日本囲碁ニュース

日本の囲碁ニュース・棋戦情報をお伝えします。
日本で行われている囲碁のイベントや棋戦情報を皆様にお伝えします。

囲碁ニュース [ 2022年5月17日 ]

一力、雪辱をかけて碁聖戦挑戦者に名乗り

 井山裕太碁聖への挑戦権をかけた第47期碁聖戦(新聞囲碁連盟主催)の挑戦者決定戦が、5月16日に東京都千代田区の日本棋院で打たれた。この大舞台に勝ち上がったのは、前碁聖の一力遼棋聖と、余正麒八段。両者は、本因坊戦に続いて挑戦者決定局で相まみえることとなった。「序盤から経験のない展開になり、中盤以降自信はなかった」と一力は難戦を振り返る。だが、コウを解消して形が決まり、勝ちを意識したという。219手まで、一力が黒番中押し勝ちを収め、井山へのリターンマッチ出場を決めた。余にとっては大一番でのつらい連敗となった。一力は「今年もこの舞台に戻ってくることができてよかったと思います。井山さんと1日制の碁は久しぶりなので、2日制とは違った碁になると思いますが、精一杯自分のベストを尽くして戦います」と抱負を語った。七大タイトルの挑戦手合で、井山と一力の組み合わせとなるのは、棋聖戦、本因坊戦に続いて今年に入ってから3棋戦目。充実の両者による頂上決戦が歴史を作っている。挑戦手合五番勝負の第一局は、6月24日に、大阪市北区の「日本棋院関西総本部」にて行われる。

囲碁ニュース [ 2022年5月12日 ]

本因坊戦、歴史的名局で開幕

 本因坊文裕(井山裕太本因坊)に、一力遼棋聖が挑戦する第77期本因坊戦七番勝負(毎日新聞社主催)が開幕した。第1局は、石川県金沢市の「金渓閣」で5月10、11の両日に打たれ、本因坊戦七番勝負史上最多の357手までの大熱戦を、井山が黒番半目勝ちとし、11連覇へ向けて好スタートをきった。一日目の立ち上がりから、布石はなく戦いに突入し、両対局者も「そもそもよくわからない」(井山)、「手さぐりの状態」(一力)と振り返る展開となる。井山が「左下が生還したが、全局的に薄く、今一つかなと思っていた」という状態で一力が封じた。二日目も「一手先も見えない戦いが続いた」と井山。日本棋院公式YouTubeで解説をつとめた立合の羽根直樹九段と「幽玄の間」の解説も兼任していた高尾紳路九段も、「どこまでいっても難しい」と驚きをまじえながら見守っていた。一日目、二日目の午前あたりまではAIの評価は白番の一力を優勢としていたが、井山の反撃で逆転する。「中央から右下の黒に食いつける展開になって少し盛り返した」と井山。一力は、「中盤、方針が定まらず、かなりちぐはぐになってしまった」と反省する。AIの評価が80%代で井山優勢を示しても、羽根・高尾両解説者は「互角」の評価だった。終盤、上辺で白の切りが入った瞬間に、白の評価が90%代に高まる。井山は、この切りを「見えていなかった」と振り返った。対局中も首を傾げ、身体をよじる様子が映し出され、白勝ちが想像された。だが、ここから起死回生の一手をひねり出す精神力はさすが。高尾九段は「勝着」と呼び、井山も「一応、コウになって、それなりに難しくなった」と手応えを持ったようだ。だが、その後もコウ争いの場を何回も移しながらの難戦が延々と続く、まさに頂上決戦の名にふさわしい大熱戦となった。高尾九段は「歴史的大熱戦」、「歴史的名局」とし、井山が半コウをついで半目勝利した終局時には「両者に拍手を送りたい」と賛辞を送った。第2局に向け、井山は「自分なりにコンディションを整え、精一杯やりたいと思います」、一力は「もう少しいい内容の碁を打てるようにがんばります」と語った。その第2局は、5月24、25の両日、埼玉県熊谷市の「熊谷ラグビー場」にて行われる。

囲碁ニュース [ 2022年5月6日 ]

春の叙勲・褒章 ―― 石田と井山が受章

 令和4年春の叙勲・褒章受章者が4月29日付で発表され、囲碁界では石田芳夫九段(二十四世本因坊秀芳)が旭日小綬章を、井山裕太九段(名人・本因坊・王座・碁聖)が紫綬褒章をそれぞれ受賞することが決まった。存命の棋士の中では、勲章を受章するのは、杉内寿子八段、大竹英雄名誉碁聖、林海峰名誉天元に次いで石田が4人目。褒章受章は、大竹、林、石田、小林光一名誉棋聖、趙治勲名誉名人に次いで井山が6人目となる。8月に74歳、来年現役60目を迎える石田は「光栄としかいえません。この受章に恥じないよう碁界に貢献していきたい」とあいさつし、AIにはない独創性を碁に求めつつ、「2千局、1200勝に到達したら(引退を)考えます。もうひと踏ん張り」と現役棋士としての抱負を語った。最年少での受章が決まった井山は「こんなに早く…思いもよらなかったこと」と驚いた様子を見せ、「名誉なことで大変光栄に思います。今後は棋士としても、人間としても、少しでも成長していけるよう精進していきたい」とあいさつした後、「新たなことに挑戦していく姿勢で」囲碁に向き合い、「盤上への興味は尽きません。囲碁の真理に近づけるように成長していきたい」と語った。

囲碁ニュース [ 2022年4月28日 ]

