日本囲碁ニュース

日本の囲碁ニュース・棋戦情報をお伝えします。
日本で行われている囲碁のイベントや棋戦情報を皆様にお伝えします。

囲碁ニュース [ 2019年4月9日 ]

十段戦、村川が連勝で王手

 井山裕太十段が先勝し、挑戦者の村川大介八段が一勝を返して迎えた第57期十段戦五番勝負(産経新聞社主催)の第三局が、4月11日に長野県大町市の「くろよんロイヤルホテル」で行われた。序盤、右上の折衝で白番の井山がリードを奪うが、その後「勘違いしていた」という井山の失着があり、さらに読み合う険しい戦いの中で井山に読み落としがあったようだ。逆転を許した井山は、左下の黒の大石を取りかけに向かうものの、村川の正確な応手に阻まれて投了を告げた。村川は連勝で、タイトル奪取に王手をかけた。第4局は、4月19日、大阪の日本棋院関西総本部で行われる。

河野、本因坊挑戦を決める

 第74期本因坊戦(毎日新聞社主催)の挑戦者決定プレーオフ第2戦――河野臨九段対芝野虎丸七段の一戦が、4月10日に、東京都千代田区の日本棋院で行われた。どちらが勝っても本因坊戦初挑戦となる大一番に、河野は落ち着いた様子で、芝野はやや緊張した表情で臨んだ。芝野が勝てば、最年少記録と史上最短の八段昇段記録を塗り替えることとなる。局面は、中盤過ぎまで互角の形勢のまま進み、大フリカワリとなるも、やはり形勢は細かく、神経をすり減らすヨセ勝負となった。河野は「少し足りないと思っていた」と振り返るが、巧みに打ち回して白番1目半勝ちを収めた。リーグ戦二連敗スタートからの大逆転で挑戦者に駆け上がった河野は「陥落しないようにと頑張っていたので、まさかここまで来られるとは思いませんでした」と笑顔を見せ、5月11日に開幕する七番勝負に向けて「精一杯自分の力を出し切りたい」と抱負を語った。

囲碁ニュース [ 2019年4月9日 ]

本因坊戦リーグ、三者のプレーオフへ!

 大混戦の第74期本因坊戦(毎日新聞社主催)リーグ一斉最終対局が、4月5日(金)に東京都千代田区の日本棋院で打たれた。まず注目されたのは、山下敬吾九段と羽根直樹九段の一戦。ここまで5勝1敗の羽根が勝てば挑戦者決定、敗れるとプレーオフが必至という状況だった。3敗の山下は挑戦者争いからははずれていたが、勝てば残留、負ければ陥落が決定する大一番。結果は山下が白の大石を仕留めての黒番中押し勝ちとなった。
 リーグ内序列が一位の山下の勝利によって、2敗同士の河野臨九段と一力遼九段の一戦は、勝者がプレーオフ進出、敗者が陥落という、文字通り「明暗」を分けることとなった。戦いに次ぐ戦いの結果、河野が白番1目半勝ちを収めた。同じく2敗だった芝野虎丸七段も勝利し、三者によるプレーオフが確定した。
 山下と芝野が勝利したことで、余正麒八段は最終局に勝利したが陥落が決定。4勝3敗という勝ち越しの成績でプレーオフなしに2名が陥落するのは20期ぶりのこと。「一勝」があまりにも大きい今期のリーグ戦となった。
 三者による挑戦者決定プレーオフは、まず序列が下の羽根と河野が戦い、勝者が芝野と戦う。

本因坊戦挑戦者決定プレーオフ第一局は、河野が勝利

 井山裕太本因坊への挑戦権をかけて、熾烈な戦いがクライマックスを迎えている。第74期本因坊戦(毎日新聞社主催)の挑戦者決定プレーオフの第1戦――羽根直樹九段と河野臨九段の一局が、4月8日、東京都千代田区の日本棋院で打たれた。羽根は今年に入り14勝6敗で、本因坊戦リーグの最終局で山下敬吾九段に敗れるまでは11連勝を記録していた。対する河野も今年12勝1敗。まさに絶好調同士の一戦となった。結果は河野が黒番中押し勝ち。リーグ内序列が上位の芝野虎丸七段との決戦に駒を進めた。いよいよ、挑戦者が決定するプレーオフ第2戦は、10日に、千代田区の日本棋院で行われる。

