて勝つことができました。内容的には不満が残りますが、優勝できたことはとてもうれしい」と申。なかなか笑顔を見せなかったが、ゲスト棋士として招かれていた仲邑菫初段から花束を手渡されると、ひざをかがめて受け取りながら、思わず優しい笑みがこぼれていた。一力からは「結果が残せませんでしたので何も言えませんが、戦った感触としては、チャンスもありました。来年もまずNHK杯で結果を残し、この舞台に戻って一つでも多く勝てるようにがんばりたいです。自分が中心となり、若手皆で強くなっていきたいと思います」と頼もしい決意が聞けた。

囲碁ニュース [ 2019年6月20日 ]

本因坊戦、文裕スコアを逆転に3-2に

 挑戦者・河野臨九段の二連勝に、本因坊文裕(井山裕太四冠)が一勝を返してシリーズ前半を終えた第74期本因坊戦七番勝負(毎日新聞社主催)は、第4局と第5局が時間をおかず行われ、いずれも井山が勝利。スコアを3勝2敗と逆転し、本因坊8連覇に王手をかけた。
 6月13日、14日に静岡県沼津市の「旧沼津御用邸」で打たれた第4局は、序盤で河野がコウを仕掛けたまではよかったものの、コウ材の選択に問題があったと振り返る。コウ争いの振り替わりでリードを築いた井山が、主導権を譲らず黒番中押し勝ちを収めた。6月18日、19日に長野県松本市の「松本ホテル花月」で打たれた第5局も、一日目で井山がやや打ちやすい流れとなったようだ。二日目も優勢を意識した井山が河野の猛追を冷静に振り切り、白番4目半勝ちとなった。河野は、第3局で「勝勢」とも言われた好局を大逆転された終局後も、笑顔で検討を続け、周囲の関係者を感動させたという。しかし、この一局でシリーズの流れを変えたのは、七番勝負の経験が豊かな井山ならではの精神力。ここから河野がどう立て直すか。第6局は7月3日、4日に大阪府吹田市の「ホテル阪急エキスポパーク」にて行われる。河野は「ずっと苦しかった。次戦は少し間があくので、少しでも状態がよくなるよう努力したい」、井山は「勝負はこれからだと思って一生懸命打ちたい」と語った。

藤沢2連勝で女流立葵杯を防衛

 第6期会津中央病院・女流立葵杯三番勝負は、6月14日に第1局、16日に第2局が、いずれも福島県会津若松市「今昔亭」にて打たれた。藤沢里菜女流立葵杯が、上野愛咲美女流棋聖の挑戦を二連勝で退け、前身の会津中央病院杯から合わせて通算4期目となる三連覇を果たした。藤沢は、女流本因坊、女流名人と合わせた三冠を堅持し、女流棋戦の通算優勝回数を11と伸ばした。上野は1局目、2局目共に、布石で悪くしたと振り返る。「1局目は、なんとか難しい局面まで持っていけたのですが、里菜先生のいい手に対応できませんでした。2局目は、1時間以上長考して、いい手を打てず、もう長考はやめようと思いました」と笑顔で振り返りつつも「もう一局打ちたかったのですが」と無念さものぞかせた。今年に入り、上野はここまで21勝11敗だが、国内戦に限ると17勝3敗と一般棋戦でも大活躍している。最強の挑戦者を圧巻の強さで降した藤沢に、小林覚九段は「防衛戦は固くなりがちですが、挑戦者の気持ちで積極的に伸び伸び打っていた」とコメントを寄せた。藤沢は「今は碁を打ちたくてたまらない」と言う。女流界をリードする二人の成長と活躍に、今後も期待したい。

囲碁ニュース [ 2019年6月12日 ]

本因坊文裕(井山裕太)、大逆転で一勝を返す

 ここまで挑戦者、河野臨九段の二連勝となっている第74期本因坊戦七番勝負(毎日新聞社主催)の第3局が、北海道函館市の「五稜郭・函館奉行所」で行われ、本因坊文裕(井山裕太)が白番半目勝ちを収めて一勝を返した。本局は、序盤から黒番の河野が自信の打ち回しを見せ、優勢を築いて一日目を終えた。井山は「一日目のフリカワリの時点では全然ダメ。二日目はさらに悪くなってしまった。投了も考えた」と振り返る。現地検討陣からは「河野の名局」の声もあがったという。しかし、井山は諦めずに追いかけ、一方の河野にはわずかな油断があったようだ。最後の最後に井山が抜き去り、大逆転での勝利となった。河野は「1目計算間違いをしていて、安易に打ってしまった」とまさかの敗戦を悔やんだ。井山は26回目の七番勝負となるが、連敗スタートは初めて。河野は他棋戦でも充実した内容で好調を維持している。だが、長期戦の七番勝負は精神的なコントロールが難しいと言われ、流れが一気に変わることもある。井山が本シリーズの流れを掴むのか、河野が気持ちを立て直すのか。注目の第4局は、6月13日、14日に、静岡県沼津市の「旧沼津御用邸」にて行われる。

囲碁ニュース [ 2019年6月6日 ]

関東甲信越静囲碁大会

 第64回関東甲信越静囲碁大会が静岡県函南町の富士箱根ランドにおいて6月1日、2日の両日おこなわれた。函南町は神奈川県から芦ノ湖、箱根峠を越えた県境に位置する。そこに1都9県からそれぞれの代表が集まった。1チーム5名の団体戦で東京、神奈川、埼玉、山梨と地元静岡からは2チームが参加、理事監督連合を加えた16チームが交流と優勝を目指した。
 1回戦で埼玉Aと神奈川ミドルの強豪チームが対戦した。埼玉Aは元院生で埼玉県代表の伊藤裕介さんを主将に昨年学生十傑である津田裕生さんなど若手メンバーである。対する神奈川ミドルは木下暢暁さんを主将にした神奈川の県代表メンバーを集めたチーム。これを神奈川ミドルが3-2で制した。神奈川ミドルは3回戦でこれまた強豪の東京タワーと対戦した。これも神奈川ミドルが3-2で制し決勝に進出した。もう一方の山は神奈川の若手を中心とした神奈川ヤングが下馬評通り3回戦ともに5-0の圧倒的な成績で勝ち上がった。
 決勝は神奈川ミドル(木下暢暁・窪庭孝・佐々木慶・府川浩二・片岸完次郎)と神奈川ヤング(大関稔・稲葉一宇・石村竜青・硯川俊正・高根宏之)という神奈川同士の対戦となった。若さの神奈川ヤングが勝つか、神奈川ミドルがベテランの意地を見せつけるかという対戦になったが、5-0で神奈川ヤングが勝利し、20-0の完全優勝となり、神奈川の2連覇となった。

