日本囲碁ニュース (その他)

日本の囲碁ニュース・棋戦情報をお伝えします。
日本で行われている囲碁のイベントや棋戦情報を皆様にお伝えします。

囲碁ニュース [ 2021年7月20日 ]

一力、初防衛に王手

 一力遼碁聖に井山裕太棋聖が挑戦している第46期碁聖戦(新聞囲碁連盟主催)五番勝負の第3局が、7月17日、石川県金沢市の「北國新聞会館」で行われた。井山が先勝し、一力が1勝を返して迎えた本局は、対局前の「一つ勝って精神的にも楽になった。明日は気負わずに自分の力を出し切りたい」(一力)、「第2局はそれなりに粘り強く打てた。明日もこれまでと変わらず自分のベストを尽くし、いいパフォーマンスができるように集中したい」(井山)という落ち着いたコメントからも好調の両者の自信が伺え、好局が期待された。黒番の井山が実利、一力が厚みを築く展開となるが、井山は「序盤、右下の分かれがやや甘かったのかもしれない」と振り返った。その後、白模様に井山が打ち込み、一力の取りかけが始まる。「黒をいじめて他で得をする選択肢もありましたが、黒の大石が生きる手が自分には見えなかったので、終盤の強手を決断した」と局後の一力。そのまま大石を仕留め、138手まで、白番中押し勝ちとなった。対戦成績を2勝1敗とした一力は、初防衛に王手をかけた。敗れた井山は「次局まで少し時間が空くので、気持ちを新たに頑張りたい」、一力は「第4局まで1カ月空くので、いい状態で臨めるように準備したい」とそれぞれ抱負を語った。1勝3敗から勝利した本因坊戦七番勝負のように、井山の逆転はあるのか。一力が一気に防衛を果たすのか。注目の第4局は、8月17日、新潟県新潟市の「新潟グランドホテル」にて行われる。

囲碁ニュース [ 2021年7月13日 ]

「ペア碁」の魅力満載!『群舞のペア碁』の単行本第1巻が発売

 2021年1月より双葉社「月刊アクション」に掲載中の漫画、『群舞のペア碁』(高木ユーナ著。公益財団法人日本ペア碁協会協力)の単行本第1巻が、6月24日から全国の書店で発売されている。著者の高木氏は「ペア碁の面白さは、棋力の高さよりも心理戦が鍵になる場面が多い所だと思います。 それはどんな環境の人にとっても共感できる、実は親しみやすい競技だと感じています。(中略)今の時代だからこそ改めて描ける人と人との関り合い や「心」を作品に込めています」と語る。コミュニケーションを取るのが苦手な主人公「群舞」が、「ペア碁」を通して成長していく物語で、二人で打つ「ペア碁」によって心が自由になり、自由な心で囲碁も上達していく様子が魅力的なキャラクターたちと共に描かれていく。監修を担当する藤沢里菜女流四冠は「『群舞のペア碁』を通して、囲碁の魅力を知ってもらいたいですし、これを機に興味が湧いてきたら実際に触れてみてほしい。人間として成長できる競技なので、面白いんじゃないかと思います。いまはアプリを通じて気軽にチャレンジもできるので、ぜひ試してもらいたいです!」と語る。また「囲碁の面白さだけじゃなく、キャラクターがどう成長していくのかが見どころになっている作品です。その中でもやはり一番気になるのは、群舞の成長でしょう。彼がペア碁と出会ったことでどんな風に変わっていくのか、ぜひ見届けてほしいと思います」と魅力を伝えている。

囲碁ニュース [ 2021年7月8日 ]