アマ名人戦予選各地で始まる

 4月になると都道府県で第16回朝日アマチュア囲碁名人戦の都道府県大会が始まり、7月の全国大会、大関稔アマ名人への挑戦を目指す。4月には東京をはじめ、埼玉、愛知、大阪などの都市部を中心にすでにいくつかの県で続々と予選が行われ各代表が決まっている。全国優勝経験者や全国上位常連などが順当に勝ち上がっているようである。県大会は4、5月を中心に行われる。東京では近年、コロナの影響からか参加者数が以前より減っているようであるが、地方では昨年の参加を控えていたという参加者が復帰してきているようである。とはいえ、まだまだコロナ以前の人数に回復するまではいかないようであり、会場の確保に苦労している県もあるようである。それでも大会への参加を楽しみにしている参加者は多く、昨年は緊急事態宣言の中行われていたところもある県大会だが、今年は宣言が出ていなくて嬉しいというコメントもあった。
 迎え撃つ側の大関アマ名人は3月には井山裕太名人とのプロアマ名人戦が行われ、井山名人に敗れている。左上の攻防で大関アマ名人に誤算があったのか、逆コミのハンデがあるものの、井山名人が押し切ったという印象である。
 昨年は10代の北芝礼さんが全国大会を制し、大関アマ名人に挑戦したが、今年も若手が登場するのか、ベテランが巻き返すのか。そして大関アマ名人が3連覇をするのか注目である。
 アマ名人戦が盛り上がる中、アマ竜星戦(世界アマ日本代表決定戦)の中止も発表されている。

囲碁ニュース [ 2022年4月19日 ]

藤沢、菫二段を退け、女流名人五連覇

 五連覇か史上最年少記録の大幅更新か――「第33期博多・カマチ杯女流名人戦」三番勝負(一般社団法人巨樹の会他協賛)の第1局と第2局が、それぞれ4月14日と16日に東京都千代田区の日本棋院で行われた。注目を集めた本シリーズは、藤沢里菜女流名人が挑戦者の仲邑菫二段の挑戦を退け2連勝とし、謝依旻六段(9連覇)以来二人目の5連覇を達成した。仲邑二段の初タイトル奪取は見送りとなった。
 勝てば13歳1か月という若さでのタイトル獲得となる仲邑二段の挑戦だった。1局目は接戦となり、囲碁AⅠが黒番の仲邑二段優勢を伝える時間も長かった。だが、難解な中盤戦から終盤に入るあたりで藤沢女流名人がいつもどおりの強さを発揮し逆転。白番中押し勝ちとなった。2局目は序盤から藤沢がほぼ完璧な打ち回しを見せる。途中「不安があった」(藤沢)、「悪いなりに少し難しくなったかと思った」(仲邑)と両者が振り返る攻防はあったものの、他では反撃を寄せつけず、藤沢の黒番中押し勝ち。貫禄の強さで防衛を果たした。仲邑は「(女流名人戦の直前に打たれた)SENKO CUPが一番うまく打てた」と振り返り、本シリーズは「内容があまり良くなかったので残念です」としながらも、「藤沢先生は、時間の使い方など、やはり勝負強いなと感じた。こういう大きな舞台で藤沢先生と2局打てて勉強になりました」と報道陣に応えた。藤沢は「13歳という若さで挑戦できるのもすごいし、この大舞台で普段と変わらない空気を感じたのでメンタルの強さもすごいと思った」、「改めて仲邑二段の厳しさを感じた」と挑戦者を讃えたが、自身も「こんなに大勢の報道陣に囲まれた対局は初めてでしたが、対局が始まれば普段どおりに打てました」とメンタルの強さを披露。「これからもどんどん強くなっていく仲邑二段に置いていかれないようにがんばります」と笑顔を見せながら、「仲邑二段に限らず、誰にも負けたくないので」と静かに闘志を語った。

囲碁ニュース [ 2022年4月12日 ]

許十段、初防衛

 許家元十段の二連勝で迎えた大和ハウス杯 第60期十段戦五番勝負(産経新聞社主催)の第3局が、4月7日、長野県大町市「ANAホリデイ・インリゾート 信濃大町くろよん」で行われた。序盤、左下の折衝で黒番の許がペースを握り、白を攻めながら優勢に立った。挑戦者の余正麒八段も左辺で勝負手を放ち見せ場を作ったが、許がこれをかわして逃げ切った。黒番中押し勝ちで三連勝とし、七大タイトルで初の防衛を果たした。本局で公式戦の連勝を15に伸ばした絶好調の許だが、「この碁は、途中から何が起きているのかわからなくなって…逆転されていてもおかしくなかったです。シリーズ全体としても難しい碁が続き、どちらが勝ってもおかしくない勝負だったと思います」と謙虚に振り返った。また、思い切った勝負手で相手の大石を取りにいって逆転し、勝利を収めた第2局に勝てたことが大きかったと初防衛の勝因を語った。敗れた余は「いったんは難しくなったかと思ったのですが…。精一杯やった結果なので仕方ありません」と語り、「またこの舞台に戻ってこられるようにがんばります」と前を向いた。