囲碁ニュース [ 2019年4月4日 ]

十段戦、一勝一敗のタイに

 井山裕太十段に、村川大介八段が挑戦する第57期十段戦五番勝負(産経新聞社主催)の第二局が、3月29日、東京都千代田区の日本棋院で打たれた。村川は第一局に敗れ、対井山戦「13連敗」と苦しい対戦成績となっていた。だが、本局では持ち味の明るい打ち回しを見せた。中盤、白番の村川がやや優勢な局面の中、井山が左辺の弱い石を放置したまま、あえて中央の黒石を切断させる手を選択し、難解な戦いに突入。井山は「普通に打っては足りないと思って仕掛けたが、どうだったか」と振り返った。その後、互いに秒読みとなりながら、必死の読み合いが続くが、村川が井山の強手に冷静に的確に対応し、逆転の機を与えず、粘る井山を振り切って154手まで白番中押し勝ちを収めた。立会人の中小野田智己九段は「村川八段の快勝譜」とコメントを残した。村川は「ようやく連敗が止められ、ホッとしています」と緊張した面持ちで、井山も厳しい表情で「次も精一杯打つだけ」と語った。一勝一敗とスコアをタイにして迎える第三局は、4月11日に、長野県大町市の「くろよんロイヤルホテル」で行われる。

囲碁ニュース [ 2019年3月28日 ]

井山、壮絶な戦いの末に、棋聖位七連覇

 第43期棋聖戦七番勝負(読売新聞社主催)は、3月14、15日に、新潟県南魚沼市「温泉御宿 龍言」にて第七局が打たれた。「歴史に残る壮絶な名局」と評される313手の激戦の末、白番の井山裕太棋聖が、挑戦者の山下敬吾九段に6目半勝ちを収め、最終局までもつれる長い戦いが幕を閉じた。序盤、右辺の攻防では、井山が全ての白石を助けようとした手を、山下の剛腕が許さず、全ての白石が取られる結末に。一時は、「地合いで黒が60目リード」とも言われ、山下必勝と思われた。しかし、中盤以降、紛れを求める井山の打ち回しと、山下のわずかな迷いが重なり、攻め取りの形に持っていきながら、各所の白地を増やして井山が大逆転を果たした。井山は「ミスの多いシリーズで、最終局に勝てたことも幸運だった」、山下は「形勢を悲観しすぎ、無謀な手を打って崩れた局があったことが惜しまれる」と振り返った。平成最後の七番勝負にふさわしい、記憶に残る激戦だった。井山は来期、小林光一名誉棋聖の持つ「八連覇」のタイ記録をかけて七番勝負に臨むこととなる。

藤沢、女流名人位を逆転防衛

 藤沢里菜女流名人に、謝依旻六段が挑戦する第31期女流名人戦三番勝負は、挑戦者の先勝に続いて、第二局が3月14日に京都市平安女学院大学「有栖館」にて、第三局が22日に東京都千代田区の日本棋院にて行われた。 第二局は、難戦から白番の謝が優勢を築いたが、謝に失着があり藤沢が逆転。その後の険しい攻め合いも制して藤沢が一勝を返した。第四局は藤沢が「自分らしく打てた」と振り返る満足の一局となり、白番中押し勝ちで防衛し、三連覇を決めた。謝の無冠返上はならなかった。

一力、悲願のNHK杯初優勝

 3月24日に第66回NHK杯テレビ囲碁トーナメント戦の決勝戦が放映され、一力遼七段が、井山裕太五冠を降して悲願の初優勝をとげた。井山のNHK杯三連覇はならなかった。  一力は過去に二回決勝戦に進みながら敗れており「今年こそ」と臨んだ一局だった。「優勝できホッとしている」と笑顔を見せた一力は、優勝・準優勝者が出場する「テレビアジア選手権でも結果を出したい」と意欲を見せた。井山は「三年連続で決勝戦に勝ち上がれたことは上出来。前回テレビアジア選手権で優勝したときは、NHK杯は準優勝でしたので、今回もと、ポジティブに考えたい」と語った。

囲碁ニュース [ 2019年3月15日 ]