第15回朝日アマ囲碁名人戦

会場の様子

 第15回朝日アマチュア囲碁名人戦全国大会が7月3日、4日の両日、東京市ヶ谷の日本棋院で行われ、53人の選手が腕を競った。昨年はコロナの影響により開催されなかったため2年ぶりの開催になるのだが、開始前の会場は久しぶりに会う全国の代表たちが近況を語り合う和やかな雰囲気だった。
 アマ名人戦は全国大会の優勝者がアマ名人に挑戦する方式で、現アマ名人は大関稔さんである。今大会では大関さんと二年連続でアマ名人を争った棋聖戦Cリーグで活躍中の栗田佳樹さんが都合で欠場のため大混戦が予想された。
 今大会では10歳の最年少出場者が注目を集めたが1回戦突破はならなかった。さらに今大会はコロナ禍のこともあり、参加を見送った県もあり、招待選手の闇雲翼さんも辞退となった。また、大雨の影響で交通機関のストップにより1回戦に間に合わず不戦敗となる選手も何名か見られた。
 そんな中、ベスト8は30代1人、20代5人、10代2人となり、決勝は世界アマ日本代表経験のある川口飛翔さんと北芝礼さんによる10代対決となった。両者は同年生まれで、今年19歳となる。結果は北芝さんの勝利で、初の一般大会全国優勝となった。北芝さんは7月24日、25日に大関アマ名人との三番勝負を行う。大関さんは「若い力に負けないようにしっかり準備したい」と語っていた。
ベスト4は優勝 北芝礼さん、準優勝 川口飛翔さん、3位 平野翔大さん、4位 星合真吾さんとなった。

囲碁ニュース [ 2021年6月21日 ]

藤沢、女流立葵杯5連覇達成

 第8期会津中央病院・女流立葵杯(一般社団法人温知会協賛)の挑戦手合三番勝負が6月18、19日に福島県会津若松市の「今昔亭」で打たれた。藤沢里菜女流立葵杯が、18日の第1局を白番中押し、19日の第2局を黒番中押しで勝利し、挑戦者の上野愛咲美女流棋聖を退け、5連覇を達成。60歳から名乗ることのできる「名誉」の資格を22歳の若さで獲得した。今期は、挑戦者を決める本戦のベスト4が会津若松市の会場に袴の和装であでやかに登場し、15日準決勝、16日に決勝が打たれた。注目された仲邑菫二段は牛栄子三段に、加藤千笑二段は上野にそれぞれ敗れた。決勝戦は牛三段に悔やまれる失着があり、上野が2年ぶりの挑戦者に勝ち上がった。一日の休養日をとって挑戦手合がスタートするタイトなスケジュールの中、第1局は、「ハンマー」と異名をとる上野のお株を奪う力強さで藤沢が大石を仕留めて決着。第2局は、一般棋戦でも終盤の強さに定評があり、「ヨセの女王」と称される藤沢が、本領を発揮して逆転した。上野は「体力が大丈夫かなと思いましたが、自分の力は出せたかなと思います。会津のおいしいごはんのおかげです」と明るいコメント。藤沢は「苦しくなる展開が多く、内容がいいというわけでもない。まだまだ今後の課題があると思います」と気を引き締めつつ、「5連覇のことはまったく意識していませんでした」と笑顔を見せた。

囲碁ニュース [ 2021年6月18日 ]

世界アマチュア囲碁選手権戦

 第41回世界アマチュア囲碁選手権戦が6月4日~9日の6日間、ロシアのウラジオストクで開催された。コロナウイルスのため昨年は開催されず、今年も開催はどうなるのかという声も聞かれたが、開催地で参加する選手と自国からオンラインで出場する選手が57か国・地域から世界一を競った。
 日本代表は森川舜弐さんで市ヶ谷の日本棋院からオンラインで参加した。森川さんは日本棋院中部総部での院生経験がある25歳。プロ入りにあと一歩まで迫った実力者。日本代表を決める決勝ではアマ名人・アマ本因坊の大関稔さんを破っている。
 日本の森川さんは2連勝と好スタートを切ったが、3戦目にポーランド、4戦目にフランスに敗れ4勝2敗で10位となった。優勝争いは5勝1敗で4人が並び、中国の馬天放さんがポイントで上回り優勝となった。
 今回特筆すべきはヨーロッパの国の躍進である。特にポーランドは日本の森川さんのみではなく、優勝した中国の馬さんにも勝利している。しかしそのポーランドの選手もチェコに敗れている。日中韓台の四強と言われた時代は過去のものとなりつつあるようだ。AIの登場によりプロのいない国でも学ぶことができ、世界の実力差はどんどん無くなっているように感じられる。
 今回の世界アマ選手権は無事に終了となったが、来年以降の開催はどうなっていくのであろうか。まだまだコロナの影響は世界各地で続いている。世界のレベルも上がってきており、これからが楽しみというときに不安ではあるが、またオンラインなどではなく、世界の強豪が集結して腕を競えるよう願っている。