決勝戦 優勝の神奈川ヤング(右)
会場の様子

囲碁ニュース [ 2019年5月31日 ]

本因坊戦、河野が連勝

 本因坊文裕(井山裕太本因坊)に、河野臨九段が挑戦する第74期本因坊戦七番勝負(毎日新聞社主催)の第2局が、5月22、23日に、山梨県甲府市の「山梨県立文学館」で行われ、166手まで河野が白番中押し勝ちを収め二連勝とした。第1局で充実の打ち回しを見せ先勝した河野は「少しでもいい碁を残せるよう努力したい」、井山は「20代最後の対局をいい形で締めくくれるようベストを尽くしたい」と語って臨んだ。穏やかな立ち上がりから井山が戦いを仕掛け、白番の河野がやや打ちやすく、「黒は一手一手が難しい」と評される局面へ。その難しい勝負所で井山が封じて一日目を終えた。しかし、二日目に河野が疑問手を放ち、主導権は黒の手に渡る。その後、「黒が勝負を決めにいった」と検討陣が見守るも、井山がさらに厳しい手を繰り出したところから局面は混沌とし、最後は井山らしくないミスで急な終局を迎えた。二連敗の井山は「考えていた変化にならず、よく分からなかった」と肩を落とした後、「苦しい状況になりましたが、精一杯自分の納得がいく碁を打ちたい」と巻き返しを誓い、河野は「苦しい時間が長かった。黒にいい手があれば一気に差が開いても文句は言えないと思っていました。勝てると思ったのは最後の最後」と振り返った後、「次局もいい碁を残せるように」と語った。第3局は、6月4、5日に、北海道函館市の「五稜郭・函館奉行所」で行われる。

囲碁ニュース [ 2019年5月22日 ]

早稲田 令和初のV

 平成から令和に元号が変わり初めての春季関東学生囲碁団体戦が東京の青山学院大学において5月3日から5日にかけて行われた。
 優勝候補は近年安定した成績を誇る早稲田大学。東京大学、東京理科大学、慶応義塾大学が打倒早稲田、そして優勝を目指し熱戦を繰り広げた。一部リーグの8校は前半の四回戦で4勝と4敗で明暗がわかれ、上位4校の争いとなった。
 アマ大会で活躍する星合真吾さんを主将に昨年の学生十傑である津田裕生さん、ネット棋聖戦でも優勝経験のある石田太郎さんと昨年と主力が変わらぬ早稲田大学が東京大学、東京理科大学、慶応義塾大学の4校の争いを全て3-2で制し、令和初の優勝を果たした。
 主将の星合さんは就職活動などで囲碁に集中できる環境ではなかったが後輩たちが頑張ってくれたと語った。

宝酒造杯東京大会

 第12回宝酒造杯囲碁クラス別チャンピオン戦が4月の京都大会より各地区ではじまった。宝酒造杯は全国12地区13大会(東京2回)が行われる。名人戦から級位戦と各段と級位者の全国1位を決める大会とあり毎年多くの方が参加している。
 5月18日、19日の両日に行われた東京大会は市ヶ谷の日本棋院に合わせて千人以上の参加者が集まった。県代表クラスの名人戦だけでなく各クラス大いに盛り上がった。
 名人戦はアマチュア大会で活躍する強豪が勝ち上がっていったがその中で女性の笹子理紗さんが決勝まで進んだ。しかし決勝で敗退してしまい名人戦初の女性優勝とはならなかった。
 宝酒造杯は一年かけて全国各地で予選を行い、来年の1月に京都において全国大会が行われる。

囲碁ニュース [ 2019年5月15日 ]

本因坊戦、七番勝負開幕戦は河野が制す

 本因坊文裕(井山裕太本因坊)に河野臨九段が挑戦する第74期本因坊戦七番勝負(毎日新聞社主催)の第1局が、5月11、12日、岩手県大船渡市の「おおふなぽーと(防災観光交流センター)」で行われ、黒番の河野が169手まで中押し勝ちを収めた。井山は「一日目で少し悪くした」と振り返る。45分長考して井山が封じた手に対して、二日目に河野が的確に対応してはっきりリードを奪ったようだ。その後、河野が手堅く打ち進めて際どい勝負となったが、「黒155のハネ出しが読みの入った絶妙な手だった」と新聞解説の趙善津九段は話す。今年に入って15勝2敗の河野の充実ぶりが出た一局となった。河野は「最後に中央を手にするまでは、分からなかった。いい手が見つかり勝ちになったと思いました。第2局も体調を整えて一生懸命打ちたい」、井山は「最後は際どくなったと思ったが、黒155に打たれて、その後を正しく打たれたら負けだと思いました。第2局は少しでもいい状態で迎えられるようにしたい」と話した。第2局は、22、23日に、山梨県甲府市の「山梨県立文学館」で打たれる。

羽根、有言実行。碁聖戦挑戦者に勝ち上がる

 許家元碁聖への挑戦権をかけ、5月9日、第44期碁聖戦(新聞囲碁連盟主催)挑戦者決定戦が打たれた。決勝の舞台に勝ち上がったのは、準決勝で余正麒八段を降した羽根直樹九段と、井山裕太四冠を降した一力遼八段だった。中盤までは白番の一力が優勢との評だったが、勝機を求めた羽根の強手からコウ争いへと進み、一力が微妙なミスを重ねたようだ。261手まで、黒番の羽根が中押し勝ちを収め、挑戦者に名乗りをあげた。羽根が七大タイトルの挑戦手合に臨むのは、2012年の名人戦以来7年ぶりとなる。「昨年、張栩さんが名人位を奪還したことに刺激を受けた。井山さんを中心に、平成四天王の世代と若手との群雄割拠の時代を作りたい。そのために、自分はここ数年が勝負。必死にがんばりたい」と語った羽根が、言葉どおりの結果を残した。挑戦権を獲得した羽根は「負けの図はいろいろあったが、幸運にも勝つことができた。久しぶりの大舞台なので、しっかり準備していい碁を打ちたい」と五番勝負への抱負を話した。

囲碁ニュース [ 2019年5月10日 ]

第15回オールアマ囲碁団体戦

決勝戦 優勝の山田と愉快な仲間たち(左)