上野、日本女流界初の世界一

 第4回SENKO CUPワールド碁女流最強戦(センコーグループホールディングス株式会社特別協賛)が4月8、9、10の3日間に渡って開催され、上野愛咲美女流棋聖が悲願の日本勢による世界戦初優勝を果たした。今大会は、「扇興杯女流囲碁最強戦」上位4名と主催者推薦1名、中国、韓国、中華台北のランキング1位という8名によるトーナメント戦がネット対局で行われ、日本からは「扇興杯」優勝者の藤沢里菜女流四冠、準優勝の上野女流棋聖、ベスト4の鈴木歩七段、謝依旻六段と、ベスト8に残った仲邑菫二段が推薦枠で出場し、中国からは於之瑩七段、韓国からは崔精九段、中華台北からは蘆鈺樺四段がそれぞれ出場した。過去三回の大会はいずれも於七段が優勝しており、日本勢は決勝戦に進出したことがなかった。だが、今年は8日の1回戦から日本勢が奮起。謝六段が、女流世界最強として知られる崔九段に勝利し、上野女流棋聖は於七段を降した。鈴木七段は蘆四段に惜敗したが、日本勢同士の一戦を制した藤沢女流四冠との3名がベスト4に勝ち上がった。また、まもなく開幕する「女流名人戦五番勝負」の前哨戦となった藤沢女流四冠と仲邑二段の対局は、一時はAIが90%を越える数字で仲邑二段優勢を伝えたが、「神がかり的な強さがある」と張栩九段らトップ棋士に定評のある終盤力で藤沢女流四冠が逆転した。藤沢女流四冠との初の公式戦を終えた仲邑二段は「意外と力の差はないな」と手応えを感じたそうだ。
 9日の準決勝は藤沢女流四冠との超難解な戦いの碁を上野女流棋聖が制して決勝に進出。謝六段は蘆四段に惜敗し、「世界最強の崔さんにまさか勝てるの思わなかったので、本当にうれしいです。準決勝もできれば勝って決勝戦を打ちたかった」と無念の表情で語った。そして、10日は東京都千代田区の日本棋院で「SENKO CUP 女流囲碁フェスティバル」も開催され、大盤解説も行われるなか、大勢のファンと女流棋士たちの応援を受けながら、上野女流棋聖と蘆四段の決勝戦がスタートした。「ハンマー」の異名をとる戦う棋風の上野女流棋聖が、読み切って最強の着手を選びながら相手の大石を召し取るという「らしさ」全開の内容で勝利を収め、日本中の囲碁ファンと棋士たちが歓喜した。優勝した上野女流棋聖は「勝った3局とも、AIを使う研究会で学んだ布石が出てきて、うちやすくなりました。研究会のみんなに感謝したいです」と語り、「後悔する手は打たなかったので満足な内容です。優勝の実感はありませんが、勝っていたみたいでうれしい」と取材陣に笑顔で応えていた。三位決定戦は、藤沢女流四冠が謝六段に勝利を収めた。

囲碁ニュース [ 2022年4月5日 ]

許、初代「テイケイ俊英」

 25歳以下の棋士が出場する新棋戦、第1回テイケイ杯俊英戦(テイケイ株式会社協賛)の決勝三番勝負・第2局が、4月2日、東京都千代田区の「竜星スタジオ」で打たれ、許家元十段が芝野虎丸九段に勝利。第1局に続く2連勝で、初代「テイケイ杯俊英」となった。両者の対戦成績は芝野がリードしていたが、昨年、許が芝野から十段位を奪取して以来追い上げ、この第2局を終えて11勝11敗と並んだ。第1局は、同じく「竜星スタジオ」で3月4日に打たれた。許が芝野の中央の攻めをかわしてリードを奪い、盛り返した芝野が上辺の折衝での返し技も決めて細かいヨセ勝負となったが、許が半目逃げ切っての勝利だった。今年の芝野は本局まで4連勝と調子を上げてきたものの、トータルでは7勝7敗。かたや許は、13連勝中。第2局は、13連勝の勢いが勝り、238手まで、許が白番中押し勝ちとなった。連勝を14に伸ばした許は「自分でもびっくりです」と笑い、戴冠については「できすぎた部分はありますが、すごくうれしいです。だいぶ自信にもなりました」と喜びを語った。

菫二段、史上最年少挑戦者

 藤沢里菜女流名人への挑戦者を決める「第33期博多・カマチ杯女流名人戦リーグ」(一般社団法人巨樹の会他協賛)が3月31日の日程を終えた時点で、仲邑菫二段が単独1位となり、挑戦権を獲得した。仲邑は鈴木歩七段に敗れたものの、残る強豪に連勝し、3月24日に自身の最終戦で向井千瑛六段を破って5勝1敗でゴール。31日の上野愛咲美女流棋聖と謝依旻七段の一戦の結果を待っていた。謝が勝てば1敗で並びプレーオフとなるが、結果は上野の黒番中押し勝ち。1敗は仲邑唯一人となった。女流名人戦三番勝負が開幕する4月14日に、仲邑は13歳1か月。藤沢の持つ挑戦者最年少記録の16歳0か月を大きく更新した。仲邑は「こんなに早くタイトル戦に出られるとは思ってなくて本当にうれしいです。(リーグ戦では)謝先生、上野先生に勝てて自信になりました」と喜び、「里菜先生とは研究会で20局くらい打ってもらい2局くらいしか勝ったことがない。ふだんからすごく優しくてめちゃくちゃ仲良くさせていただいているんですけど、碁もすごく強くて、人としてもすごく尊敬している憧れの先生。実力的には相当厳しいと思うので、少しでも何かを得られればなと思います」と抱負を語った。迎え撃つ藤沢は「勝算はないです。菫さんは、今年に入ってますます力をあげている印象ですし、普段打っている練習碁と本番ではまた違うので、公式戦は今回が初めてなんですけど、どんな戦いになるのか、戦ってみないとわからないなというのが今の気持ちです」と語った。