囲碁ニュース [ 2021年6月8日 ]

絶好調の一力、世界戦でベスト8へ

 韓国13名、中国7名、日本3名、中華台北1名が出場する世界戦「第26回LG杯朝鮮日報棋王戦」が、前年に続いてネット対局で開催され、5月31日に1回戦、6月2日に2回戦が打たれた。日本からはシード枠の一力遼九段、許家元九段と予選を勝ち抜いた伊田篤史八段の3名が出場し、組み合わせ抽選の結果、許と伊田は1回戦から、一力は2回戦から参戦。許と伊田は共に、韓国の強豪に敗れたが、一力は中華台北の新鋭、陳祈睿七段に146手まで白番中押し勝ちを収め、ベスト8に駒を進めた。一力は昨年あたりから世界戦でも結果を残し、世界のトップ棋士たちの中でも存在感を増している。本局でも、布石で研究の新手を放って優勢を築くと、中盤でも読みの入った鋭い打ち回しで、追い上げを許さず打ち進めた。その後、一力に緩着があり、相手にチャンスを与えた局面が一瞬あったようだが、ほぼ完勝に近い充実した内容の一局だった。昨年1回戦負けの雪辱を果たした一力は、「打っている時は余裕はありませんでした」と振り返りつつも、「打ちたい手を打てました」と笑顔でインタビューに応えた。準々決勝は、11月7、8日に行われ、一力は韓国の申真諝九段と対戦する。
絶好調の一力は、国内戦でも活躍しており、6月7日には名人リーグ戦(朝日新聞社主催)で勝利して単独トップをキープし、3月18日からの連勝も10に伸ばした。

囲碁ニュース [ 2021年5月28日 ]

アマ名人戦各地で予選

第14回朝日アマチュア名人戦の予選が全国の各都道府県で行われている。昨年はコロナウイルスの影響により囲碁大会が行われなかったため、参加者たちにとっては待ち望んだ大会となった。しかし、地域によっては従来の参加者よりも少なく、緊急事態宣言により開催日程を全国大会ギリギリまでに延ばすなどしている県もある。
そんな中でも各県では実力者が勝ち上がり代表が決まっている。久々の大会ということもありTwitterなどのSNSでは各県の情報が大いに発信されている。東京大会では参加者同士でお互いの近況を確認し合う姿や、無事を確認する様子が見られた。
東京大会では小学四年生の山際庸平くんが代表まであと2つに迫るなど子供たちの活躍も目立ったが、逆に40代、50代の活躍も目についた。東京だけでなく、近年では20代、30代の躍進があっただけにベテランたちの巻き返しも見られるだろう。
コロナウイルスがこの一年に与えた影響は各世代に大きく表れているようである。大会があれば姿を見せたていた常連でも60代以上では参加を見合わせたり、20代、30代でも仕事の影響により参加困難なため出場を見合わせたという話も聞く。
アマ名人戦の全国大会は7月初めに行わる。アマ名人戦の後にはアマチュア本因坊戦も各地で予選が始まろうとしている。すでに中止も決めた大会もあるが、今回のアマ名人戦が囲碁大会復活の幕開けになることを願うばかりである。

囲碁ニュース [ 2021年5月18日 ]

仲邑菫二段、13連勝中

 「強い先生とたくさん打ちたい」と日本棋院東京本院に移籍した仲邑菫二段の勢いが止まらない。今年、12歳という最年少記録で二段昇段を果たしたばかりだが、「二度目の10連勝」の見出しが驚きと共に紙面やネットを飾った後も、自身の連勝記録を伸ばし続け、5月13日には実力者の堀本満成五段に黒番5目半勝ちし、連勝を「13」とした。現在24勝2敗という驚異的な成績で、全棋士中、勝率トップ。勝ち星ランキングも2位の上野愛咲美女流棋聖の「21勝」に「3勝」の差をあけてトップに立っている。強敵を倒しての棋聖戦Cリーグ入りの他、藤沢里菜女流本因坊への挑戦権をかけた本戦トーナメント戦も、5月9日、牛栄子三段に一度は逆転を許しながら終盤に再逆転する力強さを見せ、ベスト8に勝ち上がっている。今後、どこまで勝ち上がっていくか、国内のみならず、国外の囲碁ファンの注目も集まっている。13連勝した局後のインタビューには「ずっと細かい碁だと思っていました。終盤中央に黒地ができたあたりで優勢を意識しました。次も良い碁が打てるようにがんばります」と答えた仲邑。次局は20日に、本格派の小松英樹九段と名人戦予選Cの決勝戦が予定されている。

