日本囲碁ニュース
日本の囲碁ニュース・棋戦情報をお伝えします。
日本で行われている囲碁のイベントや棋戦情報を皆様にお伝えします。
囲碁ニュース [ 2024年3月12日 ]
一力、棋聖三連覇
第48期棋聖戦七番勝負(読売新聞社主催)の第7局が、3月7、8の両日、山梨県甲府市の「常盤ホテル」にて打たれ、一力遼棋聖が黒番中押し勝ちを収めて三連覇を達成した。最終局まで持ち込んだものの、井山裕太王座の4期ぶりの復位はならなかった。本局は本シリーズを象徴するかのように、早くから険しい局面に突入した。ネット解説の三村智保九段が「魂を削る戦い」と評した攻防は、「一日目で勝負が決してしまうのではないか」と検討陣が心配するほどに手数も進み、結局、井山が棋聖戦最長手数となる126手目を封じた(本因坊戦では128手、127手の記録があり、史上3番目)。二日目に入ると攻守が逆転し、一力が優位に立つ。中央の白を攻めながら着実にポイントを重ね、粘る井山を振り切っての勝利となった。激戦を制し、本因坊、天元と合わせて三冠を堅持した一力は、対局直後、「最終局は、悔いのないように、自分の信じた打ち方を貫くことを意識しました。結果を出すことができ、ホッとしています」と語り、喜びよりも安堵の表情を見せた。敗れた井山は「負けた碁もチャンスを作るところまではいけていたと思います。そのあたりの精度をあげていかなければいけません」と雪辱を期すコメントを残した。
囲碁ニュース [ 2024年3月5日 ]
井山勝利。棋聖戦は最終局へ
一力遼棋聖の3勝、挑戦者の井山裕太王座の2勝で迎えた第48期棋聖戦七番勝負(読売新聞社主催)の第6局が、2月29日と3月1日、神奈川県箱根町の「ホテル花月園」にて打たれた。本局も両者らしく互いに最強手を繰り出し険しい戦いの碁となったが、井山が力勝負を制して白番中押し勝ちを収め、決着は最終局へと持ち越された。序盤は互いに実利を取り合った。左辺の攻防でも黒番の一力が実利を優先し、井山が厚みを築く。ここでやや白がリードを奪ったようだ。右下の攻防では、一力が力強く白を切断。対して井山は、「いってみたくなった」と切断された中央の石を動き、戦場が右上に移りながら一気に急戦となる。その渦中に一力が封じて、1日目を終えた。右上は互いに生きる穏やかな道もあったようだが、一力の封じ手は最強の選択だった。その後のコウを井山が解消し、右上の黒を取って地合いでリードを奪う。一力は「取るくらいのことがないと大変」と中央の白の取りかけに向かった。だが、ここから井山が最強のシノギを見せ、逆に中央の黒を仕留めて鮮やかに勝負を決めた。最終局に持ち込んだ井山は「最後ですので、シンプルに、自分の力を出し切れるように精一杯やりたいと思います」、一力は「本局は初日にいろいろまずかったので、もう少し内容よく打てるようにがんばります」とそれぞれ抱負を語った。一力の防衛か井山の奪還か。第7局は、3月7、8の両日、山梨県甲府市の「常盤ホテル」にて打たれる。
囲碁ニュース [ 2024年2月28日 ]
十段戦開幕。芝野が先勝
芝野虎丸十段に井山裕太王座が挑戦する第62期大和ハウス杯十段戦(大和ハウス工業株式会社特別協賛)の五番勝負が開幕した。芝野は連覇(通算3期目)、井山は復冠(通算6期目)を期してのシリーズとなる。両者はそれぞれ「一日制の番碁で顔を合わせるのは久しぶりなので、どんな碁になるか楽しみ」と語り、芝野は「結果を出し、相性のいい棋戦にしたい」、5年ぶりに十段戦登場の井山は「AIによっていろいろなことが変わってきています。どこで自分らしさを出すかがポイントになる」とシリーズの抱負を語った。第1局は、2月27日に大阪府の「大阪商業大学」で打たれた。