日本囲碁ニュース

日本の囲碁ニュース・棋戦情報をお伝えします。
日本で行われている囲碁のイベントや棋戦情報を皆様にお伝えします。

囲碁ニュース [ 2021年2月26日 ]

囲碁大会再開の兆し

 新型コロナウイルスの影響により2020年は多くの囲碁大会やイベントが中止となった。2021年はどうなっていくのであろうか。まず、緊急事態宣言の発令による関係もあり打ち初め式は行われず、宝酒造杯各段チャンピオン戦も年内の中止を決めるなど、まだまだ再開はされないのかと思われた。
 しかし、2月に入り例年日本棋院で行われていたジャンボ囲碁団体戦こそ行われなかったものの、ジュニア本因坊戦、子どもチャンピオン戦といった二つの子供大会は予選が開催され、3月の全国大会も開催予定である。また、女流アマチュア囲碁選手権も各地で予選が行われた。県によっては人数の制限や過去代表経験のある方に絞って少人数で開催したところもあり、各会場や県支部の努力や想いを感じることができる。女流アマチュア選手権も3月に全国大会を開催する。
 子ども大会や女流大会の再開に続き一般大会も再開の兆しを見せている。朝日アマチュア名人戦の予選日程が各地で発表されはじめ、全国大会の日程も予定として発表された。緊急事態宣言が解除されれば開催の予定であるという。緊急事態宣言中や延長された場合はその期間に予選は行わないという但書きはあるものの、緊急事態宣言も解除の方向に向かっている。囲碁大会の再開は多くの囲碁ファンが望んでいたところである。
 イベントや大会は公式戦のみでなく各碁会所も徐々に再開しはじめており、月例大会やプロ棋士の指導碁など、完全とはいかないが元に戻しつつある場所も少なくないようである。

囲碁ニュース [ 2021年2月18日 ]

河野、反撃開始

 井山裕太棋聖の3連勝で迎えた第45期棋聖戦七番勝負(読売新聞社主催)の第4局が、2月16、17の両日に、神奈川県箱根町の「ホテル花月園」で行われ、212手まで、挑戦者の河野臨九段が白番中押し勝ちを収めた。
 「ホテル花月園」は、前期の七番勝負で河野が勝利した第五局と同じ対局地。ゲンもよく、対局前の河野は「3連敗していて言うのもはばかられるのですが、調子は上向いている」と柔らかく自信をのぞかせるコメントを残した。1日目は黒の実利と白の厚みという碁形に分かれた。右上の攻防で「井山が手順を尽くして白3子を取り込んだ」と評されたが、井山は「確定地は黒もそれなりにあるのですが、白3子を捨てられ、右上を巧く処理されたかなという感触があった」と振り返る。2日目に入り、河野が好手から黒の形を崩し、流れを引き寄せた。井山が「無理気味だとはわかっていたのですが」という勝負手を放つものの、これに的確に対応した河野が勝勢を築いていった。そのまま終局するかと思われたが、終盤に井山が再び勝負手を放ち、攻め合いの「勝負形」に持ち込む見せ場を作った。だが、最強に応じた河野が攻め合いも制し、投了へと追い込んだ。河野は「形勢はずっとわからなかった。勝ちを意識したのは、攻め合いの形がはっきりした、本当に最後の最後」と熱戦を振り返った。粘る井山を振り切り、好局で1勝を返した河野は、「依然としてカド番ですが、スコアのことは気にしないで、自分の碁をしっかり出し切れるように」、井山は「引き続き、ベストを尽くしたいと思います」とそれぞれ抱負を話した。第5局は、3月4、5の両日、新潟県南魚沼市の「ryugon」で行われる。

囲碁ニュース [ 2021年2月9日 ]