囲碁ニュース [ 2021年5月6日 ]

藤沢、早碁オープン戦で女流棋士初の本戦入り

 5月6日、第28期阿含・桐山杯 全日本早碁オープン戦(阿含宗特別協賛)の最終予選決勝が打たれ、藤沢里菜女流本因坊が、王銘琬九段を破って本戦入りを決めた。同棋戦は、本戦入りが16名。ここに女流棋士が勝ち上がったのは初めてとなる。棋聖戦Cリーグ入りに続いての快挙に、藤沢は「うれしいです。本戦で一局でも多く打つのが目標です」と笑顔で語った。

囲碁ニュース [ 2021年4月21日 ]

藤沢、女流名人戦4連覇

 藤沢里菜女流名人に上野愛咲美女流棋聖が挑戦する女流2強の決戦――第32期博多・カマチ杯女流名人戦三番勝負(一般社団法人巨樹の会特別称賛)の第1局、第2局が、それぞれ4月14日、16日に東京都千代田区の日本棋院本院で行われ、藤沢が2連勝で防衛を果たした。第1局は、白番の上野が実利でリードを奪い、はっきり優勢を築く。黒模様を荒らしに入った左辺の攻防で「死活を間違えて(形勢が)あやしくなってしまった」と上野。「間違えたので仕方ない」とサバサバした様子でもあった。その後、上辺の大ヨセで黒が得をし「やっと細かくなった」と藤沢。以降をしっかりまとめて黒番1目半勝ちとした。第2局も上野がペースを掴んだが、一手の緩みを藤沢が捉えて微細な形勢に。その後藤沢の好手がありリードを奪うと正確な打ち回しで上野を投了に追い込んだ。4連覇を達成した藤沢は「2年ぶりに女流名人戦を開催していただき感謝しています」とまず謝意を伝え、「厳しい勝負ばかりで、連覇は運がよいと思う」と謙虚なコメントを残した。上野は「2局とも、序盤はまあまあだなと思っていたのですが、逆転されてしまい……里菜先生は強かったです」とコメント。後日の藤沢は「特に1局目は、悪い時間が長かった。(中1日でのタイトなスケジュールについては)とくに疲れはなかったですが、でももし2局目に負けていたら、確かに疲れが出たかもしれませんね」と激戦を笑顔で振り返った。

囲碁ニュース [ 2021年4月12日 ]

ジュニア本因坊戦

 第24回花まる学習会杯ジュニア本因坊戦全国大会が3月20日、21日に東京千代田区の神田神保町に行われた。各地区の代表32名で行われる予定であったが、コロナウイルスの影響により3名が欠席となった。例年では選手の子供たちだけでなく、保護者の熱気もすごいが、今年はコロナ対策により会場は子供たちのみとなった。
 ジュニア本因坊戦は他の子供大会とは異なり小学生と中学生が同じ舞台で戦う。そのため中学生が勝ち上がることが多いが、今回は國松聡さん(熊本・小6)が3位、高地祐希さん(東京・小5)が5位と2名の小学生が入賞した。
 2日間の熱戦は5回戦行われ、神奈川代表の竹内怜櫂(れいる)さん中学1年生が初優勝を果たした。