女流アマ 吉田さん二度目V

 第61回女流アマチュア囲碁選手権が3月9日、10日の両日、東京市ヶ谷の日本棋院において行われた。各6人が16のブロックにわかれて3回戦を行い、1人が決勝トーナメントに進出する。
 予選リーグは順当な勝ち上がりが多い中、過去2回の優勝経験があり毎年好成績をおさめている大沢摩耶さんが予選敗退となった。大沢さんを破った松本実優さんは今年度の女流棋士採用試験で本戦まで進んだ実力である。女流アマ選手権では近年、元院生でプロ志望者、またはプロを目指していた10代後半から20代前半の優勝者や上位入賞者が多い。松本さんもそんな選手として注目を集めた。
 ベスト4に進んだのは松本さん、藤原彰子さん、吉田美穂さん、久代迎春さんとなった。松本さん以外は優勝経験者。久代さんは2連覇を目指す。
 準決勝は吉田さんと久代さん、藤原さんと松本さんというベテラン同士、若手同士の対戦となり、吉田さんと藤原さんの決勝となった。決勝戦はお互いの大石の目がなく、盤上全体に及ぶ大激戦を吉田さんが制し、第51回以来10年ぶりの優勝となった。若手が活躍する中、昨年の久代さんに続きベテランの優勝となった。久代さんと松本さんの3位決戦は松本さんが制した。

囲碁ニュース [ 2019年3月13日 ]

女流名人戦、謝依旻六段が先勝

 藤沢里菜女流名人に、謝依旻六段が挑戦する第31期女流名人戦三番勝負(産経新聞社主催)が開幕した。昨年、11年ぶりの無冠となった謝だが、すぐにタイトル戦挑戦者に名乗りをあげて実力者ぶりを示した。両者が、女流タイトル戦の番碁、または決勝戦で頂点を争うのは8回目。女流囲碁界を盛り上げる両雄でもある。
 第一局は、3月6日に、大阪府東大阪市の大阪商業大学で行われた。序盤、白番の藤沢が、上辺で思い切った「二段バネ」を見せ、その後の折衝で優勢を築いたが、終盤に入り、謝が勝負手を繰り出す。藤沢の打ち過ぎをとがめた謝が逆転に成功して、黒番中押し勝ちを治めた。藤沢は「気持ちを切り替えて次に臨みたいです」、謝は「次も一生懸命打つだけ」とコメントを残した。第二局は、14日に、京都市上京区の平安女学院大学で行われる。

棋聖戦、山下逆転勝利で最終局へ

 井山裕太棋聖の3勝2敗で迎えた第43期棋聖戦七番勝負(読売新聞社主催)の第六局が、3月7、8日の両日、神奈川県箱根町の「ホテル花月園」で行われた。前局で逆転負けを喫し防衛を逃した井山は、ここで決めたいところ。だが「スコアは意識せずに」と臨んだ。山下は「目の前の一局に集中するだけ」と気合いを入れた。
 序盤の右辺の攻防で黒番井山の実利と白番山下の厚みという分かれとなるが、「実利が大きい」との評価が多く、黒優勢となった。その後山下が下辺の黒に襲いかかるしかなく、「黒がしのげば黒勝ち」という流れになる。難しい戦いの中、井山がしのぎ切り、誰もが「棋聖防衛」を確信したが、井山の一瞬のスキを捉えた山下が、左辺の黒を仕留めての逆転勝ちとなった。対戦成績は3勝3敗のタイとなり、決戦の場は最終局に持ち越された。注目の大一番は、3月14、15日に、新潟県南魚沼市「温泉御宿 龍言」で行われる。

囲碁ニュース [ 2019年3月8日 ]

十段戦五番勝負が開幕。井山十段が先勝

 第57期十段戦五番勝負(産経新聞社主催)が開幕した。四連覇をかける井山裕太十段への挑戦者には、村川大介八段が二年連続で名乗りをあげた。二人が七大棋戦の挑戦手合を戦うのは5回目で、2014年には村川が3勝2敗で井山から王座を獲得した。だが、その後は挑戦手合で村川に勝ち星がなく、昨年の十段戦も0 - 3のストレート負けを喫している。村川は、「子供の頃から尊敬している井山さんですが、今回は強い気持ちで戦いたい」と決意を新たに臨んだ。その第一局は、3月5日、大阪府東大阪市の「大阪商業大学」で打たれた。結果は、難解な戦いの碁を制して井山十段が白番中押し勝ち。村川の巻き返しに期待したい。第二局は、29日に東京都千代田区の日本棋院で行われる。