一力が本因坊挑戦者に

 本因坊文裕(井山裕太本因坊)への挑戦権をかけた第77期本因坊戦リーグ(毎日新聞社主催)の最終一斉対局が3月31日に打たれ、全勝の余正麒八段は芝野虎丸九段に敗れ、一力遼棋聖は佐田篤史七段に勝ち一敗で並んだ。両者のプレーオフは4月4日に打たれ、一力が白番中押し勝ちを収めた。序盤から一力がポイントをあげて優勢を築き、そのままつけ入る隙を与えぬ快勝。余はつらそうに投了を告げた。余は「リーグ全体を通しては自分なりに頑張れました」と語ったが、一力、許家元十段の強敵を降しながら、最終局で半目負け。プレーオフでは力を出し切れない無念の敗退となった。一力は、これまで本因坊リーグでは一つの黒星に泣くことが多く、「三大タイトルのリーグは、全勝しなければ挑戦者になれない」と語るようになっていた。昨年の名人戦リーグ、棋聖戦Sリーグはいずれも全勝で挑戦権を獲得。それゆえ「リーグ戦で1敗したときは、挑戦は厳しいかなと思っていた」と振り返る。「プレーオフまできて、そのチャンスをものにすることができ、ホッとしています」と静かに喜びを語った。一力の本因坊戦挑戦は初。また、名人戦、棋聖戦、本因坊戦と連続して三大タイトルで同一カードが組まれるのは史上初。井山の11連覇が成るか、一力がこれを阻み世代交代をすすめるのか。両者の七番勝負は、5月10、11日に、石川県金沢市の「金渓閣」にて開幕する。

囲碁ニュース [ 2022年3月29日 ]

ジュニア本因坊戦

 花まる学習会杯第25回ジュニア本因坊戦全国大会が3月26日、27日の両日、東京の毎日ホール(毎日新聞東京本社)にて行われ、32名の子供たちが頂点を競った。認定大会ではなく、こういった子供の全国大会では小学生・中学生は夏の少年少女囲碁大会のようにそれぞれ別に小学生の部、中学生の部とわかれるのが普通であるが、本大会の特徴は小中学生が同じ舞台で全国の頂点を目指す。予選も県大会ではなく、関東や関西といったブロックごとになっている。
2日で5回戦行われるが、1日目で小学生名人の吉田透真くんが敗れるなど、小学生の有力選手や、中学生でもこれまで全国上位常連が次々に敗れるなど混戦になった。
全勝対決は原一太くん(愛知・中3)と樋口駿くん(福岡・中1)となり、樋口くんが初の全国優勝となった。決勝は序盤から苦しく最後は逆転勝利だった。両者は1週間前に京都で行われたボンド杯こどもチャンピオン全国大会でも顔を合わせており、そのときは原くんの勝ちだったため、樋口くんはリベンジを果たしたことになる。樋口くんは3回戦で1目半、4回戦で半目と接戦が多かった。
樋口くんは福岡ブロックの代表だが佐賀在住で、引退後に故郷に帰り囲碁指導をしている吉岡薫九段に教わっている。吉岡九段は弟子が多く中部総本部でプロになっている弟子が多い。
近年では子供たちのレベルが上がっており、どの子も強いので実績がある子が勝てるとは限らないくらい実力差が無くなっている。

囲碁ニュース [ 2022年3月22日 ]

一力遼新棋聖誕生

 第46期棋聖戦七番勝負(読売新聞社主催)の第7局が、3月17、18の両日、京都市の仁和寺で打たれ、挑戦者の一力遼九段が、井山裕太棋聖に黒番中押し勝ちをおさめ、悲願の棋聖戴冠を果たした。前週の10、11の両日に神奈川県箱根町の「ホテル花月園」で行われた第6局は井山が勝利。昨年からのカド番対局を10連勝とし、異名となっている「カド番魔王」ぶりを発揮した。3勝3敗で迎えた最終局は、井山の10連覇か、10年ぶりの新棋聖誕生かで大いに注目された。
対局前夜、東北では大きな地震があり、一力は「連絡を取る術がなかったのですが、自分のできることは、まずは目の前の一局に集中することだと思って頑張りました」と振り返る。対局は、左辺で6線をオシて、相手に地を与えるリスクをとりつつ中央の白を攻める大胆な戦略が注目を集めた。この決断が奏功し、白の大石を攻める中で一力がリードを奪うと、そのまま逆転のスキを与えず逃げ切った。悲願の三大タイトル獲得を果たした一力は、4連敗を喫した4年前の棋聖戦挑戦時を振り返り「以前よりは少し成長できた部分はあるのかなと思いますが、まだまだ内容的には足りない部分もあったので、引き続きがんばっていきたい」と語り、今シリーズを総括して「井山さんにはまだ及ばない部分がある。これからも精進したい」と謙虚に喜びを語った。10連覇を絶たれた井山は「今期は残念な負け方が多かったです。また力を蓄えて、戻ってこられるように頑張っていきたい」とリベンジを誓った。

囲碁ニュース [ 2022年3月17日 ]

女流アマ 久代さん 2度目の優勝

 3月12日、13日の両日、第64回全日本女流アマチュア囲碁選手権全国大会が東京市ヶ谷の日本棋院で行われ、久代迎春さんが2018年の第60回以来2度目の全国優勝を果たした。全国から88名が参加し、8つのブロックに分かれ3回戦が行われ16名が決勝進出となる。 予選リーグは順当に実績者が3連勝で勝ち上がる中、田中ひかるさん(栃木)が優勝経験のある大沢摩耶さん(埼玉)を降し、唯一の2勝1敗での勝ち抜けとなった。それに勢いがついたのか、決勝トーナメントでは関西棋院の元院生だった西方彩華さん(関西)、女子学生強豪の辻萌夏さん(東京)、高校選手権2連覇の経験がある京大生の岩井温子さん(関西)を降し決勝に進出した。 もう一方のブロックで注目を集めたのが谷結衣子さん(神奈川)である。高校選手権で全国優勝はあるが、大学でもあまり大会に出ず、卒業してからもほとんど碁をやっていなかったというが、女子学生本因坊の加藤優希さん(東京)、昨年の女流アマ全国優勝の内田祐里さん(シード)を降しベスト4となった。準決勝では久代さんに敗れた。 決勝の久代‐田中戦はねじり合いとなり、久代さんが読み合いの熱戦を制した。田中さんが勝利していれば、全勝者が1人もいないという珍しい展開となるところであった。 今大会では昨年の上位者が次々に姿を消す展開となったが、女流アマのレベルの高さと実力の拮抗を物語る結果となった。