井山、棋聖9連覇まであと1勝

 井山裕太棋聖の2連勝で迎えた第45期棋聖戦七番勝負(読売新聞社主催)の第3局が、2月5、6の両日、長崎県西海市の「オリーブベイホテル」にて行われた。1日目を終え、黒番の挑戦者の河野臨九段が打ちやすいと見る声も多く聞かれた。河野も「一応それなりにずっと勝負形のつもりで打っていた」と振り返る。2日目に入り、右上の攻防のなか、「真正面からいけないとおかしいのですが、自分の中では思わしい図ができなくて、ひねり出した」と井山が振り返った白106が流れを大きく変えた。新聞解説の瀬戸大樹八段は白106、112、122の三手を「『令和の三妙手』として語り継がれるかもしれません!」とSNSに投稿している。「コウ含みでどこまで進んでも判断ができず、どう打ってよいか全くわからなくて」(井山)、「中央をどう見るかに苦労していました。どう考えてよいのかがずっとわからなくて」(河野)と両者が振り返る難解な展開だったが、上記の「三妙手」に続き、河野が「めちゃくちゃ悪い手を打ってしまって、全然だめになってしまった」と振り返る。形勢は白に傾き186手まで、白番井山が中押し勝ちをおさめた。井山が一気に4連勝で9連覇を達成するのか、前期同様、河野がここから巻き返すのか、注目の第4局は、2月16、17の両日に、神奈川県箱根町の「ホテル花月園」で行われる。井山は「まだまだ大変なので、精一杯準備して臨みたい」、河野は「せっかくの七番勝負なので、盛り上げられるように、少しでもいい状態を作っていけるように努めたい」とそれぞれ抱負を語った。

上野、女流棋聖位を奪還

 鈴木歩女流棋聖が先勝し、挑戦者の上野愛咲美扇興杯が1勝を返して迎えた第24期ドコモ杯女流棋聖戦挑戦手合三番勝負(株式会社NTTドコモ協賛)の最終局が、2月8日、東京都千代田区の「竜星スタジオ」で行われた。結果は148手まで、白番上野の中押し勝ち。昨年の雪辱を果たし、2期ぶり3度目の女流棋聖位を獲得した。防衛はならなかった鈴木は「愛咲美ちゃんが強かった」と振り返り、「力は出し切れたと思いますが、自分の力が及びませんでした。また挑戦できる機会があればがんばりたい」と語った。2冠となった上野は、「第1局の内容がひどすぎたので、あとは楽しんで打とうと考えました」とシリーズを振り返り、「碁の内容は今日が一番よかった。今年は世界戦もがんばりたい」と笑顔で喜びを語った。

囲碁ニュース [ 2021年2月2日 ]

女流棋聖戦、最終局へ

 前期とはタイトルホルダーと挑戦者を入れ替えて、第24期ドコモ杯女流棋聖戦挑戦手合三番勝負(株式会社NTTドコモ協賛)が開幕した。連覇を期す鈴木歩女流棋聖は、1月21に神奈川県平塚市の「ホテルサンライフガーデン」で打たれた第1局で黒番中押し勝ちをおさめて先勝。続く第2局が、28日に東京都千代田区の「竜星スタジオ」で打たれた。序盤は白番の鈴木がペースを握り、挑戦者の上野愛咲美女流最強位は「ほぼあきらめの気持ちでした」と振り返る。だが、上野は中盤から必死の追い上げを見せる。逆に「楽観があったのかも」と振り返る鈴木が上辺で白を捨てた選択が疑問だったようで、黒が巻き返した。その後、鈴木に後悔の打ち回しがあり、上野が手厚く冷静に応じて優勢を築き、そのままヨセ切って中押し勝ち。スコアを1勝1敗のタイに戻した。鈴木は、上辺の攻防に「悔いが残る」と、無念そう。上野は「最終局は序盤の作戦をしっかり考え、楽しい碁を打ちたい」と抱負を語った。防衛か雪辱か、注目の最終局は、2月8日に、東京都千代田区の「竜星スタジオ」で行われる。

井山棋聖、2連勝

 井山裕太棋聖が先勝してスタートした第45期棋聖戦七番勝負(読売新聞社主催)の第2局が、1月22、23の両日、富山県高岡市の「勝興寺」で行われた。挑戦者の河野臨九段は1勝を返したい一局だったが、序盤に黒番の井山がリードを奪うと、そのまま黒優勢の時間が長く続いていった。二日目に入り、下辺の攻防のなか、河野の絶妙手から超難解な戦いへと突入。勝敗の行方は不明となった。ただ、碁形が黒に味方し、逆転はかなわず。「最後の攻め合いには勘違いがあった」と振り返る河野が投了を告げるところとなった。井山は「まだまだ先は長いので」と気を引き締め、河野は「七番勝負を盛り上げられるように精一杯努力したい」と語った。その言葉どおり巻き返しがなるか。第3局は、2月5、6の両日、長崎県西海市の「オリーブベイホテル」にて行われる。