囲碁ニュース [ 2019年3月5日 ]

棋聖戦七番勝負、山下踏み止まる

 井山裕太棋聖の三勝一敗で迎えた第43期棋聖戦七番勝負(読売新聞社主催)の第五局が、2月27、28日の両日、山梨県甲府市の「常盤ホテル」で行われた。一日目は、山下敬吾九段が形勢を損ね、うなだれる時間が長かったが、二日目、中央の戦いに入り、優勢に進めていた井山のたった一手を境に形勢が入れ換わる。その後は井山の追い上げに山下が的確に応じて、山下の黒番6目半勝ち。一勝を返してカド番をしのいだ。井山は「途中まで難しいと思っていたのですが……中央は、実戦よりいい形があったと思います」と振り返り、次局に向けては「がんばりたい」とだけコメントした。山下は「まだカド番であることは変わりないですが、もう一局打てるのは嬉しい」と笑顔がこぼれ、「なんとか最終局までいけるように、体調を整えます」と前向きに語った。
 昨年名人戦で、一勝三敗のスコアから三連勝してタイトルを手中にした張栩名人の巻き返しは、記憶に新しい。今週から十段戦挑戦手合いもスタートする井山棋聖の過密スケジュールも、名人戦の記憶と重なる。厳しい戦いとなることは必至だが、その中での名勝負を期待したい。第六局は、3月7、8日に神奈川県箱根町の「ホテル花月園」で行われる。

囲碁ニュース [ 2019年2月26日 ]

日本勢、入賞ならず

 SENCO CUP ワールド碁女流最強戦2019(センコーグループホールディングズ株式会社特別協賛)が、22日、23日、24日に行われた。昨年スタートした本大会は、日本から、万波奈穂扇興杯ら扇興杯女流最強戦の上位4名、中国、韓国、中華台北、欧米からそれぞれ一位の棋士が参戦し8名のトーナメントで争われる。日本勢は奮闘したものの、世界の壁は厚く、昨年に続いて3位入賞はならなかった。決勝に勝ち上がったのは、女流二強と言われる韓国の崔精九段と中国の於之瑩六段。大混戦を制し、於六段が大会二連覇を果たした。
 期待のかかった上野愛咲美二段は、一回戦で中華台北の黒嘉嘉七段と互角の形勢だったが一手を境に流れを渡して惜敗。黒七段は「序盤から悪く、運よく勝てた」と振り返った。黒七段との三位決定戦に臨んだ佃亜紀子五段は、劣勢から必死の追い上げを見せ、「攻めまくっている」と検討陣がエールを送りつつ見守ったが、惜しくも届かなかった。於六段と崔七段は「来年も出場したい」と抱負を語り、佃五段は「日本が勝つまでこの大会を続けてください」と巻き返し宣言。若い新初段らと共に切磋琢磨して、近い将来の「日本が勝つ」日を期待したい。

囲碁ニュース [ 2019年2月23日 ]

上野、謝、棋聖戦Cリーグ入り決定

 第43期棋聖戦挑戦手合七番勝負(読売新聞社主催)が佳境に入る中、次期挑戦者を目指す戦いも進行している。第44期棋聖戦のCリーグ入りをかけたファーストトーナメント予選は、決勝に進出した三人の女流棋士が注目を集めた。2月14日は、藤沢里菜女流本因坊と上野愛咲美女流棋聖がそれぞれ決勝戦に臨んだ。藤沢は広瀬優一二段に惜敗したが、上野は橋本雄二郎九段に黒番中押し勝ちを収め、現在の制度になってから女性棋士として鈴木歩七段に続く二人目のCリーグ入りを果たした。局後、上野はおっとりと「決勝は意識せず、いつもどおりに打てました。でも、負けそうになったときは悔しかったです」と独特のコメントで周囲を笑わせていた。
 翌15日には、女流史上3番目に若い12歳でプロ入りを決めた妹の上野梨紗さんの記者会見が行われ、姉妹そろって明るい話題を囲碁界に運んだ。
 21日は、謝依旻六段が、大竹英雄名誉碁聖を降してCリーグ入りを決めた。女性棋士2名がCリーグに参戦するのは史上初。活躍が期待される。