囲碁ニュース [ 2022年3月8日 ]

「角番魔王」井山、1勝を返す

 井山裕太棋聖が、挑戦者の一力遼九段に1勝3敗と追い詰められて迎えた第46期棋聖戦七番勝負(読売新聞社主催)の第5局が、3月3、4の両日、神奈川県箱根町の「ホテル花月園」で行われた。歴史が変わる瞬間を見届けようと多くの報道陣が詰めかける中、井山が劣勢を「魔術」で覆し、213手まで黒番中押し勝ちを収め、角番を一つしのいで2勝3敗とした。序盤、左上の「経験のない形」(井山)からの競り合いは互角に分かれるが、その後、右下で井山が一力の一瞬の隙を突く鋭いキリを放ち、攻勢に立って一日目を終えた。二日目に入り間もなく、一力の強手から白が挽回し、さらに井山に見損じがあって形勢は大きく白に傾いた。「負けを覚悟した」と井山は振り返る。持ち時間も一時は井山が残り1時間強、一力が4時間弱と3時間もの差が開き、控室は「新棋聖誕生か」という空気に包まれた。ただし、立会をつとめた羽根直樹九段は「流れは白ですが、右下にはコウが残っており、左辺はまだ決着がついていません。こういう不透明要素がある碁では、流れを掴みかけている方が精神的には嫌なものです。勝負はまだ全くわかりません」と話した。その言葉どおり、井山が勝負手を次々と繰り出し、一力のミスを誘い、準備を完璧に整えてから左下隅の狙いを決行。井山が一気に逆転を果たした。新聞解説の六浦雄太七段が、井山の読みの深さ、技術、相手が間違えやすいように持っていく力、全てを総じて「魔術」と称し、「強すぎる」と感嘆する一局となった。井山は「精一杯準備して、悔いのないように臨みたい」、一力は「この碁は中盤以降ミスが多かったので、修正してがんばります」とそれぞれ次局への抱負を語った。昨年からの角番の対局を9連勝とした井山が、さらに10連勝として棋聖位10連覇につなげるのか。一力が悲願の戴冠を決めるのか。第6局は10、11の両日、同じく神奈川県箱根町の「ホテル花月園」で行われる。

囲碁ニュース [ 2022年3月2日 ]

一力、3勝目。井山、カド番に

 井山裕太棋聖が1勝、挑戦者の一力遼九段が2勝で迎えた第46期棋聖戦七番勝負(読売新聞社主催)の第4局が、2月18、19の両日、山梨県甲府市の「常盤ホテル」にて行われた。結果は第3局に続いての逆転で、236手まで、一力が黒番半目勝ち。3勝目をあげ、タイトル奪取まであと1勝とした。本局も、立会をつとめた張栩九段が「お互いに才能を見せつけ合っている」と評したように、序盤から見応えのある攻防が続いた。右下の攻防でわずかに井山がリードを奪ったようだが、一力も終始粘り強く勝機を探り続けた。二度の振り替わりを経て、井山優勢となったが、終盤に井山にミスが出て逆転を許した。新聞解説の鈴木伸二七段は「内容の濃い名局。秒読みに入るまでは両者完璧な打ち回し。秒読みに入ってから両者にミスがありましたが、最後にミス(白194)をした井山棋聖が少し届かなかったという印象」と評した。井山は「下辺の死活に錯覚がありました。それも実力なので仕方がない」と振り返り「気持ちを新たに少しでも納得できる碁を打てるよう準備していきたい」と語った。一力は「(シリーズを通して)勝った碁も紙一重。自分が有利だとは思っていません」と気を引き締め、「引き続き、目の前の対局に集中していきたい」と語った。井山は、昨年の本因坊戦、名人戦に続き、三大タイトルで角番に追い詰められた。その2シリーズは見事に逆転して防衛を果たしたが、棋聖戦でも底力を発揮できるか。注目の第5局は、3月3、4の両日、神奈川県箱根町の「ホテル花月園」で行われる。

許、十段戦先勝

 許家元十段の七大タイトル初防衛か、余正麒八段の初の七大タイトル奪取か――大和ハウス杯 第60期十段戦五番勝負(産経新聞社主催)が開幕し、第1局が、3月1日、大阪府東大阪市の「大阪商業大学」で打たれた。対戦成績は許が勝ち越しているものの、直近は余が巻き返している。二人は大親友としても知られ、余は「いつも通りに、平常心で打ちたい」と語った。序盤は早いペースで進んだ。許は「構想通りだった」と振り返る。余の仕掛けに許が反撃しリードを奪う。だが、余は決定打を与えず、冷静に打ち進め、接戦にもつれ込んだ。立会の山田規三生九段が「お互いに大きなミスがなく、ハイレベルな戦い」と評した一局は、238手まで、最後は細かいヨセ勝負を黒番の許が半目制して逃げ切った。許は「勝てたのは運がよかった」と振り返る。敗れた余は「勉強しなおして、第2局に臨みたい」と語った。第2局は、3月23日に滋賀県長浜市の「ホテル&リゾート長浜」で行われる。

囲碁ニュース [ 2022年2月25日 ]