許、十段戦挑戦者に

 芝野虎丸十段への挑戦権をかけた大和ハウス杯第59期十段戦(大和ハウス工業特別協賛)の挑戦者決定戦が、1月28日、東京都千代田区の日本棋院で行われた。決定戦に勝ち上がったのは、許家元八段と余正麒八段。両者は共に好調で、余は昨年22連勝を記録し、今年も5連勝と勢いに乗っていた。だが、中盤には黒番の許が、「少し打ちやすいと思った」と振り返る。さらに黒が上辺で仕掛け、読みを入れた戦いで利を得て大勢が決したようだ。中押し勝ちをおさめた許は、昨年末の王座戦に続いて、芝野に挑戦することになった。「こんなに早く挑戦の機会がめぐってくるとは思っていなかったので、すごく嬉しいです。芝野さんは強敵ですが、タイトル奪取が目標。しっかり対策をして、全力で臨みたい」と決意を語った。挑戦手合の第1局は、3月2日に大阪府東大阪市の「大阪商業大学」で行われる。

囲碁ニュース [ 2021年1月28日 ]

二度目の緊急事態宣言と囲碁大会

 年が明け11都府県に二度目の緊急事態宣言が発令され、再び囲碁界ではイベントの延期などが行われた。碁会所などは時短営業となったものの、昨年春のように休業するところは少なく感染予防をしながら営業をしている。
 年内の囲碁大会はどのようになっていくのだろうか。自粛している一方で囲碁ファンの中には大会の開催を待ち望んでいる方は多い。現在、アマ名人、アマ本因坊、アマ竜星(世界アマ)の開催については発表されていない。例年では予選日程がそろそろ発表される時期である。昨年に続き今年も開催されないのではという声も聞かれファンの中では寂しい声もある。
 それとは違い子供大会に関しては開催が現在のところ発表され、昨年の暮れから全国各地で予選が行われている。3月にはジュニア本因坊戦と全日本こどもチャンピオン戦の二つの全国大会が開催予定である。子供たちにとって大切な時間となるように願いたいところである。
 また現在のところでは女流アマ選手権も開催予定となっており、各地で予選の日程も発表されている。しかし、関東に関しては日程の発表はされているものの、はっきりと開催とはされておらず申し込みも様子を見ながらの更新とホームページに記載されている。全国大会の日程は発表されているが果たして開催できるのであろうかという不安の声も聞かれる。
 昨年に続き今年も囲碁大会開催が不安視されている。いつになったら元のように囲碁ファンが大勢集まり以前のように賑やかに交流できる日が来るのであろうか。一刻も早く以前のような光景が見られることを望むばかりである。

囲碁ニュース [ 2021年1月19日 ]

一力、「応氏杯」準決勝で敗退

 4年に1度、オリンピックと同じ年に開催される世界戦、第9回応氏杯世界選手権(応昌期囲棋教育基金会主催)の準決勝三番勝負が、10日と12日にネット対局にて行われ、中国の謝科八段と対戦した一力遼九段は、2局ともに優勢を築くも、中盤以降、持ち時間にも追われる流れとなり悔しい2連敗。決勝進出はならなかった。
 コミ8目(持碁は黒勝ち)、持ち時間3時間を使い切ると20分ずつ2目コミ出し(2回まで)などの特有のルールを持つ本棋戦は、日本では公式戦に含めていないが、過去には大竹英雄名誉碁聖、依田基紀九段がそれぞれ第2回、第3回に準優勝しており、認知度も注目度も人気も高い。一力は、三番勝負第1局では4目のコミを払い中押し負けとなり、その反省を基に、第2局は「序盤は(時間を使わないように)とばした」と振り返る。相手の得意戦法を研究し優勢を築くが、中盤に難解な戦いに持ち込まれ、再び持ち時間の差が開いていった。「2目払っても勝てる」という手応えを掴んだ局面もあったが、難戦の中、結局ヨセ勝負となり、コミ2目を払っての3目負けという結果となった。局後の一力は「やっぱり残念な気持ちは大きいです。かなり、懸ける思いは強かったですので」と天を仰いだが、「よくなってから勝ち切るというところがまだ課題なのかなと感じたので、今後また修正して臨んでいきたい」と、悲願の世界一に向けて決意を新たにしていた。