仲邑菫さん「うまく打てた」

 2月20日、週刊碁企画の「新初段シリーズ」の特別対局として、今年4月に史上最年少の棋士となる仲邑菫さんが、台湾最強の女流棋士、黒嘉嘉七段に挑戦した。22日から始まる「SENCO CUP」に出場する黒七段の来日に合わせて実現したものだ。仲邑さんは中盤までは優勢を築く健闘ぶりだったが、ヨセで逆転されて中押し負けとなった。大盤解説を担当した小林覚九段は「昨年の張栩さんとの試験碁に始まり、井山裕太五冠、韓国女流ナンバーワンの崔精九段、曺薫鉉九段らトップ棋士との記念対局を見てきましたが、今回の碁が一番面白い。よく打てています」と成長を評価。仲邑さんも「うまく打てた」と自信をのぞかせた。

囲碁ニュース [ 2019年2月16日 ]

井山裕太棋聖、七連覇にリーチ

 井山裕太棋聖に山下敬吾九段が挑戦している第43期棋聖戦挑戦手合七番勝負(読売新聞社主催)の第三局が2月2、3日に長崎県西海市の「オリーブベイホテル」で、第四局が13、14日に埼玉県川口市「旧田中家住宅」で行われ、ともに井山棋聖が勝利。対戦成績を3勝1敗とし、棋聖位七連覇にあと1勝と迫った。
 第三局は、序盤から競り合いが始まり、戦い続ける展開となった。上辺で白番井山の大石が花見コウとなるものの山下が期待していたほどの成果は得られず、その後も「ところどころに誤算があった」と山下は振り返る。最後は黒の大石を仕留めて井山の中押し勝ちとなった。
 第四局は、序盤の右上隅の振り替わりで白番の山下が隅を制し、黒番の井山が厚みを築く展開となった。その後の右辺の変化や封じ手後の打ち方に山下は納得いかなかったようで、やや無理気味に仕掛けていき右下隅から激しい戦いに突入した。厳しい態度で応戦した井山が隙を与えず押し切り、中押し勝ちを収めた。
 井山は「後半、左辺を切断したときに、白にいい手がなければ(相手に時間がないので)いけると思った」、山下は「序盤の分かれが少し悪く、右下隅も予定の行動ではなかった」と振り返った。
 井山は「自分なりに精一杯準備して臨みたい」、山下は「一局でも多く打てるように頑張りたい」と次局への豊富を語った。第五局は、27、28日に山梨県甲府市の「常盤ホテル」で行われる。

囲碁ニュース [ 2019年2月9日 ]

ジャンボ月組 バトリアヌス帝国V

 2月2日、東京市ヶ谷の日本棋院において第48回ジャンボ大会月組が行われ1チーム15人、33チームが2ブロックにわかれて熱戦を繰り広げた。Aブロックは15人が強力なメンバーで構成され日本一の団体を目指し、Bブロックは仲間たちと参加し他の団体との対戦・交流に楽しんだ。
 Aブロックは毎年のように優勝争いに関わっている多岐技会と大熊義塾、近年現役の学生を中心に構成されたバトリアヌス帝国、洪道場のOBを中心に構成されたパンダ道場が2連勝し、前評判通りの勝ち上がりとなった。
 3回戦では前回決勝を争った多岐技会と大熊義塾、バトリアヌス帝国とパンダ道場の対戦となった。多岐技会は元アマ本因坊の瀧澤雄太さんを中心に世界アマ日本代表経験のある坂本修作さん、小学生から大学生まで活躍した癸生川聡さん等アマチュア強豪を集めた。大熊義塾は関西棋院の大熊悠人初段が学生のころからの仲間を集めたチームで、大関稔さんを筆頭に元学生タイトルクラスで構成されている。今大会において両チームは10年続けて対戦しておりまさにライバル同士である。昨年は多岐技会が大熊義塾を降し優勝したが、今回は大熊義塾が制した。大熊初段は昨年のリベンジをしたかったと語った。
 一方のバトリアヌス帝国はアマ名人の栗田佳樹さん等現役学生を中心に構成された。チーム名はメンバーを集めた幹事の馬鳥さんからとったもの。パンダ道場も今年の世界アマ日本代表である川口飛翔さんを主将にしているチーム。これはバトリアヌス帝国が制した。
 決勝は大熊義塾とバトリアヌス帝国になり、数年前まで学生囲碁界を引っ張ってきたチームと現役学生トップという先輩後輩と言える対決となった。昨年も対戦しており、そのときは大熊義塾が先輩の貫禄を見せたが、今年はバトリアヌス帝国が若手の勢いを見せ9-6で勝利、見事初優勝を果たした。