こどもチャンピオン戦

 第24回ボンド杯全日本こども囲碁チャンピオン戦全国大会が3月30日、31日に京都府京都市の聖護院御殿荘で行われ、小学生、中学生各24名ずつが腕を競った。
 今大会では3コウ無勝負が発生し打ち直しとなる珍しい出来事が起こった。
 小学生の部は米津玲吾さん(東日本・小3)が優勝した。米津さんは故・梶原武雄九段の曾孫にあたり、将来有望な一人である。
 中学生の部は安田勝哉(東日本・中3)が優勝した。安田さんは藤澤一就八段門下の元院生である。昨年優勝の吉藤真成さんは5位、昨年準優勝の田浩人さんは2年続けての準優勝となった。
 子供たちにとって年度末の2つの大会は大きな励みとなるであろう。

囲碁ニュース [ 2021年4月2日 ]

一力、2年ぶり2度目のNHK杯優勝

 第68回NHK杯テレビ囲碁トーナメント(日本放送協会主催)の決勝戦が3月21日に放映され、一力遼天元・碁聖が2年ぶり2度目の優勝杯を手にした。決勝の舞台にあがった一力と余正麒八段は、共に昨年8割を超える勝率で、好調同士の大一番となった。黒番の一力が高い中国流を敷いてスタート。右下で余が戦いを仕掛けた攻防は、黒が白を取り込んで大きな地を確保してややリードを奪い、これに白が厚みを築いて対抗した。中盤、右下の白を生還させて余が盛り返し、一力が「やり過ぎて負けを覚悟した場面もあった」、余が「途中からそれなりに手応えがあった」と振り返る熱戦となった。だが、左辺の白模様を荒らし、さらに上辺の白地を荒らす絶妙なツケが放たれて勝敗が決着。233手まで、黒の中押し勝ちとなった。昨年、反省の内容で準優勝だった一力は「全体を通して自分らしく打てた」と決勝戦を振り返り、「優勝できてホッとしている」と笑顔。「来期も楽しんでいただける碁をお見せできたらと思っています」と早碁の王者らしいコメントを残した。敗れた余も、「初めての決勝戦でしたが、思ったより緊張しなかった。残念な結果になりましたが、非常に貴重な経験にもなりましたし、またがんばりたいと思います」と局後には笑顔を見せていた。

囲碁ニュース [ 2021年3月19日 ]

女流アマ 内田祐里さん初優勝

決勝戦 優勝の内田さん(右)

決勝戦 優勝の内田さん(右)

 3月13日、14日の両日、東京市ヶ谷の日本棋院において第63回女流アマチュア囲碁選手権全国大会が行われ内田祐里さん(埼玉)が初優勝を果たした。内田さんは今年度までプロ棋士採用試験を受けており、大会の実績は無かったが注目の選手の一人だった。準々決勝では優勝経験のある実力者藤原彰子さんに粘り勝ちすると、準決勝、決勝と力強い碁で制した。
 ベスト8には内田さんをはじめ、松本実優さん、加藤優希さんというプロ試験受験者の活躍が目立った。その他に前回優勝者の吉田美穂さんをはじめとする本大会は上位入賞常連者が勝ち上がっており、上位常連対若手という構図になった。
 プロ試験を終えたばかりの若手の活躍が目覚ましいとされたが、準々決勝では村瀬なつさんが松本さんを降し実力を示した。準決勝は内田さんと加藤さんというプロ試験で競い合った同士、宇根川万里江さんと村瀬さんという過去入賞経験もある実力者という組み合わせとなり、決勝は内田さんと村瀬さんの組み合わせになった。両者は岩田一九段門下の姉妹弟子で、内田さんは岩田教室に通い始めた当初、村瀬さんに教わったことがあるそうだ。
 今回の大会は緊急事態宣言の中ということもあり、辞退者が続出した。特に関東から離れる地方の選手は参加を辞退し、関東からの繰り上りが多くなった。さらに会場は感染症対策により、選手以外の姿はほとんど見られなかった。全国大会では応援や久々に地方選手と会えるために会場を訪れる人々が多いが、今回は寂しい光景となった。競技の場としてだけでなく、交流の場としても復活するよう願うばかりである。

囲碁ニュース [ 2021年3月16日 ]