 4月28日、東京市ヶ谷の日本棋院において第15回オールアマ囲碁団体戦が行われ、無差別クラス24チーム、クラス別103チーム、635名もの人数が参加した。多いところでは6チームエントリーしたところもあった。
 無差別クラスは毎年、全国レベルの強豪が集まり優勝を狙うチームは全員が全国トップクラスの実力者である。
 前回優勝の星研も学生トップクラスの星合真吾さんを筆頭に今年も学生のトップクラスを揃えていたが2回戦で精濃運輸囲碁部に4-1で敗れた。精濃運輸囲碁部はアマ名人、本因坊で優勝経験のある大関稔さんや元院生Aクラスの村上裕貴さんなど星研に比べて一世代前の元学生強豪チームである。その精濃運輸囲碁部も3回戦で敗退するなどハイレベルである。
 そんな中、優勝を果たしたのが山田と愉快な仲間たちである。同チームは昨年の内閣総理大臣杯でも優勝したチームで、昨年、プロ試験本戦で好成績をおさめていた山田凌馬さんを主将に現アマ名人の栗田佳樹さん、院生1位経験があり今年も外来からプロ試験を受ける予定の近藤登志希さん、院生A経験のある西山喬紘さん、同じく院生A経験があり少年少女囲碁大会でも全国優勝の経験がある高嶋渓吾さんと元院生トップクラスの若手メンバーである。本来なら今年の6月に行われる世界アマ選手権で日本代表として戦う川口飛翔さんも参加予定であったが、埼玉県のアマ名人戦県大会と同日だったためメンバーを外れたそうだ。4回戦合わせて19-1という圧倒的な成績であった。1敗をしてしまった近藤さんは「自分のせいで完全優勝を逃した」と悔しがっていたが、主将の山田さんは「この成績は上出来」と満足そうであった。

囲碁ニュース [ 2019年5月7日 ]

芝野虎丸七段がグランドチャンピオン

 タイトルホルダーと賞金ランキング上位者16名による第6回(2018年)グランドチャンピオン戦(日本棋院、関西棋院主催。内閣府、文部科学省後援)の準決勝と決勝戦が、5月6日、日本棋院で行われた。
 準決勝は、井山裕太グランドチャンピオン(シードにより準決勝から参戦)VS 一力遼阿含桐山杯・竜星と、許家元碁聖・おかげ杯 VS 芝野虎丸七段(賞金ランキング七位)のカードが組まれ、それぞれ井山と芝野が制して決勝に勝ち上がった。本棋戦の決勝戦は、公開対局で、すぐ隣では大盤解説も同時進行する趣向。会場には、大勢のファンが集まり、片岡聡九段と吉原由香里六段による大盤解説に耳を傾けながら熱戦を見守った。序盤から下辺で戦いが始まり、両者必死に読み合う険しい攻防が展開された。「出だしの戦いで苦しくしてしまって」と井山は振り返る。「その後、難しくなったかなとは思ったのですが、はっきりよくなったと思った場面はなかったですね」。中盤に入り、劣勢を意識した井山が、少しがんばった手を繰り出した機を、芝野が的確にとがめて勝負を決め、152手まで白番中押し勝ちを収めた。井山は「最近は厳しい後輩ばかりで全然先輩を敬ってくれなくて大変です」と笑顔で敗北宣言。芝野は「最近あまり囲碁の内容がよくないことが多くて、正直優勝できるとは全然思っていなかったので、嬉しいです」と照れながら話し、会場のファンからの拍手を集めていた。

囲碁ニュース [ 2019年4月23日 ]

村川新十段誕生。井山四冠に。

 井山裕太十段に村川大介八段が挑戦する第57期十段戦五番勝負(産経新聞社主催)の第四局が、4月19日、大阪市の日本棋院関西総本部で行われた。初戦に敗れた後に二連勝して臨んだ村川が、「超」がつく難解な戦いの碁を制し、白番中押し勝ち。井山に流れを渡さず、三連勝で一気にタイトルを奪取した。対井山戦で12連敗を喫していた村川は、連敗を止めた二局目の勝利が一番嬉しかったと振り返り、「信じられない。まだ実感がわきません」と笑顔で話した。結婚後、体重が10キロ増えたそうで、「幸せ太りですか?」と尋ねられて「はい」と正直に答える様子からも、心身ともに充実していることがうかがえる。2014年の第62期王座以来、二つ目の七大タイトル獲得により、九段への昇段も決めた。「前回七大タイトルを取ったときは、それだけで満足してしまったので、今回は気を引き締めて精進します」と抱負を語った。敗れた井山は2015年11月以来の四冠に後退し、「これが今の自分の実力です。一から出直して、またこの舞台に戻ってきたい」と語った。

仲邑菫新初段、デビュー戦は白星おあずけ

 注目の「菫ちゃん」が、いよいよプロとして歩み始めた。英才特別採用推薦棋士の第一号、史上最年少棋士の仲邑菫初段(10歳)のデビュー戦、竜星戦の予選が4月22日に打たれた。対戦相手は同じく今年四月に入段した大森らん初段(16歳)。たくさんの報道陣に緊張した様子もなく、両者は盤面に集中して熱戦を繰り広げた。仲邑は中盤の中央の折衝で遅れをとったようだ。中盤以降は、大森が緩まず押し切り、白番中押し勝ちとなった。解説の三村智保九段は「大森さんの試合巧者ぶりがでた見事な一局でした」と総評。仲邑の白星発進はならなかった。大森は「緊張してこわかったのですが、勝てて嬉しいです」と笑顔でプロ初白星をかみしめていた。

囲碁ニュース [ 2019年4月9日 ]

十段戦、村川が連勝で王手

 井山裕太十段が先勝し、挑戦者の村川大介八段が一勝を返して迎えた第57期十段戦五番勝負(産経新聞社主催)の第三局が、4月11日に長野県大町市の「くろよんロイヤルホテル」で行われた。序盤、右上の折衝で白番の井山がリードを奪うが、その後「勘違いしていた」という井山の失着があり、さらに読み合う険しい戦いの中で井山に読み落としがあったようだ。逆転を許した井山は、左下の黒の大石を取りかけに向かうものの、村川の正確な応手に阻まれて投了を告げた。村川は連勝で、タイトル奪取に王手をかけた。第4局は、4月19日、大阪の日本棋院関西総本部で行われる。