囲碁ニュース [ 2019年2月1日 ]

山下九段、会心の勝利でスコアはタイに

 井山裕太棋聖に山下敬吾九段が挑戦している第43期棋聖戦七番勝負(読売新聞社主催)の第二局が、1月21、22日の両日、鳥取県境港市「夢みなとタワー」で行われた。結果は山下九段の白番中押し勝ちとなり、スコアを一勝一敗のタイに戻した。序盤の左下の攻防で山下九段がリードを奪い、流れを渡さぬまま二日目に入る。井山棋聖の猛追に難しい局面となったが、山下九段が冷静に対処し左辺の大きな白地をまとめきった快勝の譜だった。局後、山下九段は「一勝一敗になったので、次も思い切り打ちたい」、井山棋聖は「一日目でダメにしました。次はもう少しいい碁を」と語った。第三局は2月2、3日に長崎県西海市「オリーブベイホテル」にて行われる。

藤沢里菜四段、初の本戦勝利

 昨年女流三冠を達成した藤沢里菜四段が、一般棋戦でも快挙の記録を残した。1月21日、第45期天元戦の本戦1回戦で、藤沢四段が勝利。史上初の女流棋士「本戦」初勝利となった。女流棋士は、藤沢自身も含め過去10人、のべ13回が本戦入りを果たしたことがあるが、初戦の壁を越えることはできなかった。藤沢四段は、韓国の女流ナンバーワン、崔精九段が「世界戦ベスト4が目標」と公言していることに刺激を受け、「男性にも負けていない。気構えを見習わなければ」と語る。今回も「女流本戦初勝利は光栄です」としながらも「ふだんと変わらず対局に臨みました。せっかく本戦に入れたので、一局でも多く打ち、勝ちたい」と話した。

上野愛咲美女流棋聖、最強挑戦者を退け防衛

 上野愛咲美女流棋聖に、藤沢里菜三冠が挑戦する第22期女流棋聖戦(株式会社NTTドコモ協賛)の挑戦手合三番勝負が行われ、上野女流棋聖が二連勝のストレート勝ちで初防衛を果たした。第一局は、1月17日に神奈川県平塚市「ホテルサンライフガーデン」で打たれ、白番2目半勝ち。第二局は、1月28日に東京都千代田区の「竜星スタジオ」で打たれ、持ち前のパワーで圧倒して黒番中押し勝ちを収めた。上野女流棋聖は、昨年、16歳3カ月という女流棋聖戦史上の最年少記録で初タイトルを手にしたときも、謝依旻女流棋聖(当時)に二連勝。タイトル戦では負け知らずの勝負強さを発揮した。上野は、藤沢女流三冠を「あこがれの棋士」と呼び、「一勝できればと思っていたので驚いています。気負いがなかったのがよかったのかも。これから国際棋戦の出場機会が増えるので結果を残したいです」と前向きなコメントと共に喜びを語った。

囲碁ニュース [ 2019年1月29日 ]