棋聖戦開幕。井山が先勝

 9連覇を目指す井山裕太棋聖に、河野臨九段が昨年に続いて挑戦する第45期棋聖戦七番勝負(読売新聞社主催)が開幕。第1局が、13、14の両日、東京都文京区の「ホテル椿山荘東京」にて行われた。一日目は黒番の河野が得意の布石でスタートさせ、両者ともに「形勢に自信がなかった」と振り返る局面で、井山が封じた。二日目に入ると、井山らしい最強手と自由で巧みな打ち回しから白が優勢を築き、中盤から河野のつらい時間が続いていった。だが、井山が勝負を決めにいったシーンで一気に局面が紛れる。井山は右辺の黒の大石を取りかけにいったのだが、逆に白石を取り込まれるコウ争いに突入。井山に誤算があったようだ。ただ、大熱戦となったが、逆転には至らず、244手まで、白番井山の中押し勝ちとなった。第2局は、1月22、23の両日、富山県高岡市の「勝興寺」にて行われる。

囲碁ニュース [ 2021年1月12日 ]

「女流名人戦」リーグ出場棋士7名が決定

 1年空け、「博多・カマチ杯」として復活した第32期女流名人戦は、30期・31期のトーナメント戦から改められ、7名による挑戦者決定リーグ戦が再開される。藤沢里菜女流名人への挑戦権をかけ、謝依旻六段、牛栄子三段、辻華初段の3名が、昨年12月にリーグ入りを決めている。1月7日、東京都千代田区の日本棋院で予選が行われ、鈴木歩女流棋聖、上野愛咲美女流最強位、向井千瑛五段、加藤千笑二段の4名が勝ち上がり、リーグ戦に参戦する7名全員が出そろった。実力者が並ぶ中、若手の辻は「強い先生とリーグで打てるのはうれしい。全敗は悲しいので、1勝できるように頑張ります」、加藤は「リーグは初めてなのですごくうれしいです。リーグ戦は勝っても負けてもたくさん打てる。リーグに残れるように頑張りたい」とそれぞれ喜びと抱負を語った。
 また、今年1月に、日本棋院関西総本部から東京本院に移籍した仲邑菫初段は、午前の対局で佃亜紀子五段に白番中押し勝ちして移籍後の初戦を白星で飾ったが、午後の決勝で上野に敗れてリーグ入りは果たせなかった。仲邑は「上野先生は強かった」。上野は「菫ちゃんと打つのは怖いけど、戦いになるので楽しいです」とのコメント。リーグ戦については「挑戦者になって里菜先生と打ちたいです」と力強い抱負を語った。

囲碁ニュース [ 2021年1月5日 ]

一力と余がランキングトップ

 あけましておめでとうございます。
 昨年末、12月28日に、日本棋院と関西棋院は公式戦のランキングを発表し、日本棋院では、一力遼天元・碁聖が勝ち星(53勝)、対局数(66局)、勝率(0.803)の3部門で首位。連勝部門では11連勝で2位につけた。3部門での首位は、2012年の井山裕太本因坊(当時)以来。また、連勝部門は長徳徹志二段が14連勝で初の「最多連勝」を獲得した。女流棋士では、藤沢里菜女流本因坊が勝ち星(35勝)と勝率(0.7)で1位。上野愛咲美女流最強位が対局数(57局)、下坂美織三段と牛栄子三段(8連勝)が連勝で、それぞれ1位となった。
 関西棋院では、余正麒八段が全部門で1位。対局数(50局)は村川大介九段と並んだが、他は単独トップ。とりわけ、勝率(0.860)と連勝(22)は驚異的な数字で、一力二冠と共に、好調ぶりを示している。
 なお、一力二冠、余八段ともに、連勝を継続中で、両者は今月7日の名人戦リーグで激突。どちらが連勝をのばすかが注目される。

「大和ハウス杯第59期十段戦」へ

 1月5日、本戦進行中の第59期十段戦(産経新聞社主催)に、2021年1月1日より大和ハウス工業株式会社が特別協賛し、正式名称が「大和ハウス杯第59期十段戦」となることが、産経新聞社、公益財団法人日本棋院、一般社団法人関西棋院より発表された。十段戦は現在、芝野虎丸十段への挑戦権をかけて本戦を戦っており、張栩九段、村川大介九段、余正麒八段、許家元八段の4名が勝ち上がっている。

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