河野、本因坊挑戦を決める

 第74期本因坊戦(毎日新聞社主催)の挑戦者決定プレーオフ第2戦――河野臨九段対芝野虎丸七段の一戦が、4月10日に、東京都千代田区の日本棋院で行われた。どちらが勝っても本因坊戦初挑戦となる大一番に、河野は落ち着いた様子で、芝野はやや緊張した表情で臨んだ。芝野が勝てば、最年少記録と史上最短の八段昇段記録を塗り替えることとなる。局面は、中盤過ぎまで互角の形勢のまま進み、大フリカワリとなるも、やはり形勢は細かく、神経をすり減らすヨセ勝負となった。河野は「少し足りないと思っていた」と振り返るが、巧みに打ち回して白番1目半勝ちを収めた。リーグ戦二連敗スタートからの大逆転で挑戦者に駆け上がった河野は「陥落しないようにと頑張っていたので、まさかここまで来られるとは思いませんでした」と笑顔を見せ、5月11日に開幕する七番勝負に向けて「精一杯自分の力を出し切りたい」と抱負を語った。

囲碁ニュース [ 2019年4月9日 ]

本因坊戦リーグ、三者のプレーオフへ!

 大混戦の第74期本因坊戦(毎日新聞社主催)リーグ一斉最終対局が、4月5日(金)に東京都千代田区の日本棋院で打たれた。まず注目されたのは、山下敬吾九段と羽根直樹九段の一戦。ここまで5勝1敗の羽根が勝てば挑戦者決定、敗れるとプレーオフが必至という状況だった。3敗の山下は挑戦者争いからははずれていたが、勝てば残留、負ければ陥落が決定する大一番。結果は山下が白の大石を仕留めての黒番中押し勝ちとなった。
 リーグ内序列が一位の山下の勝利によって、2敗同士の河野臨九段と一力遼九段の一戦は、勝者がプレーオフ進出、敗者が陥落という、文字通り「明暗」を分けることとなった。戦いに次ぐ戦いの結果、河野が白番1目半勝ちを収めた。同じく2敗だった芝野虎丸七段も勝利し、三者によるプレーオフが確定した。
 山下と芝野が勝利したことで、余正麒八段は最終局に勝利したが陥落が決定。4勝3敗という勝ち越しの成績でプレーオフなしに2名が陥落するのは20期ぶりのこと。「一勝」があまりにも大きい今期のリーグ戦となった。
 三者による挑戦者決定プレーオフは、まず序列が下の羽根と河野が戦い、勝者が芝野と戦う。

本因坊戦挑戦者決定プレーオフ第一局は、河野が勝利

 井山裕太本因坊への挑戦権をかけて、熾烈な戦いがクライマックスを迎えている。第74期本因坊戦(毎日新聞社主催)の挑戦者決定プレーオフの第1戦――羽根直樹九段と河野臨九段の一局が、4月8日、東京都千代田区の日本棋院で打たれた。羽根は今年に入り14勝6敗で、本因坊戦リーグの最終局で山下敬吾九段に敗れるまでは11連勝を記録していた。対する河野も今年12勝1敗。まさに絶好調同士の一戦となった。結果は河野が黒番中押し勝ち。リーグ内序列が上位の芝野虎丸七段との決戦に駒を進めた。いよいよ、挑戦者が決定するプレーオフ第2戦は、10日に、千代田区の日本棋院で行われる。

囲碁ニュース [ 2019年4月4日 ]

十段戦、一勝一敗のタイに

 井山裕太十段に、村川大介八段が挑戦する第57期十段戦五番勝負(産経新聞社主催)の第二局が、3月29日、東京都千代田区の日本棋院で打たれた。村川は第一局に敗れ、対井山戦「13連敗」と苦しい対戦成績となっていた。だが、本局では持ち味の明るい打ち回しを見せた。中盤、白番の村川がやや優勢な局面の中、井山が左辺の弱い石を放置したまま、あえて中央の黒石を切断させる手を選択し、難解な戦いに突入。井山は「普通に打っては足りないと思って仕掛けたが、どうだったか」と振り返った。その後、互いに秒読みとなりながら、必死の読み合いが続くが、村川が井山の強手に冷静に的確に対応し、逆転の機を与えず、粘る井山を振り切って154手まで白番中押し勝ちを収めた。立会人の中小野田智己九段は「村川八段の快勝譜」とコメントを残した。村川は「ようやく連敗が止められ、ホッとしています」と緊張した面持ちで、井山も厳しい表情で「次も精一杯打つだけ」と語った。一勝一敗とスコアをタイにして迎える第三局は、4月11日に、長野県大町市の「くろよんロイヤルホテル」で行われる。

囲碁ニュース [ 2019年3月28日 ]

井山、壮絶な戦いの末に、棋聖位七連覇

 第43期棋聖戦七番勝負(読売新聞社主催)は、3月14、15日に、新潟県南魚沼市「温泉御宿 龍言」にて第七局が打たれた。「歴史に残る壮絶な名局」と評される313手の激戦の末、白番の井山裕太棋聖が、挑戦者の山下敬吾九段に6目半勝ちを収め、最終局までもつれる長い戦いが幕を閉じた。序盤、右辺の攻防では、井山が全ての白石を助けようとした手を、山下の剛腕が許さず、全ての白石が取られる結末に。一時は、「地合いで黒が60目リード」とも言われ、山下必勝と思われた。しかし、中盤以降、紛れを求める井山の打ち回しと、山下のわずかな迷いが重なり、攻め取りの形に持っていきながら、各所の白地を増やして井山が大逆転を果たした。井山は「ミスの多いシリーズで、最終局に勝てたことも幸運だった」、山下は「形勢を悲観しすぎ、無謀な手を打って崩れた局があったことが惜しまれる」と振り返った。平成最後の七番勝負にふさわしい、記憶に残る激戦だった。井山は来期、小林光一名誉棋聖の持つ「八連覇」のタイ記録をかけて七番勝負に臨むこととなる。

藤沢、女流名人位を逆転防衛

 藤沢里菜女流名人に、謝依旻六段が挑戦する第31期女流名人戦三番勝負は、挑戦者の先勝に続いて、第二局が3月14日に京都市平安女学院大学「有栖館」にて、第三局が22日に東京都千代田区の日本棋院にて行われた。 第二局は、難戦から白番の謝が優勢を築いたが、謝に失着があり藤沢が逆転。その後の険しい攻め合いも制して藤沢が一勝を返した。第四局は藤沢が「自分らしく打てた」と振り返る満足の一局となり、白番中押し勝ちで防衛し、三連覇を決めた。謝の無冠返上はならなかった。