第29回東日本大学OB・OG団体戦

 1月20日、東京市ヶ谷の日本棋院において東日本大学OB・OG囲碁大会が行われた。東日本の大学OB・OG 13人の団体戦で、36チームが3ブロックにわかれて母校のために競い合った。
 一番上のAブロックは一昨年優勝の早稲田大学は世界アマ日本代表経験のある坂本修作さんを主将に2年ぶりの優勝を目指したが、1回戦で明治大学に7-6で敗れた。連覇を狙う昨年優勝の慶應義塾大学は学生王座経験のある丹羽隼也さんを筆頭に20代の若手を若手中心のメンバー構成で1回戦を13-0で快勝。
 2回戦では早稲田大学が1回戦で敗退したことにより、事実上の優勝争いと前評判が高かった慶應義塾大学と東京大学の対戦となり、6-6と最後に残る1局まで勝敗が決まらない大熱戦となったが、慶應が制し7-6と2回戦を制した。慶應は3回戦も一橋大学戦を13-0で制した。
 決勝は慶應と1回戦で早稲田を破った明治大学との対戦となり、7-6で慶應義塾大学が連覇を果たした。
 1回戦で敗れた早稲田も3位を決める4回戦で村上深さん率いる中央大学を破り3位となった。
 来年のAブロックへの繰り上がりを目指すBブロックは北海道大学が優勝、東北大学が2位となった。
 5人制のCブロックは5チームが参加し、東京外国語大学が優勝した。Cブロックの参加者からは「チーム数がどんどん減ってきて寂しい」という声があった。

囲碁ニュース [ 2019年1月21日 ]

棋聖戦が開幕。井山棋聖が先勝

 七連覇を目指す井山裕太棋聖に、十期ぶりの奪還を期す山下敬吾九段が挑戦する第43期棋聖戦七番勝負(読売新聞社主催)が開幕した。第一局は、新春の10、11日の両日、東京都文京区の「ホテル椿山荘」で打たれ、172手まで、井山棋聖が白番中押し勝ちを収めた。序盤から「井山棋聖優勢」の評価が多かったが、二日目に入り山下九段が強手を放って巻き返し、一時は長期戦が予想された。だが、再び井山棋聖が黒模様で仕掛けていき、局面は険しくなる。「この白は取れなさそうだね」と、現地検討会場では、新聞解説の高尾紳路九段、金秀俊九段、村川大介八段らが推移を見守るなか、逆に井山が黒石を取って勝負をつけた。井山棋聖は「終始難しい碁だったが、下辺の黒を切断して行けると思った」と振り返り、山下九段は「一日目の時点で苦しくしてしまった」と反省の弁。二局目に向けて気を引き締めていた。第二局は、21、22日に鳥取県境港市の「夢みなとタワー」で行われる。

 
 

第44期棋聖戦、女流棋士Cリーグ入りなるか

 第43期棋聖戦七番勝負が開幕するなか、第44期棋聖戦のCリーグ入りをかけたファーストトーナメント予選が佳境に入りつつある。1月10日は、上野愛咲美二段が大場惇也七段を破って決勝進出を決めた他、藤沢里菜四段が武宮正樹九段を破って準決勝に進出。また、杉内寿子八段と謝依旻六段もそれぞれ準々決勝に駒を進めるなど女流棋士の進出が目立った。とりわけ杉内八段は昭和2年3月生まれ。90歳を越えられてのご活躍に、ネット上でも多くの棋士たちが称賛と敬意と応援の思いを書き綴っていた。女流棋士のリーガー誕生なるか、七番勝負とともに、こちらの戦いからも目が離せない。

囲碁ニュース [ 2019年1月16日 ]

ジャンボ雪組 横浜本因坊優勝

 1月12日、東京市ヶ谷の日本棋院において第48回ジャンボ囲碁大会雪組が行われた。1チーム11人の団体戦で、企業、日本棋院支部が参加できる。この日は16チームが出場した。
 今回注目を集めたのは初出場の全碁協中野坂上支部である。全日本囲碁協会のメンバーと中野坂上の囲碁サロンたつみに集まるメンバーで構成されている。元アマ本因坊の村上深さんを主将にアマ碁界のレジェンド菊池康郎さん、学生強豪の星合真吾さんなど豪華メンバーである。観戦者の数も多かったが2回戦で彩の国連合に5-6で敗れた。
 優勝決定戦に進出したのは昨年優勝の横浜本因坊支部と彩の国連合である。
 横浜本因坊は神奈川県の関内にある碁会所で、主将に府川浩二さん、副将に石村竜青さんなどベテランから若手まで神奈川県の県代表クラスを中心に集まっている。1回戦から3回戦まで11-0と隙のない勝利で優勝決定戦に駒を進めた。
 彩の国連合は埼玉県の支部で浦和から川口にかけてあたりの強豪が集まっている。主将に曽我部敏行さん、副将に田熊秀行さんなど埼玉県代表に何度もなったことのあるベテランを中心に構成されている。
 昨年も優勝争いをした両チームで、接戦が予想されたがスコアは9-2で横浜本因坊が勝利し見事優勝を果たした。