序盤、左下の折衝を終え、芝野は「苦しいと思っていた」と振り返る。だが、その後、井山の最強手に芝野が的確に応じて流れが変わる。井山も「分断していったのが、無理気味だった」と振り返った。井山の攻めは続かず、「中央の白をしのげば、形勢は悪くないかなと思っていた」と芝野。逆に中央の黒が攻めの対象となる。井山は実利を取りシノギ勝負に出たが、上辺の黒と絡まれ、芝野が上辺を仕留めて井山を投了に追い込んだ。井山は29日からの棋聖戦第5局(読売新聞社主催)が控える過密日程ゆえ、体調管理も大事になりそうだ。十段戦第2局は、千代田区の日本棋院東京本院にて3月25日に打たれる。
囲碁ニュース [ 2024年2月26日 ]
世界学生囲碁王座戦 中国が優勝
第22回世界学生囲碁王座戦が2月21、22日に東京市ヶ谷の日本棋院本院で開催された。学生の世界一を決める大会で12ヶ国・地域から16名の選手が出場した。3年ぶりに開催された昨年は中国選手がオンラインでの参加であったが、今年は選手全員が会場に集まった。
日本・中国・韓国・中華台北は、それぞれ男女1名ずつ2名の選手が参加。日本からは川口飛翔さん(東京大学)、女子枠で大宮七虹さん(東北大学)が出場した。
1日目は川口さん、劉嘉琪さん(中国)、金大輝さん(韓国)、デニス・ドブラニシュさん(ルーマニア)の4名が連勝。3回戦では金さんがデニスさんを、劉さんが川口さんを破り優勝決定戦に進出。優勝決定戦では黒の金さんが白の劉さんの大石を攻め、白が生きるかどうかの難しい局面で、金さんが着手後に時計を押すのが間に合わず時間切れという突然の幕切れとなった。優勝した劉さんは「難しい局面だったが、このまま打ち続けても最後は勝てると思って打っていた」と自信があったようだ。
日本の川口さんは3回戦で敗れたものの4回戦では中華台北の選手に勝利し、スイス方式により2位となった。川口さんは2年連続の2位である。「3回戦は最後まで形勢が良く、突然のポカで一気に逆転されてしまった」と悔いの残る負け方であった。「井山先生(井山裕太王座)との記念対局でも同じような負け方だったので、途中集中を切らさない訓練が必要」と語った。
女子枠の大宮さんは15位となった。
囲碁ニュース [ 2024年2月20日 ]
一力棋聖、防衛にあと1勝
2勝2敗で迎えた第48期棋聖戦七番勝負(読売新聞社主催)の第5局が、2月15、16の両日に、千葉県勝浦市の「三日月シーパークホテル勝浦」にて打たれた。序盤から左辺で険しい競り合いに突入し、戦いに終始した本局は、黒番の一力が本気で白の大石を取りにいく勇断を決行し、井山の勝負手を振り切り鮮やかに仕留めての快勝となった。1日目を、一力は「序盤から一手一手、打ち方も判断も難しく、忙しい展開だった」、井山は「(左辺の一力の強手から)やや無理気味な戦いになってしまったなぁと思っていました。自分が一方的に弱い展開で、大変な気はしていました」と振り返る。2日目に入り、井山は左上を捨てて中央の白を取るフリカワリを目指したが、一力はそうはさせじと中央を動き出す。井山は以降を「自分にはなかなか思わしい手段が見えなかった」と完敗を認めるコメントが聞かれた。3勝目をあげ、三連覇にあと一勝と迫った一力は、「少し間隔がありますので、いい状態で臨めるように調整したい」と落ち着いて語り、井山は「3日後にも対局(名人戦リーグで一力と対戦)がありますし、まずは目の前のことを精一杯やっていきたいなと思います」と静かに語った。決着がつくのか、井山が三度タイのスコアに戻すのか。注目の第6局は、2月29日、3月1日に、神奈川県箱根町の「ホテル花月園」にて行われる。
囲碁ニュース [ 2024年2月13日 ]