一力、悲願のNHK杯初優勝

 3月24日に第66回NHK杯テレビ囲碁トーナメント戦の決勝戦が放映され、一力遼七段が、井山裕太五冠を降して悲願の初優勝をとげた。井山のNHK杯三連覇はならなかった。  一力は過去に二回決勝戦に進みながら敗れており「今年こそ」と臨んだ一局だった。「優勝できホッとしている」と笑顔を見せた一力は、優勝・準優勝者が出場する「テレビアジア選手権でも結果を出したい」と意欲を見せた。井山は「三年連続で決勝戦に勝ち上がれたことは上出来。前回テレビアジア選手権で優勝したときは、NHK杯は準優勝でしたので、今回もと、ポジティブに考えたい」と語った。

囲碁ニュース [ 2019年3月15日 ]

女流アマ 吉田さん二度目V

 第61回女流アマチュア囲碁選手権が3月9日、10日の両日、東京市ヶ谷の日本棋院において行われた。各6人が16のブロックにわかれて3回戦を行い、1人が決勝トーナメントに進出する。
 予選リーグは順当な勝ち上がりが多い中、過去2回の優勝経験があり毎年好成績をおさめている大沢摩耶さんが予選敗退となった。大沢さんを破った松本実優さんは今年度の女流棋士採用試験で本戦まで進んだ実力である。女流アマ選手権では近年、元院生でプロ志望者、またはプロを目指していた10代後半から20代前半の優勝者や上位入賞者が多い。松本さんもそんな選手として注目を集めた。
 ベスト4に進んだのは松本さん、藤原彰子さん、吉田美穂さん、久代迎春さんとなった。松本さん以外は優勝経験者。久代さんは2連覇を目指す。
 準決勝は吉田さんと久代さん、藤原さんと松本さんというベテラン同士、若手同士の対戦となり、吉田さんと藤原さんの決勝となった。決勝戦はお互いの大石の目がなく、盤上全体に及ぶ大激戦を吉田さんが制し、第51回以来10年ぶりの優勝となった。若手が活躍する中、昨年の久代さんに続きベテランの優勝となった。久代さんと松本さんの3位決戦は松本さんが制した。

囲碁ニュース [ 2019年3月13日 ]

女流名人戦、謝依旻六段が先勝

 藤沢里菜女流名人に、謝依旻六段が挑戦する第31期女流名人戦三番勝負(産経新聞社主催)が開幕した。昨年、11年ぶりの無冠となった謝だが、すぐにタイトル戦挑戦者に名乗りをあげて実力者ぶりを示した。両者が、女流タイトル戦の番碁、または決勝戦で頂点を争うのは8回目。女流囲碁界を盛り上げる両雄でもある。
 第一局は、3月6日に、大阪府東大阪市の大阪商業大学で行われた。序盤、白番の藤沢が、上辺で思い切った「二段バネ」を見せ、その後の折衝で優勢を築いたが、終盤に入り、謝が勝負手を繰り出す。藤沢の打ち過ぎをとがめた謝が逆転に成功して、黒番中押し勝ちを治めた。藤沢は「気持ちを切り替えて次に臨みたいです」、謝は「次も一生懸命打つだけ」とコメントを残した。第二局は、14日に、京都市上京区の平安女学院大学で行われる。

棋聖戦、山下逆転勝利で最終局へ

 井山裕太棋聖の3勝2敗で迎えた第43期棋聖戦七番勝負(読売新聞社主催)の第六局が、3月7、8日の両日、神奈川県箱根町の「ホテル花月園」で行われた。前局で逆転負けを喫し防衛を逃した井山は、ここで決めたいところ。だが「スコアは意識せずに」と臨んだ。山下は「目の前の一局に集中するだけ」と気合いを入れた。
 序盤の右辺の攻防で黒番井山の実利と白番山下の厚みという分かれとなるが、「実利が大きい」との評価が多く、黒優勢となった。その後山下が下辺の黒に襲いかかるしかなく、「黒がしのげば黒勝ち」という流れになる。難しい戦いの中、井山がしのぎ切り、誰もが「棋聖防衛」を確信したが、井山の一瞬のスキを捉えた山下が、左辺の黒を仕留めての逆転勝ちとなった。対戦成績は3勝3敗のタイとなり、決戦の場は最終局に持ち越された。注目の大一番は、3月14、15日に、新潟県南魚沼市「温泉御宿 龍言」で行われる。

囲碁ニュース [ 2019年3月8日 ]

十段戦五番勝負が開幕。井山十段が先勝

 第57期十段戦五番勝負(産経新聞社主催)が開幕した。四連覇をかける井山裕太十段への挑戦者には、村川大介八段が二年連続で名乗りをあげた。二人が七大棋戦の挑戦手合を戦うのは5回目で、2014年には村川が3勝2敗で井山から王座を獲得した。だが、その後は挑戦手合で村川に勝ち星がなく、昨年の十段戦も0 - 3のストレート負けを喫している。村川は、「子供の頃から尊敬している井山さんですが、今回は強い気持ちで戦いたい」と決意を新たに臨んだ。その第一局は、3月5日、大阪府東大阪市の「大阪商業大学」で打たれた。結果は、難解な戦いの碁を制して井山十段が白番中押し勝ち。村川の巻き返しに期待したい。第二局は、29日に東京都千代田区の日本棋院で行われる。

囲碁ニュース [ 2019年3月5日 ]

棋聖戦七番勝負、山下踏み止まる

 井山裕太棋聖の三勝一敗で迎えた第43期棋聖戦七番勝負(読売新聞社主催)の第五局が、2月27、28日の両日、山梨県甲府市の「常盤ホテル」で行われた。一日目は、山下敬吾九段が形勢を損ね、うなだれる時間が長かったが、二日目、中央の戦いに入り、優勢に進めていた井山のたった一手を境に形勢が入れ換わる。その後は井山の追い上げに山下が的確に応じて、山下の黒番6目半勝ち。一勝を返してカド番をしのいだ。井山は「途中まで難しいと思っていたのですが……中央は、実戦よりいい形があったと思います」と振り返り、次局に向けては「がんばりたい」とだけコメントした。山下は「まだカド番であることは変わりないですが、もう一局打てるのは嬉しい」と笑顔がこぼれ、「なんとか最終局までいけるように、体調を整えます」と前向きに語った。
 昨年名人戦で、一勝三敗のスコアから三連勝してタイトルを手中にした張栩名人の巻き返しは、記憶に新しい。今週から十段戦挑戦手合いもスタートする井山棋聖の過密スケジュールも、名人戦の記憶と重なる。厳しい戦いとなることは必至だが、その中での名勝負を期待したい。第六局は、3月7、8日に神奈川県箱根町の「ホテル花月園」で行われる。