上野、プレーオフ制して挑戦者に

 藤沢里菜女流名人への挑戦者が決定した。第32期博多・カマチ杯女流名人戦のリーグ戦は、全勝だった鈴木歩七段が3月4日に打たれた最終局で謝依旻六段に敗れ、上野愛咲美女流棋聖が11日に打たれた最終局で一敗を守って終了。一敗で並んだ鈴木、上野の両者が、15日のプレーオフに臨んだ。本戦では鈴木に敗れている上野は、布石に反省点があったとし「布石が課題」と語っていた。その布石で、黒番の上野が最近では珍しい二間高バサミを打ち下ろすと、鈴木は「研究しているに違いない」とばかり、旧来の定石を選択。上野は「研究していたのですが、さっそくはずされてしまって」と笑う。でも、「布石の研究をよくしたので、安心して打てた」と本局を振り返る。その後の右上の攻防で、白の薄みを狙う上野らしい力強い手が奏功し、白石を取り込んで地合いでリードを奪った。その後、上辺の黒への攻めを見られるが、進出して左辺でさばき、白に逆転のスキを与えなかった。敗れた鈴木は、「序盤で誤算があり、そこから流れを崩し、いいところなく、うまく打たれてしまって。完敗だったと思います」と脱帽し、「残留を目指していたので、2位はよい結果。来期もこの順位を生かせるようにがんばりたい」と語った。上野は、リーグ戦で一敗した時点で挑戦者はあきらめていたそうで、「挑戦できるだけでめちゃくちゃうれしいです」と笑顔。「里菜先生は、自分より実力が上だと思っています。でも、サラッと負けて後悔しないようにがんばりたい」と抱負を語った。昨年の女流本因坊戦五番勝負以来となる藤沢と上野のタイトル戦――三番勝負は、4月14、16、19日の短期決戦となる。

仲邑、史上最年少の二段

 3月15日、仲邑菫初段が、「第28期阿含・桐山杯」の予選で松原大成六段に勝利。女流棋戦を除く公式戦で通算30勝をあげ、昇段規定により16日付で二段に昇段した。12歳0カ月での二段昇段は、趙治勲名誉名人が持っていた12歳3カ月の最年少記録を52年ぶりに更新する快挙だ。仲邑は、今年1月、日本棋院関西総本部から東京本院に移籍した。環境の変化がプロとしての自覚もうながした様子で、1月以来、自己最多の10連勝と戦績も見事。昇段については「目標にしていました。小学生のうちに二段になれて嬉しいです」と話し、記者団に今後の抱負を尋ねられると「(4月に中学生になってからも)強くなれるようにがんばりたいです」と入段当時よりはきはきとした口調で受け答えしていた。

囲碁ニュース [ 2021年2月26日 ]

囲碁大会再開の兆し

 新型コロナウイルスの影響により2020年は多くの囲碁大会やイベントが中止となった。2021年はどうなっていくのであろうか。まず、緊急事態宣言の発令による関係もあり打ち初め式は行われず、宝酒造杯各段チャンピオン戦も年内の中止を決めるなど、まだまだ再開はされないのかと思われた。
 しかし、2月に入り例年日本棋院で行われていたジャンボ囲碁団体戦こそ行われなかったものの、ジュニア本因坊戦、子どもチャンピオン戦といった二つの子供大会は予選が開催され、3月の全国大会も開催予定である。また、女流アマチュア囲碁選手権も各地で予選が行われた。県によっては人数の制限や過去代表経験のある方に絞って少人数で開催したところもあり、各会場や県支部の努力や想いを感じることができる。女流アマチュア選手権も3月に全国大会を開催する。
 子ども大会や女流大会の再開に続き一般大会も再開の兆しを見せている。朝日アマチュア名人戦の予選日程が各地で発表されはじめ、全国大会の日程も予定として発表された。緊急事態宣言が解除されれば開催の予定であるという。緊急事態宣言中や延長された場合はその期間に予選は行わないという但書きはあるものの、緊急事態宣言も解除の方向に向かっている。囲碁大会の再開は多くの囲碁ファンが望んでいたところである。
 イベントや大会は公式戦のみでなく各碁会所も徐々に再開しはじめており、月例大会やプロ棋士の指導碁など、完全とはいかないが元に戻しつつある場所も少なくないようである。

囲碁ニュース [ 2021年2月9日 ]