アマ大会開催様々

 昨年後半には新型コロナウイルスの感染者数も減ってきており、アマ大会やイベントの開催も多く見られるようになってきたが、年が明けるとオミクロン株の影響により再び感染者数が増加してきた。それによりアマ大会やイベントの開催に大きな影響が出ている。
 いち早く発表があったのがジャンボ大会の中止である。ジャンボ大会は1チーム10人以上の団体戦で、東京大会では15人と11人、中部では11人で行われ、団体戦の中ではそれぞれのチームが一番力を入れるところである。大人数の団体戦ということもあってか、普段なら2月に開催されるこの大会は中止となった。他にも大学のOB・OG団体戦といったこれも10人以上の団体戦が中止になるなど、やはり団体戦という多くの人数が集まるものが中止となった。
 個人戦では宝酒造杯が年内の全会場での開催の中止を発表した。宝酒造杯は各段級位に分かれて行うため、東京大会になると1000人以上の参加者になる。加えて会場で試飲ができるなども中止の原因であろう。2月や3月にあると子供大会と女流アマ選手権の各都道府県予選から全国大会が行われる。こちらは例年通り開催はされるが、子供大会は地区によっては代表戦のみで、段級位認定大会を行わないところもある。全国大会は現在予定通り開催されるようである。
 学生大会も学生最強位戦が中止となり、関東カーニバルが6月に延期となった。学生大会としては例年5月に関東学生リーグという大学の団体戦が行われるが、学生の間では無事に開催されるか不安の声もあがっている。

囲碁ニュース [ 2022年2月15日 ]

知念・一力ペアが優勝

 第27回を迎える「プロ棋士ペア碁選手権2021」の決勝戦が、2月13日、東京都千代田区の日本棋院で行われ、知念かおり六段・一力遼九段ペアと牛栄子四段・井山裕太五冠ペアの大熱戦が繰り広げられた。二十四世本因坊秀芳と星合志保三段による大盤解説会はネット上でも流れ、鶴山淳志八段のYouTube解説もファンを楽しませた。
現在、棋聖戦七番勝負――日本囲碁界の頂上決戦を戦っている井山と一力がペア碁でもその強さを存分に発揮して決勝に勝ち上がってきた。黒番は知念・一力ペア。序盤、左下で始まった戦いでは「左下の黒が全部取られる形もあったのですが、白に助けてもらって」と知念は振り返る。その後も白が中央の黒に襲いかかり、攻勢が続く。中央が生きた後は、上辺の黒のサバキ具合が勝負となった。終始戦いが続き、碁盤全体が戦場となり、形勢も二転三転するなか、上辺にツケていった白の手が敗着となったようだ。右上隅の黒に触らずにサバければ黒有望と思われたが、中央の白数子を取り込む望外の利を得、ここでほぼ勝敗が決した。最後は左辺も手になり、地合いで届かない白を投了に追い込んだ。一力は、前々回大会以来2度目の優勝。1997年大会以来の2度目の優勝杯を手にした知念は、「一力さんは碁盤を離れると気さくで話しやすく、質問すると何でもやさしく教えてくださいました。でも、ひとたび碁盤に向かうと別人のようなオーラ。学ぶことが多かったです」とペアを讃え、「本当に嬉しいです。読むのに必死でしたが、集中して打てました。4局も打たせていただいて、私にとっては貴重な時間でした」と決勝戦と大会を振り返った。

囲碁ニュース [ 2022年2月8日 ]

一力、乱戦を逆転で制し2勝目

 井山裕太棋聖に、一力遼九段が挑戦する第46期棋聖戦七番勝負(読売新聞社主催)の第3局が、2月4、5の両日、長崎件西海市の「オリーブベイホテル」にて行われた。一日目、右上で白番一力の強手に、井山が強手で反発して一気に険しい様相に。黒のシノギ具合が注目されるなか、井山が封じた。一力が「大変な進行かなと思っていた」と話したように、AIは黒優勢を示していた。二日目も互いに反発し合いながら最強にがんばる熱戦となり、中央で乱戦に突入した。「一手先も分からない展開がずっと続いた」と井山が振り返るなか、両者残り1分の秒読みになる。一時は黒勝勢となりながら、「攻め合いの具合も、うっかりしていたこともあって」と井山。予定変更した手から「事件」が起こり、井山がコウを解消した時点で、YouTubeで解説をしていた孫喆七段は「白勝ちになりました」。その後も難しい折衝が続いたが、252手まで、白番の一力が中押し勝ちし、シリーズ対戦成績を2勝1敗と勝ち越した。新聞解説の村川大介九段は「白188に対してコウにせずにつないでおけば黒がよかったと思いますが、井山棋聖らしく一番厳しくいった結果だったと思います」と話した。「ただ、勝つチャンスの局面があっただけに、井山棋聖にはショックの大きい負け方だったかもしれません」ともコメント。第4局で井山がどう立て直すかが注目される。一力は、「185手目あたりでははっきり負けだと思っていました。途中分からないことだらけだったので、しっかり修正して第4局に向かっていきたいと思います」、井山は「また気持ちを新たに、精一杯やりたい」とそれぞれ抱負を述べた。井山がタイに戻すか、一力が一気に王手をかけるのか。第4局は、2月18、19の両日、山梨県甲府市の「常盤ホテル」にて行われる。

囲碁ニュース [ 2022年2月1日 ]

上野、連勝で防衛

 上野愛咲美女流棋聖が先勝して迎えた第25期ドコモ杯女流棋聖戦三番勝負(株式会社NTTドコモ協賛)の第2局が、1月27日、東京都千代田区の「竜星スタジオ」で行われた。「ハンマー」の異名を持つ上野と、詰碁の力はトップ棋士に伍すると定評のある挑戦者の鈴木歩七段の対局とあらば、戦いの碁になることは必至と予想されたが、第1局に続いて本局もヨセ勝負に突入した。互角の形勢から下辺の折衝で鈴木に後悔の手があり、そこで優勢に立った上野が押し切っての決着。277手まで、白番の上野が5目半勝ちを収め、防衛(通算4期目)を果たした。上野は最近、苦手としていたヨセの勉強に力を入れてきたという。敗れた鈴木は「2局とも、ヨセでしっかりやられてしまった感じです」と脱帽。上野は「今回はヨセではっきりしたミスがなかった」と勉強の成果を喜び、「今年は新人王のリベンジ、若鯉杯連覇、世界戦でも結果を残し、もっと勉強して女流棋戦も一般棋戦も全部がんばりたい」と二十歳となった一年の頼もしい抱負を語った。