囲碁ニュース [ 2019年2月26日 ]

日本勢、入賞ならず

 SENCO CUP ワールド碁女流最強戦2019(センコーグループホールディングズ株式会社特別協賛)が、22日、23日、24日に行われた。昨年スタートした本大会は、日本から、万波奈穂扇興杯ら扇興杯女流最強戦の上位4名、中国、韓国、中華台北、欧米からそれぞれ一位の棋士が参戦し8名のトーナメントで争われる。日本勢は奮闘したものの、世界の壁は厚く、昨年に続いて3位入賞はならなかった。決勝に勝ち上がったのは、女流二強と言われる韓国の崔精九段と中国の於之瑩六段。大混戦を制し、於六段が大会二連覇を果たした。
 期待のかかった上野愛咲美二段は、一回戦で中華台北の黒嘉嘉七段と互角の形勢だったが一手を境に流れを渡して惜敗。黒七段は「序盤から悪く、運よく勝てた」と振り返った。黒七段との三位決定戦に臨んだ佃亜紀子五段は、劣勢から必死の追い上げを見せ、「攻めまくっている」と検討陣がエールを送りつつ見守ったが、惜しくも届かなかった。於六段と崔七段は「来年も出場したい」と抱負を語り、佃五段は「日本が勝つまでこの大会を続けてください」と巻き返し宣言。若い新初段らと共に切磋琢磨して、近い将来の「日本が勝つ」日を期待したい。

囲碁ニュース [ 2019年2月23日 ]

上野、謝、棋聖戦Cリーグ入り決定

 第43期棋聖戦挑戦手合七番勝負(読売新聞社主催)が佳境に入る中、次期挑戦者を目指す戦いも進行している。第44期棋聖戦のCリーグ入りをかけたファーストトーナメント予選は、決勝に進出した三人の女流棋士が注目を集めた。2月14日は、藤沢里菜女流本因坊と上野愛咲美女流棋聖がそれぞれ決勝戦に臨んだ。藤沢は広瀬優一二段に惜敗したが、上野は橋本雄二郎九段に黒番中押し勝ちを収め、現在の制度になってから女性棋士として鈴木歩七段に続く二人目のCリーグ入りを果たした。局後、上野はおっとりと「決勝は意識せず、いつもどおりに打てました。でも、負けそうになったときは悔しかったです」と独特のコメントで周囲を笑わせていた。
 翌15日には、女流史上3番目に若い12歳でプロ入りを決めた妹の上野梨紗さんの記者会見が行われ、姉妹そろって明るい話題を囲碁界に運んだ。
 21日は、謝依旻六段が、大竹英雄名誉碁聖を降してCリーグ入りを決めた。女性棋士2名がCリーグに参戦するのは史上初。活躍が期待される。

仲邑菫さん「うまく打てた」

 2月20日、週刊碁企画の「新初段シリーズ」の特別対局として、今年4月に史上最年少の棋士となる仲邑菫さんが、台湾最強の女流棋士、黒嘉嘉七段に挑戦した。22日から始まる「SENCO CUP」に出場する黒七段の来日に合わせて実現したものだ。仲邑さんは中盤までは優勢を築く健闘ぶりだったが、ヨセで逆転されて中押し負けとなった。大盤解説を担当した小林覚九段は「昨年の張栩さんとの試験碁に始まり、井山裕太五冠、韓国女流ナンバーワンの崔精九段、曺薫鉉九段らトップ棋士との記念対局を見てきましたが、今回の碁が一番面白い。よく打てています」と成長を評価。仲邑さんも「うまく打てた」と自信をのぞかせた。

囲碁ニュース [ 2019年2月16日 ]

井山裕太棋聖、七連覇にリーチ

 井山裕太棋聖に山下敬吾九段が挑戦している第43期棋聖戦挑戦手合七番勝負(読売新聞社主催)の第三局が2月2、3日に長崎県西海市の「オリーブベイホテル」で、第四局が13、14日に埼玉県川口市「旧田中家住宅」で行われ、ともに井山棋聖が勝利。対戦成績を3勝1敗とし、棋聖位七連覇にあと1勝と迫った。
 第三局は、序盤から競り合いが始まり、戦い続ける展開となった。上辺で白番井山の大石が花見コウとなるものの山下が期待していたほどの成果は得られず、その後も「ところどころに誤算があった」と山下は振り返る。最後は黒の大石を仕留めて井山の中押し勝ちとなった。
 第四局は、序盤の右上隅の振り替わりで白番の山下が隅を制し、黒番の井山が厚みを築く展開となった。その後の右辺の変化や封じ手後の打ち方に山下は納得いかなかったようで、やや無理気味に仕掛けていき右下隅から激しい戦いに突入した。厳しい態度で応戦した井山が隙を与えず押し切り、中押し勝ちを収めた。
 井山は「後半、左辺を切断したときに、白にいい手がなければ(相手に時間がないので)いけると思った」、山下は「序盤の分かれが少し悪く、右下隅も予定の行動ではなかった」と振り返った。
 井山は「自分なりに精一杯準備して臨みたい」、山下は「一局でも多く打てるように頑張りたい」と次局への豊富を語った。第五局は、27、28日に山梨県甲府市の「常盤ホテル」で行われる。

囲碁ニュース [ 2019年2月9日 ]