上野、女流棋聖位を奪還

 鈴木歩女流棋聖が先勝し、挑戦者の上野愛咲美扇興杯が1勝を返して迎えた第24期ドコモ杯女流棋聖戦挑戦手合三番勝負(株式会社NTTドコモ協賛)の最終局が、2月8日、東京都千代田区の「竜星スタジオ」で行われた。結果は148手まで、白番上野の中押し勝ち。昨年の雪辱を果たし、2期ぶり3度目の女流棋聖位を獲得した。防衛はならなかった鈴木は「愛咲美ちゃんが強かった」と振り返り、「力は出し切れたと思いますが、自分の力が及びませんでした。また挑戦できる機会があればがんばりたい」と語った。2冠となった上野は、「第1局の内容がひどすぎたので、あとは楽しんで打とうと考えました」とシリーズを振り返り、「碁の内容は今日が一番よかった。今年は世界戦もがんばりたい」と笑顔で喜びを語った。

囲碁ニュース [ 2021年2月2日 ]

女流棋聖戦、最終局へ

 前期とはタイトルホルダーと挑戦者を入れ替えて、第24期ドコモ杯女流棋聖戦挑戦手合三番勝負(株式会社NTTドコモ協賛)が開幕した。連覇を期す鈴木歩女流棋聖は、1月21に神奈川県平塚市の「ホテルサンライフガーデン」で打たれた第1局で黒番中押し勝ちをおさめて先勝。続く第2局が、28日に東京都千代田区の「竜星スタジオ」で打たれた。序盤は白番の鈴木がペースを握り、挑戦者の上野愛咲美女流最強位は「ほぼあきらめの気持ちでした」と振り返る。だが、上野は中盤から必死の追い上げを見せる。逆に「楽観があったのかも」と振り返る鈴木が上辺で白を捨てた選択が疑問だったようで、黒が巻き返した。その後、鈴木に後悔の打ち回しがあり、上野が手厚く冷静に応じて優勢を築き、そのままヨセ切って中押し勝ち。スコアを1勝1敗のタイに戻した。鈴木は、上辺の攻防に「悔いが残る」と、無念そう。上野は「最終局は序盤の作戦をしっかり考え、楽しい碁を打ちたい」と抱負を語った。防衛か雪辱か、注目の最終局は、2月8日に、東京都千代田区の「竜星スタジオ」で行われる。

囲碁ニュース [ 2021年1月28日 ]

二度目の緊急事態宣言と囲碁大会

 年が明け11都府県に二度目の緊急事態宣言が発令され、再び囲碁界ではイベントの延期などが行われた。碁会所などは時短営業となったものの、昨年春のように休業するところは少なく感染予防をしながら営業をしている。
 年内の囲碁大会はどのようになっていくのだろうか。自粛している一方で囲碁ファンの中には大会の開催を待ち望んでいる方は多い。現在、アマ名人、アマ本因坊、アマ竜星(世界アマ)の開催については発表されていない。例年では予選日程がそろそろ発表される時期である。昨年に続き今年も開催されないのではという声も聞かれファンの中では寂しい声もある。
 それとは違い子供大会に関しては開催が現在のところ発表され、昨年の暮れから全国各地で予選が行われている。3月にはジュニア本因坊戦と全日本こどもチャンピオン戦の二つの全国大会が開催予定である。子供たちにとって大切な時間となるように願いたいところである。
 また現在のところでは女流アマ選手権も開催予定となっており、各地で予選の日程も発表されている。しかし、関東に関しては日程の発表はされているものの、はっきりと開催とはされておらず申し込みも様子を見ながらの更新とホームページに記載されている。全国大会の日程は発表されているが果たして開催できるのであろうかという不安の声も聞かれる。
 昨年に続き今年も囲碁大会開催が不安視されている。いつになったら元のように囲碁ファンが大勢集まり以前のように賑やかに交流できる日が来るのであろうか。一刻も早く以前のような光景が見られることを望むばかりである。

囲碁ニュース [ 2021年1月19日 ]