上野梨紗女流棋聖誕生
仲邑菫女流棋聖の1勝、挑戦者の上野梨紗二段の1勝で迎えた第27期ドコモ杯女流棋聖戦挑戦手合三番勝負(株式会社NTTドコモ協賛)の最終局が、2月5日、千代田区の日本棋院東京本院にて打たれた。多くの報道陣が見守る中、上野が黒番中押し勝ちを収め、初タイトルを獲得した。序盤は互いの個性を出しながら互角に進んだが、中盤に入り、右辺の折衝で黒がややポイントをあげリードを奪う。勝負強い仲邑が難しい局面に持っていくものの、上野も緩まず最強手を繰り出し続け、「左辺のワリコミを打て(優勢が)はっきりしたかなと思いました」と振り返る。その後の左辺のコウ争いで戦果をあげてリードが広がり、仲邑が無念の投了を告げた。終局後はしばらく言葉が出ず悔しさを噛みしめていた仲邑だが、記者会見では「強くなるチャンスだと思います」と前を向いた。上野は「第1局の内容をみたら、ちょっと厳しいかなと思っていました。勝ったことのない(第1局を終えて、対仲邑戦は7戦全敗)菫ちゃんが相手で、ずっと自信がなかったのですが、タイトルを獲ることができて、ビックリしているのと、嬉しい気持ちです」と満面の笑みで喜びを語った。また、「姉(上野愛咲美新人王・女流名人・女流立葵杯)から、形勢がいいときはもっと厳しく打てとアドバイスを受けていた」、「昨年から一番勉強できていると思うので、それが結果についてきてうれしい」と成長の理由を明かし、「世界戦で活躍できるように、努力していきたい」と抱負を語った。
棋聖戦は2勝2敗に
頂上決戦、第48期棋聖戦七番勝負(読売新聞社主催)の第4局は、2月8、9の両日に、一力遼棋聖の地元、宮城県仙台市の「宮城県知事公館」で打たれた。結果は、挑戦者の井山裕太王座が白番中押し勝ち。対戦成績を2勝2敗のタイに戻した。序盤は、井山が工夫の手を繰り出しながら実利を先行していった。少しずつポイントを重ねて優勢を築き、左辺から中央の黒模様がどのくらいまとまるかが勝負所になった。1日目の午後に入り、右辺で一力が渾身の手を放つが、続く井山の手も最善の受け。見応えのある攻防が続いた。一力は「右辺ではもう少しいい図があったような気がします」と振り返っている。2日目、右辺の攻防は井山がややポイントをあげ、さらに左辺に手をつけていく。ここで一力に後悔の手があり、「その後の井山さんの中央の打ち方は完璧でした」と新聞解説の孫喆七段。だが、その後も右辺と中央で難解な戦いが続き、一力にもチャンスがあったという。これを逃し、右辺の中央の弱い白石が安定しては、形勢がはっきりした。孫七段は「結果的に、白が悪い局面は一度もなかった。白の名局だったと思います」と評した。井山は次局に向け「精一杯準備して臨みたいと思います」と抱負を語り、一力は「地元開催のプレッシャーは、(対局が)始まってしまえばそんなに感じませんでした。精一杯やった結果なので仕方ない。次局もしっかりいい状態で臨めるように調整したい」と語った。第5局は、2月15、16の両日に、千葉県勝浦市の「三日月シーパークホテル勝浦」にて行われる。
囲碁ニュース [ 2024年1月30日 ]
棋聖戦は一力が2勝目
一力遼棋聖に井山裕太王座が挑戦している第48期棋聖戦七番勝負(読売新聞社主催)は、頂上決戦にふさわしい攻防が繰り広げられている。一力先勝で迎えた第2局は、1月20、21の両日に奈良市の「興福寺本坊」にて打たれ、井山の白番中押し勝ち。27、28の両日に栃木県日光市の「日光千姫物語」で打たれた第3局は、一力が白番中押し勝ちを収め、対戦成績を2勝1敗とした。第2局は、まず一力が、左上の黒の大石を捨てる大胆な構想でリードを奪うが、その後、井山が右上と左下の弱い白石を放置したまま大場に連打し、左下をしのいで一日目を終えた。