ジャンボ月組 バトリアヌス帝国V

 2月2日、東京市ヶ谷の日本棋院において第48回ジャンボ大会月組が行われ1チーム15人、33チームが2ブロックにわかれて熱戦を繰り広げた。Aブロックは15人が強力なメンバーで構成され日本一の団体を目指し、Bブロックは仲間たちと参加し他の団体との対戦・交流に楽しんだ。
 Aブロックは毎年のように優勝争いに関わっている多岐技会と大熊義塾、近年現役の学生を中心に構成されたバトリアヌス帝国、洪道場のOBを中心に構成されたパンダ道場が2連勝し、前評判通りの勝ち上がりとなった。
 3回戦では前回決勝を争った多岐技会と大熊義塾、バトリアヌス帝国とパンダ道場の対戦となった。多岐技会は元アマ本因坊の瀧澤雄太さんを中心に世界アマ日本代表経験のある坂本修作さん、小学生から大学生まで活躍した癸生川聡さん等アマチュア強豪を集めた。大熊義塾は関西棋院の大熊悠人初段が学生のころからの仲間を集めたチームで、大関稔さんを筆頭に元学生タイトルクラスで構成されている。今大会において両チームは10年続けて対戦しておりまさにライバル同士である。昨年は多岐技会が大熊義塾を降し優勝したが、今回は大熊義塾が制した。大熊初段は昨年のリベンジをしたかったと語った。
 一方のバトリアヌス帝国はアマ名人の栗田佳樹さん等現役学生を中心に構成された。チーム名はメンバーを集めた幹事の馬鳥さんからとったもの。パンダ道場も今年の世界アマ日本代表である川口飛翔さんを主将にしているチーム。これはバトリアヌス帝国が制した。
 決勝は大熊義塾とバトリアヌス帝国になり、数年前まで学生囲碁界を引っ張ってきたチームと現役学生トップという先輩後輩と言える対決となった。昨年も対戦しており、そのときは大熊義塾が先輩の貫禄を見せたが、今年はバトリアヌス帝国が若手の勢いを見せ9-6で勝利、見事初優勝を果たした。

囲碁ニュース [ 2019年2月1日 ]

山下九段、会心の勝利でスコアはタイに

 井山裕太棋聖に山下敬吾九段が挑戦している第43期棋聖戦七番勝負(読売新聞社主催)の第二局が、1月21、22日の両日、鳥取県境港市「夢みなとタワー」で行われた。結果は山下九段の白番中押し勝ちとなり、スコアを一勝一敗のタイに戻した。序盤の左下の攻防で山下九段がリードを奪い、流れを渡さぬまま二日目に入る。井山棋聖の猛追に難しい局面となったが、山下九段が冷静に対処し左辺の大きな白地をまとめきった快勝の譜だった。局後、山下九段は「一勝一敗になったので、次も思い切り打ちたい」、井山棋聖は「一日目でダメにしました。次はもう少しいい碁を」と語った。第三局は2月2、3日に長崎県西海市「オリーブベイホテル」にて行われる。

藤沢里菜四段、初の本戦勝利

 昨年女流三冠を達成した藤沢里菜四段が、一般棋戦でも快挙の記録を残した。1月21日、第45期天元戦の本戦1回戦で、藤沢四段が勝利。史上初の女流棋士「本戦」初勝利となった。女流棋士は、藤沢自身も含め過去10人、のべ13回が本戦入りを果たしたことがあるが、初戦の壁を越えることはできなかった。藤沢四段は、韓国の女流ナンバーワン、崔精九段が「世界戦ベスト4が目標」と公言していることに刺激を受け、「男性にも負けていない。気構えを見習わなければ」と語る。今回も「女流本戦初勝利は光栄です」としながらも「ふだんと変わらず対局に臨みました。せっかく本戦に入れたので、一局でも多く打ち、勝ちたい」と話した。

上野愛咲美女流棋聖、最強挑戦者を退け防衛

 上野愛咲美女流棋聖に、藤沢里菜三冠が挑戦する第22期女流棋聖戦(株式会社NTTドコモ協賛)の挑戦手合三番勝負が行われ、上野女流棋聖が二連勝のストレート勝ちで初防衛を果たした。第一局は、1月17日に神奈川県平塚市「ホテルサンライフガーデン」で打たれ、白番2目半勝ち。第二局は、1月28日に東京都千代田区の「竜星スタジオ」で打たれ、持ち前のパワーで圧倒して黒番中押し勝ちを収めた。上野女流棋聖は、昨年、16歳3カ月という女流棋聖戦史上の最年少記録で初タイトルを手にしたときも、謝依旻女流棋聖(当時)に二連勝。タイトル戦では負け知らずの勝負強さを発揮した。上野は、藤沢女流三冠を「あこがれの棋士」と呼び、「一勝できればと思っていたので驚いています。気負いがなかったのがよかったのかも。これから国際棋戦の出場機会が増えるので結果を残したいです」と前向きなコメントと共に喜びを語った。

囲碁ニュース [ 2019年1月29日 ]

第29回東日本大学OB・OG団体戦

 1月20日、東京市ヶ谷の日本棋院において東日本大学OB・OG囲碁大会が行われた。東日本の大学OB・OG 13人の団体戦で、36チームが3ブロックにわかれて母校のために競い合った。
 一番上のAブロックは一昨年優勝の早稲田大学は世界アマ日本代表経験のある坂本修作さんを主将に2年ぶりの優勝を目指したが、1回戦で明治大学に7-6で敗れた。連覇を狙う昨年優勝の慶應義塾大学は学生王座経験のある丹羽隼也さんを筆頭に20代の若手を若手中心のメンバー構成で1回戦を13-0で快勝。
 2回戦では早稲田大学が1回戦で敗退したことにより、事実上の優勝争いと前評判が高かった慶應義塾大学と東京大学の対戦となり、6-6と最後に残る1局まで勝敗が決まらない大熱戦となったが、慶應が制し7-6と2回戦を制した。慶應は3回戦も一橋大学戦を13-0で制した。
 決勝は慶應と1回戦で早稲田を破った明治大学との対戦となり、7-6で慶應義塾大学が連覇を果たした。
 1回戦で敗れた早稲田も3位を決める4回戦で村上深さん率いる中央大学を破り3位となった。
 来年のAブロックへの繰り上がりを目指すBブロックは北海道大学が優勝、東北大学が2位となった。
 5人制のCブロックは5チームが参加し、東京外国語大学が優勝した。Cブロックの参加者からは「チーム数がどんどん減ってきて寂しい」という声があった。

囲碁ニュース [ 2019年1月21日 ]

棋聖戦が開幕。井山棋聖が先勝

 七連覇を目指す井山裕太棋聖に、十期ぶりの奪還を期す山下敬吾九段が挑戦する第43期棋聖戦七番勝負(読売新聞社主催)が開幕した。第一局は、新春の10、11日の両日、東京都文京区の「ホテル椿山荘」で打たれ、172手まで、井山棋聖が白番中押し勝ちを収めた。序盤から「井山棋聖優勢」の評価が多かったが、二日目に入り山下九段が強手を放って巻き返し、一時は長期戦が予想された。だが、再び井山棋聖が黒模様で仕掛けていき、局面は険しくなる。「この白は取れなさそうだね」と、現地検討会場では、新聞解説の高尾紳路九段、金秀俊九段、村川大介八段らが推移を見守るなか、逆に井山が黒石を取って勝負をつけた。井山棋聖は「終始難しい碁だったが、下辺の黒を切断して行けると思った」と振り返り、山下九段は「一日目の時点で苦しくしてしまった」と反省の弁。二局目に向けて気を引き締めていた。第二局は、21、22日に鳥取県境港市の「夢みなとタワー」で行われる。