余、5年ぶりに七大タイトル挑戦へ

 許家元十段への挑戦権をかけた第60期大和ハウス杯十段戦の挑戦者決定戦(大和ハウス工業株式会社特別協賛)が、1月27日、大阪府大阪市の関西棋院で打たれた。余正麒八段と佐田篤史七段という関西棋院所属棋士同士の大一番となった。余は2016年の第64期王座戦、2017年の第55期十段戦で井山裕太六冠(当時)に挑戦するなど、早くから頭角を現した。佐田は「余さんとは同い歳ですが、ライバルだと思ったことはありません。ずっと目標としている棋士です」と謙虚に語るが、本因坊リーグに在籍するなど、ここ数年で大きく飛躍している。昨年も関西棋院での勝ち星ランキング1位(43勝19敗)の好成績を残した。だが、余もここ数年、さらに力をつけている。棋聖戦S、名人戦、本因坊戦の三大リーグに在籍し、現在本因坊リーグでは4連勝で単独トップを走る。本局は、中盤に黒番の余の打ち回しが冴え、右辺の白を封じ込めて戦いを優位に進める展開となった。佐田も粘って追い上げたものの、逆転には至らなかった。319手までの熱戦の末、余が黒番3目半勝ち。5年ぶりの七大タイトル挑戦権を獲得した。佐田は「耐えながらチャンスを伺ったが、チャンスらしいチャンスがなかった。力不足です。また一局一局がんばっていくしかありません」と語った。余は「挑戦者になれて、とりあえずホッとしている」と笑顔を見せた後、「2歳下の許くんとは仲がよすぎて弟みたい。こんな日がくるのは思わなかった。不思議な感じ」と語った。許が防衛するのか、余が初の七大タイトルを手にするのか。注目の第一局は、3月1日、大阪府東大阪市の「大阪商業大学」で行われる。

張心治さん、最年少棋士に

 「令和4年度女流特別採用棋士採用試験リーグ」は、最終第7局が1月29日に打たれ、5勝1敗同士の張心治さん(12)と柳原咲輝さん(11)が激突。史上初の小学生同士の直接対局首位決戦に張さんが黒番6目半勝ちを収め1位となり、2月1日の常務理事会の承認を経て入段が決まった。心治さんは、張栩九段と小林泉美七段の次女で、2020年4月に入段した張心澄初段は姉。家族4人が全員棋士となった。また、現在最年少の仲邑菫二段より1歳若いため、現役の最年少棋士となる。目標の棋士を尋ねられて「父です」と心治さん。「実力不足なので、強くなりたいです」と抱負を語った。

囲碁ニュース [ 2022年1月25日 ]

ドコモ杯女流棋聖戦、上野先勝

 上野愛咲美女流棋聖に、鈴木歩七段が挑戦する第25期ドコモ杯女流棋聖戦三番勝負(株式会社NTTドコモ協賛)が開幕した。第1局は、1月20日に神奈川県平塚市の「ホテルサンライフガーデン」で行われ、黒番上野が1目半勝ちを収めた。上野と鈴木は3期連続の顔合わせで、2期前は、鈴木が上野から奪取し、前期は上野が雪辱を果たした。互いに、戦いになったときの相手の強さを肌で感じている。そのためか、本局は互いに相手の強手を警戒し、戦いを避ける手が打たれ、予想に反して比較的穏やかなヨセ勝負の展開となった。序盤、上野がやや優勢を築くが鈴木が盛り返し、ヨセに入ると鈴木がリードを奪うシーンもあったようだ。だが、鈴木のわずかな緩着をとらえ、上野がヨセ勝負を制した。上野は「できればもっと楽しく戦えればいいのですけど」、鈴木は「気分を切り替えて、次は戦うつもりでいます」とそれぞれ2局目に向けて「戦う」宣言を残した。上野が一気に防衛を決めるのか、鈴木が1勝を返して最終局までもつれるのか――第2局は、1月27日に、東京都千代田区の「竜星スタジオ」で行われる。

井山、快勝で1勝を返しタイに

 井山裕太棋聖に、挑戦者の一力遼九段が先勝して迎えた第46期棋聖戦七番勝負(読売新聞社主催)の第2局が、1月21、22の両日、千葉県勝浦市の「三日月シーパーク勝浦ホテル」にて行われた。井山が「自分なりにコンディションを整えてきた。結果を恐れずにベストを尽くしたい」、一力は「第1局と同様、目の前の一局に集中していきたい」と臨んだ本局は、序盤から黒番の一力が積極的に仕掛け、井山が最強に応戦する流れから、何度も勝負所を迎える険しい難戦となった。中盤、地合いで先行した白番の井山が、上辺一帯の黒模様でしのぐ展開になる中、左辺の折衝でポイントをあげ、最後は逆に左辺の黒を攻め込んだ。158手まで、白番中押し勝ち。井山が1勝を返し、スコアをタイに戻した。井山は「1日目は、厳しいと思っていた。2日目に入ってからも、はっきり判断ができていなかったのですが、あまりよくないと思って打っていた。優勢を意識したのは、最後の最後です。判断も読みも含めて分からないことだらけでした」と難戦を振り返り、一力は「85手目でもう少し頑張る手があったかもしれない。実戦は白地も多く、後の打ち方が難しかった」と敗因を分析した。3局目に向けて、井山は「ひとまず一つ勝てたことはよかったですけど、先は長いので、気持ちを新たにがんばりたい」、一力は「後半にミスが多かったので、そのあたりを修正して、次も精一杯がんばりたいと思います」と語った。第3局は、2月4、5の両日、長崎件西海市の「オリーブベイホテル」にて行われる。