二日目、一力が封じ手から右下の白模様に手をつけるが、その後の数手にやや反省があったようだ。右下の白地が大きくまとまり逆転。さらに、右上を捨てて右下を広げる形勢判断が光り、リードを広げるとそのまま押し切る井山の好局となった。第3局は、黒番の井山が積極的な打ち回しを見せ、リードを奪った。1日目を井山は「それなりに難しい形勢かなと思っていた」、一力は「序盤から判断が難しい展開でしたが、封じ手のあたりは、目に見える地は大変そうだった」と振り返る。2日目に入り、盤上は複雑かつ判断も着手も難しい局面が続く。「厳しくいけないと大変」と意識した一力が、中央の攻防で力を出し、井山の石に次々と迫って形勢不明となる。大ヨセに入り、検討陣からは「半目勝負」の声も聞かれた。ヨセに入ってからも見事な応酬が続くが、最後に右上を手にした一力に軍配が上がった。局後の一力は「秒読みに入ってから、あまりただしくは打てていなかったのと思うので、そのあたりは課題かなと思っています。少し間隔があくので、またいい状態にして臨みたい」と抱負を語った。井山は「常に形勢判断が非常に難しくて、はっきりしたことが分かってなかった」と振り返り、「一つ一つ、目の前の対局を精一杯やっていきたいと思います」と自分に言い聞かせるように語った。第4局は、2月8、9の両日、宮城県仙台市の「宮城県知事公館」にて打たれる。
女流棋聖戦、最終局へ
14歳の仲邑菫女流棋聖に17歳の上野梨紗が挑戦――初の10代同士、史上最年少タイトル戦として注目を集める第27期ドコモ杯女流棋聖戦挑戦手合三番勝負(株式会社NTTドコモ協賛)が開幕した。仲邑は、韓国棋院への移籍が決まっており、日本での最後のタイトル戦としても注目が集まっている。1月18日に神奈川県平塚市の「ホテルサンライズガーデン」で打たれた第1局は、互いに譲らぬ展開から仲邑の読みが上回りリードを奪うと、その後も隙を見せぬ最強手を選び続けて圧倒し、白番中押し勝ちとした。25日に千代田区の日本棋院東京本院にて打たれた第2局は上野が見せた。布石は黒番の仲邑がややリードを奪うが、その後、右下と上辺の折衝で上野がポイントを重ね、左辺の黒模様の消しに向かう。劣勢を意識した仲邑がこの白を取りに向かうが、上野は周囲の黒の薄みを突き、逆に黒を取ってリードを広げ、白番中押し勝ち。1勝1敗として、勝負は最終局に持ち越された。上野は「菫ちゃんには初めて勝てた。いいところなく終わるのが嫌だったので、一つ返せてホッとしている」と笑顔を見せた。敗れた仲邑は「悪そうな手を連発してしまった。次は反省点を生かしたい。(敗戦は)仕方ないと思っている。むしろもう一局打てるので、すごく楽しみにしている」と語った。第3局は、2月5日、千代田区の日本棋院東京本院にて打たれる。
囲碁ニュース [ 2024年1月29日 ]
ジャンボ囲碁十五人団体戦
1月28日、日本棋院東京本院で「第51回ジャンボ囲碁十五人団体戦」が開催された。1チーム15名という大型の団体戦で、愛好会、研究会、碁会所ごとと様々なチームが参加している。今回は27チームがAクラス15チーム、Bクラス12チームの2つのクラスに分かれて4回戦の熱戦を繰り広げた。
Aクラスは昨年優勝の大熊義塾と2位のバトリアヌス帝国による全勝決戦となった。大熊義塾はアマ名人本因坊の大関稔さんが主将を務め、副将にも世界アマ日本代表経験のある森川舜弐さんという布陣。対するバトリアヌス帝国は学生囲碁界の覇者川口飛翔さんに棋聖戦Cリーグ経験のある栗田佳樹さんという顔ぶれ。現在のアマチュア囲碁界を代表するメンバーを擁したチーム同士の決勝は8-7で大熊義塾が制し2連覇となった。バトリアヌス帝国は2大会ぶりの優勝はならなかった。