一力、「応氏杯」準決勝で敗退

 4年に1度、オリンピックと同じ年に開催される世界戦、第9回応氏杯世界選手権(応昌期囲棋教育基金会主催)の準決勝三番勝負が、10日と12日にネット対局にて行われ、中国の謝科八段と対戦した一力遼九段は、2局ともに優勢を築くも、中盤以降、持ち時間にも追われる流れとなり悔しい2連敗。決勝進出はならなかった。
 コミ8目(持碁は黒勝ち)、持ち時間3時間を使い切ると20分ずつ2目コミ出し(2回まで)などの特有のルールを持つ本棋戦は、日本では公式戦に含めていないが、過去には大竹英雄名誉碁聖、依田基紀九段がそれぞれ第2回、第3回に準優勝しており、認知度も注目度も人気も高い。一力は、三番勝負第1局では4目のコミを払い中押し負けとなり、その反省を基に、第2局は「序盤は(時間を使わないように)とばした」と振り返る。相手の得意戦法を研究し優勢を築くが、中盤に難解な戦いに持ち込まれ、再び持ち時間の差が開いていった。「2目払っても勝てる」という手応えを掴んだ局面もあったが、難戦の中、結局ヨセ勝負となり、コミ2目を払っての3目負けという結果となった。局後の一力は「やっぱり残念な気持ちは大きいです。かなり、懸ける思いは強かったですので」と天を仰いだが、「よくなってから勝ち切るというところがまだ課題なのかなと感じたので、今後また修正して臨んでいきたい」と、悲願の世界一に向けて決意を新たにしていた。

囲碁ニュース [ 2021年1月12日 ]

「女流名人戦」リーグ出場棋士7名が決定

 1年空け、「博多・カマチ杯」として復活した第32期女流名人戦は、30期・31期のトーナメント戦から改められ、7名による挑戦者決定リーグ戦が再開される。藤沢里菜女流名人への挑戦権をかけ、謝依旻六段、牛栄子三段、辻華初段の3名が、昨年12月にリーグ入りを決めている。1月7日、東京都千代田区の日本棋院で予選が行われ、鈴木歩女流棋聖、上野愛咲美女流最強位、向井千瑛五段、加藤千笑二段の4名が勝ち上がり、リーグ戦に参戦する7名全員が出そろった。実力者が並ぶ中、若手の辻は「強い先生とリーグで打てるのはうれしい。全敗は悲しいので、1勝できるように頑張ります」、加藤は「リーグは初めてなのですごくうれしいです。リーグ戦は勝っても負けてもたくさん打てる。リーグに残れるように頑張りたい」とそれぞれ喜びと抱負を語った。
 また、今年1月に、日本棋院関西総本部から東京本院に移籍した仲邑菫初段は、午前の対局で佃亜紀子五段に白番中押し勝ちして移籍後の初戦を白星で飾ったが、午後の決勝で上野に敗れてリーグ入りは果たせなかった。仲邑は「上野先生は強かった」。上野は「菫ちゃんと打つのは怖いけど、戦いになるので楽しいです」とのコメント。リーグ戦については「挑戦者になって里菜先生と打ちたいです」と力強い抱負を語った。

囲碁ニュース [ 2021年1月5日 ]

一力と余がランキングトップ

 あけましておめでとうございます。
 昨年末、12月28日に、日本棋院と関西棋院は公式戦のランキングを発表し、日本棋院では、一力遼天元・碁聖が勝ち星(53勝)、対局数(66局)、勝率(0.803)の3部門で首位。連勝部門では11連勝で2位につけた。3部門での首位は、2012年の井山裕太本因坊(当時)以来。また、連勝部門は長徳徹志二段が14連勝で初の「最多連勝」を獲得した。女流棋士では、藤沢里菜女流本因坊が勝ち星(35勝)と勝率(0.7)で1位。上野愛咲美女流最強位が対局数(57局)、下坂美織三段と牛栄子三段(8連勝)が連勝で、それぞれ1位となった。
 関西棋院では、余正麒八段が全部門で1位。対局数(50局)は村川大介九段と並んだが、他は単独トップ。とりわけ、勝率(0.860)と連勝(22)は驚異的な数字で、一力二冠と共に、好調ぶりを示している。
 なお、一力二冠、余八段ともに、連勝を継続中で、両者は今月7日の名人戦リーグで激突。どちらが連勝をのばすかが注目される。

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