囲碁ニュース [ 2022年1月18日 ]

一力先勝で、棋聖戦開幕

 10連覇がかかる井山裕太棋聖に、一力遼九段が挑戦する第46期棋聖戦七番勝負(読売新聞社主催)が開幕した。第1局は、1月13、14の両日、東京都文京区の「ホテル椿山荘東京」で行われ、214手まで、白番の一力が中押し勝ちを収めた。昨年、無冠となったダメージが心配された一力だが、「ゼロからやり直すしかない」と力強く語り、落ち着きを取り戻したようだ。序盤、下辺の折衝で一力がポイントをあげるものの、井山がしぶとく食い下がり形勢は不明に。終始戦いが続き、互いに手筋を繰り出す見応えのある熱戦となった。コウ争いからの華やかなフリカワリを経て、上辺の白模様がどれだけまとまるかが最後の勝負所となり、両者残り1分の秒読みの中、一力が読み勝つ形で、井山の石を召し取り勝負を決した。一力は4連敗を喫した42期以来4年ぶりの挑戦。雪辱を果たすべく幸先のよいスタートに、「読めていたわけではなかったですが、取りにいくしかないので、最後、耐えていたのは運が良かった」と振り返り、第2局に向けては「コンディションを整えて頑張りたい」。敗れた井山は「少しでも良い状態で臨めるように、精一杯やりたいと思う」と語った。今期はどんなドラマが展開されるのか。第2局は、1月21、22の両日、千葉県勝浦市の「三日月シーパーク勝浦ホテル」にて行われる。

囲碁ニュース [ 2022年1月7日 ]

令和三羽ガラス、早碁棋戦を分け合う

 あけましておめでとうございます。今年も日本囲碁界のプロの棋戦のニュースをお届けしてまいります。よろしくお願いいたします。
 昨年末、12月27日に、第30期竜星戦(株式会社囲碁将棋チャンネル主催)の決勝戦が放映され、芝野虎丸九段が、許家元十段を降して4期ぶり2度目の優勝を果たした。昨年「十段」と「王座」を失い、七大タイトルは無冠となった芝野だが、年末に存在感を示した。一手30秒(1分の考慮時間10回)で打たれる本棋戦と、「NHK杯」、本戦は2時間、決勝は1時間30分で打たれる「阿含・桐山杯」は、「早碁三大棋戦」と呼ばれ親しまれているが、昨年はNHK杯で一力遼九段、阿含・桐山杯で許家元十段が優勝を決めており、今回の芝野の優勝で、「令和三羽ガラス」が仲良く三棋戦を分け合うこととなった。

第1回テイケイ杯俊英戦 許と芝野が決勝へ

 昨年スタートした新棋戦「第1回 テイケイ杯俊英戦」は、25歳以下の棋士が出場し、予選を勝ち抜いた12名が、6名ずつ二つのリーグに分かれて総当たり戦を行い、それぞれの優勝者が決勝三番勝負に進む。このリーグ戦が、12月20、21、22、24、25の5日間に渡って一気に行われた。Aリーグは、芝野虎丸九段と一力遼九段が4勝1敗で並び、規定により直接対決を制した芝野が優勝。Bリーグは5戦全勝した許家元十段が優勝を決め、ここでも「令和三羽ガラス」が圧倒的な強さを見せつける結果となった。竜星戦に続いて芝野が制するのか、許が雪辱するか、注目の決勝三番勝負は、今年3月に行われる予定となっている。また、女性棋士で唯一リーグ戦に勝ち上がった上野愛咲美女流棋聖は、Aリーグで2勝3敗の戦績で4位だった。

囲碁ニュース [ 2022年1月6日 ]

京大23年ぶり優勝

 第65回全日本学生囲碁選手権が12月23日から26日の4日間、東京市ヶ谷の日本棋院で行われ、全国各地区の代表校8校が日本一を目指して競った。近年では関東と関西の代表校が優勝争いを演じている。
 前評判が高かったのが京都大学で、レギュラーのレベルも学生トップクラスから代表クラスである。対抗としては関東の早稲田大学であり、両校は最終戦の直接対決まで全勝で進んだ。しかし勝ち方は対称的で、京都大学が5-0を連発して圧倒的な成績をおさめる一方、早稲田大学は3-2や4-1とチームの全員で補い合って勝ち続けた。
 最終戦では主将戦こそ早稲田大学が制したものの、4-1で京都大学が勝利し、23年ぶりの日本一となった。
 京都大学は全国大会も久しぶりの参加で、最近はしばらく関西代表は立命館大学であり、前回(一昨年)の全日本も立命館大学が早稲田大学を破り優勝している。立命館大学の当時のレギュラーはほとんどが卒業し、京都大学は新たな戦力が参加しての代表、優勝となった。関西リーグではレギュラーの2人がプロ試験を受けている中で立命館大学を破る安定ぶりだった。
 全日本では補欠も含め最強戦力で見事優勝を果たした。
 近年では関東と関西の代表校が圧倒的な力を示しており、他6校は続く3番手はどこだ、という争いをしてきたが、今回では早稲田大学を追い詰めるなど、けっして3番手争いではなく優勝を目指せる大学が増えた。次回では久々の関東、関西以外での優勝争いが見られるだろうか。

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