Bクラスは団碁汁おかわりと囲碁将棋喫茶樹林による全勝決戦となった。団碁汁は何年も参加している強豪チームで、Aクラスにもチームを出しておりそちらは平岡聡さんが主将を務めている。囲碁将棋喫茶樹林は新橋にある囲碁将棋ができ食事もできる場所として人気がある。主将は囲碁インストラクターで東京都代表経験多数の井場悠史さんが勤める。結果は9-6で団碁汁おかわりの優勝となった。
ジャンボ大会は年に一度の大型団体戦として毎年多くのチームが参加し、32チームの定員がすぐに埋まるという人気大会であったが、昨年コロナ後3年ぶりに再開されてが、この2年は定員に達していない。コロナによる中断で大人数の団体の集まりが制限されていたことにより活動再開が難しい団体が多いということであろうか。
囲碁ニュース [ 2024年1月16日 ]
棋聖戦開幕。一力初戦勝利
一力遼棋聖に井山裕太王座が挑戦する第48期棋聖戦七番勝負(読売新聞社主催)が開幕した。第1局は、1月11、12の両日、東京都文京区の「ホテル椿山荘東京」で打たれ、264手まで一力が白番中押し勝ちを収めた。互いの研究の深さが感じられる互角の序盤から、局面は次第に険しさを増していった。白番の一力が右辺を捨て、右上の黒への攻めに向かう。一時はAIの数値が「白90%」を示すほどに形勢は白に傾き、一力が封じて1日目を終えた。井山は「封じ手前の打ち方がよくなかったのか、封じ手の局面では、少なくとも最善からは遠いと思っていた」と振り返る。だが、2日目、井山は右上の黒の大石をコウに持ち込み、白のコウ材がやや小さく、コウを解消して黒が生きたあたりから井山が形勢を盛り返していった。息詰まる熱戦は、白がやや厚い「半目勝負」となり、ヨセに突入。一力に緩着があり、その瞬間、井山が逆転したようだ。ただ、井山の次の手が、敗着となったようだ。再び白が逆転。形勢は微細ながら、再逆転の機はないと判断した井山が投了を告げた。一力は「最後の最後に形が決まるまで自信が持てなかった。秒読みに入ってから精度を欠いてしまった手があったので、修正して次回に臨みたい」、井山は「最後はいくつか瞬間的に見えていたのにやれなかった部分があったのが残念でした。仕切り直して頑張りたい」と語った。次局以降も、互いに「好調」と語る両者の好局が期待される。第2局は、1月20、21の両日、奈良市の「興福寺」にて打たれる。
囲碁ニュース [ 2024年1月9日 ]
最多勝は上野梨紗二段。藤沢は七段昇段
昨年12月27日に、日本棋院が2023年の最多勝、最高勝率棋士などを発表した。最多勝は、49勝(19敗)をあげた上野梨紗二段。前年と前々年に二年連続1位だった姉の上野愛咲美女流立葵杯に続いて、初の1位となった上野は「女性棋士は女流棋戦もあって対局数が多いので……」と控え目にはにかみながら、「これからも一般棋戦も頑張りたいです」と笑顔で語った。2位は一力遼棋聖の48勝。3位は芝野虎丸名人、上野(愛)、藤沢里菜女流本因坊の43勝。最高勝率棋士は、7割6分4厘だった広瀬優一七段となった。
また、千代田区の日本棋院東京本院では1月5日、打ち初め式が行われ、賞金ランキングでの昇段者が発表された。六段1位の藤沢が七段への昇段が決まった他、小山空也六段(五段1位)、大西研也六段(五段2位)、福岡航太朗五段(四段1位)、酒井佑規五段(四段2位)らが昇段。女性では棋聖戦Cリーグ入りを果たした辻華二段も三段に昇段した。以前から「七段」を意識していた藤沢は、「昇段していると思ってなかったので、嬉しいです。八段までは大変ですが、これからも少しずつ頑張っていきたいと思います」と喜びを語った。