パンダネットで実力初段になる方法

級位者の棋力の実情について

勝間教室や指導碁でおなじみの関西棋院の勝間史朗七段が、この度「パンダネットで実力初段になる方法」を出されました。レーティングアップのコツを学んで、実力初段を目指しましょう。

第3章 パンダネット級位者とは

 前章でネット対局の性質をお話ししましたが、これとパンダネット棋力での級位者は大きく関係しています。

 リアル棋力というのは、そのほとんどが碁会所か公民館で打たれている棋力です。そして、有段者でなければ少し肩身の狭い環境になっていることも事実です。そのためリアル棋力の級位者は、有段者ほどリアル対局ができない環境になっています。

 そしてネットが急激に広まったことで、有段者も級位者もネット対局を始めました。有段者の中でも、部分戦が苦手な方は前述のようにパンダネット棋力では実際の棋力よりも下に下がってしまいます。それが基準となって、本来3級だった方も、5級や7級へと下げられてしまいます。こうして、部分戦が強い方が上になる構図ができあがっていくわけです。因みに私の同僚でネット指導碁をしたプロ棋士は、例外なく言っています。

「パンダネットの初段は部分戦がかなり強い。七子でもプロ棋士が少し苦しいぐらい」

 そして、みなさんも経験があるかもしれませんが、自分がいざ登録するとなると、リアル棋力より高く見積もることはまずないのではないでしょうか。同じか1つ下か。人によっては2つも3つも下げて下から勢いをつけて上がろうとされるかもしれません。

 そのため、パンダネット全体として、またネット棋力は2階級ほど下がってしまいます。私の経験では、パンダ棋力では15級から1級の間に、リアル棋力の入門者から六段が混在していると感じています。

 そのため、リアル棋力では初段の方が10級で打って良い勝負。そこで落ち着いてしまっているというのは普通にあることです。

 もしあなたがそんな実感をお持ちでしたら、これはパンダネット棋力という世界観での棋力だということを知っておいてください。どの棋力が正しいということではなく、それぞれ所属する世界によって性質が違うため、棋力が違って当然ということです。

 ただ、一つ言えることは、パンダネット棋力は、部分戦や接近戦、経験値を表しているものでもあるので、そこがパンダネット初段を目指す上では重要なポイントだということです。これは次章でお話しします。


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