 
 

第44期棋聖戦、女流棋士Cリーグ入りなるか

 第43期棋聖戦七番勝負が開幕するなか、第44期棋聖戦のCリーグ入りをかけたファーストトーナメント予選が佳境に入りつつある。1月10日は、上野愛咲美二段が大場惇也七段を破って決勝進出を決めた他、藤沢里菜四段が武宮正樹九段を破って準決勝に進出。また、杉内寿子八段と謝依旻六段もそれぞれ準々決勝に駒を進めるなど女流棋士の進出が目立った。とりわけ杉内八段は昭和2年3月生まれ。90歳を越えられてのご活躍に、ネット上でも多くの棋士たちが称賛と敬意と応援の思いを書き綴っていた。女流棋士のリーガー誕生なるか、七番勝負とともに、こちらの戦いからも目が離せない。

囲碁ニュース [ 2019年1月16日 ]

ジャンボ雪組 横浜本因坊優勝

 1月12日、東京市ヶ谷の日本棋院において第48回ジャンボ囲碁大会雪組が行われた。1チーム11人の団体戦で、企業、日本棋院支部が参加できる。この日は16チームが出場した。
 今回注目を集めたのは初出場の全碁協中野坂上支部である。全日本囲碁協会のメンバーと中野坂上の囲碁サロンたつみに集まるメンバーで構成されている。元アマ本因坊の村上深さんを主将にアマ碁界のレジェンド菊池康郎さん、学生強豪の星合真吾さんなど豪華メンバーである。観戦者の数も多かったが2回戦で彩の国連合に5-6で敗れた。
 優勝決定戦に進出したのは昨年優勝の横浜本因坊支部と彩の国連合である。
 横浜本因坊は神奈川県の関内にある碁会所で、主将に府川浩二さん、副将に石村竜青さんなどベテランから若手まで神奈川県の県代表クラスを中心に集まっている。1回戦から3回戦まで11-0と隙のない勝利で優勝決定戦に駒を進めた。
 彩の国連合は埼玉県の支部で浦和から川口にかけてあたりの強豪が集まっている。主将に曽我部敏行さん、副将に田熊秀行さんなど埼玉県代表に何度もなったことのあるベテランを中心に構成されている。
 昨年も優勝争いをした両チームで、接戦が予想されたがスコアは9-2で横浜本因坊が勝利し見事優勝を果たした。

大会の様子
優勝決定戦 2列にかけて右が横浜本因坊

囲碁ニュース [ 2019年1月10日 ]

史上最年少の女流棋士誕生

 日本棋院は、5日、英才特別採用推薦棋士の第一号として、小学校4年生の仲邑菫さん(9歳)の入段が決定したと発表した。「英才特別採用推薦棋士制度」は、世界戦の優勝を目指すなど、最高レベルの棋士となるために昨年12月に新設され、原則として採用は小学生に限るという。仲邑さんは今年4月1日から、国内では藤沢里菜女流三冠の11歳6カ月を抜き、10歳0カ月の史上最年少のプロ棋士となる。
 仲邑さんの父は、日本棋院所属の棋士・仲邑信也九段、母はアマチュア強豪の幸さん。3歳のとき幸さんに手ほどきを受けた後、韓国への囲碁留学などで才能を伸ばしてきた。2016年には第11回関西ジュニアペア碁大会にお母さんと出場して優勝、昨年に行われた第4回パンダネットレディース囲碁トーナメントでも優勝するなど、数々の実績もあげている。取材陣に囲まれて、はにかむ様子はまだあどけないが、「目標にする棋士は井山裕太棋聖。中学生のうちにタイトルを取りたい」と話すときには勝負師の表情ものぞかせた。昨年、仲邑さんと対局をした張栩名人は「衝撃でした。必ず世界で戦える棋士になると強く思いました」、今年6日にイベントで公開対局をした井山裕太五冠は「男性棋士とまじって、天下を獲れる才能」と、それぞれ仲邑さんの強さを高く評価している。仲邑さんのプロ入りは、テレビや新聞、外国のBBCニュースなどでも取り上げられ、注目度は抜群。囲碁界が大きく盛り上がりそうだ。

第4回パンダネットレディース囲碁トーナメント 決勝戦
第4回パンダネットレディース囲碁トーナメント 表彰式
第11回関西ジュニアペア碁大会 決勝戦
第11回関西ジュニアペア碁大会 表彰式

囲碁ニュース [ 2019年1月4日 ]

井山、五冠を堅守

 昨年最後の挑戦手合い、第44期天元戦五番勝負(新聞三社連合主催)の第五局は、12月19日に徳島県徳島市の「徳島グランヴィリオホテル」で打たれた。先に王手をかけた井山裕太天元に対して、挑戦者の山下敬吾九段も簡単には土俵を割らず、2勝2敗とシリーズを盛り上げたが、最終局は中盤の鋭い打ち回しでリードを奪った白番の井山天元がそのまま押し切り中押し勝ちを収め、通算7期の4連覇を決めた。昨年は2つのタイトルを明け渡した井山だが、五冠を堅守。七大タイトル獲得数「43」の新記録も達成した。井山は「一つ一つの積み重ねの結果です。これからも励みにしたい」と語った。
 新春は、1月10日から第43期棋聖戦七番勝負(読売新聞社主催)が開幕する。天元戦に続いて挑戦する山下九段の雪辱がなるか、井山時代が続くのか、今年の囲碁界の熱い幕開けに期待したい。

藤沢、新記録を達成

 2018年の年間最多勝ち星などが発表された。最多勝利は2年連続で、46勝(23敗)をあげた芝野虎丸七段。最多対局、69局と合わせてトップとなった。勝率一位は富士田明彦六段が8.37割(41勝8敗)の驚異的な数字で一位。連勝は小池芳弘三段の19連勝が一位にランキングされた。なお、藤沢里菜女流本因坊は、43勝(23敗)をあげ、2001年の小林泉美女流名人の41勝(18敗)を抜いて女流最多勝記録を更新し、一般でも一力遼八段(43勝23敗)と並んで勝ち星2位タイとした。こちらも2007年の謝依旻女流本因坊の3位を抜き、女流棋士の最高位を記録した。

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