大会の様子
優勝決定戦 2列にかけて右が横浜本因坊

囲碁ニュース [ 2019年1月10日 ]

史上最年少の女流棋士誕生

 日本棋院は、5日、英才特別採用推薦棋士の第一号として、小学校4年生の仲邑菫さん(9歳)の入段が決定したと発表した。「英才特別採用推薦棋士制度」は、世界戦の優勝を目指すなど、最高レベルの棋士となるために昨年12月に新設され、原則として採用は小学生に限るという。仲邑さんは今年4月1日から、国内では藤沢里菜女流三冠の11歳6カ月を抜き、10歳0カ月の史上最年少のプロ棋士となる。
 仲邑さんの父は、日本棋院所属の棋士・仲邑信也九段、母はアマチュア強豪の幸さん。3歳のとき幸さんに手ほどきを受けた後、韓国への囲碁留学などで才能を伸ばしてきた。2016年には第11回関西ジュニアペア碁大会にお母さんと出場して優勝、昨年に行われた第4回パンダネットレディース囲碁トーナメントでも優勝するなど、数々の実績もあげている。取材陣に囲まれて、はにかむ様子はまだあどけないが、「目標にする棋士は井山裕太棋聖。中学生のうちにタイトルを取りたい」と話すときには勝負師の表情ものぞかせた。昨年、仲邑さんと対局をした張栩名人は「衝撃でした。必ず世界で戦える棋士になると強く思いました」、今年6日にイベントで公開対局をした井山裕太五冠は「男性棋士とまじって、天下を獲れる才能」と、それぞれ仲邑さんの強さを高く評価している。仲邑さんのプロ入りは、テレビや新聞、外国のBBCニュースなどでも取り上げられ、注目度は抜群。囲碁界が大きく盛り上がりそうだ。

第4回パンダネットレディース囲碁トーナメント 決勝戦
第4回パンダネットレディース囲碁トーナメント 表彰式
第11回関西ジュニアペア碁大会 決勝戦
第11回関西ジュニアペア碁大会 表彰式

囲碁ニュース [ 2019年1月4日 ]

井山、五冠を堅守

 昨年最後の挑戦手合い、第44期天元戦五番勝負(新聞三社連合主催)の第五局は、12月19日に徳島県徳島市の「徳島グランヴィリオホテル」で打たれた。先に王手をかけた井山裕太天元に対して、挑戦者の山下敬吾九段も簡単には土俵を割らず、2勝2敗とシリーズを盛り上げたが、最終局は中盤の鋭い打ち回しでリードを奪った白番の井山天元がそのまま押し切り中押し勝ちを収め、通算7期の4連覇を決めた。昨年は2つのタイトルを明け渡した井山だが、五冠を堅守。七大タイトル獲得数「43」の新記録も達成した。井山は「一つ一つの積み重ねの結果です。これからも励みにしたい」と語った。
 新春は、1月10日から第43期棋聖戦七番勝負(読売新聞社主催)が開幕する。天元戦に続いて挑戦する山下九段の雪辱がなるか、井山時代が続くのか、今年の囲碁界の熱い幕開けに期待したい。

藤沢、新記録を達成

 2018年の年間最多勝ち星などが発表された。最多勝利は2年連続で、46勝(23敗)をあげた芝野虎丸七段。最多対局、69局と合わせてトップとなった。勝率一位は富士田明彦六段が8.37割(41勝8敗)の驚異的な数字で一位。連勝は小池芳弘三段の19連勝が一位にランキングされた。なお、藤沢里菜女流本因坊は、43勝(23敗)をあげ、2001年の小林泉美女流名人の41勝(18敗)を抜いて女流最多勝記録を更新し、一般でも一力遼八段(43勝23敗)と並んで勝ち星2位タイとした。こちらも2007年の謝依旻女流本因坊の3位を抜き、女流棋士の最高位を記録した。

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