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大会・イベント

アメリカ囲碁ニュース 2015

アメリカの囲碁ニュース・棋戦情報のバックナンバーをご覧にいただけます。

アメリカからの囲碁ニュース・棋戦情報を皆様にお伝えします。

囲碁ニュース [ 2015年12月16日 ]

囲碁国際交流の会が日本からメキシコを訪問

ピピオロ芸術小学校での親善対局。

 日本のNPOである囲碁国際交流の会(SIIG、サイトはこちらhttp://igokokusai.web.fc2.com/)が10月初頭にメキシコを訪問した。SIIGは世界での囲碁普及・交流を目的とし、定年後の人々が主なメンバーである。SIIGがメキシコを訪れるのはこれが4回目となる。今回SIIGのメンバーは、ピピオロ芸術小学校、国立大学、恵光寺(メキシコ市にある日系の仏教寺院)の3ヶ所を訪問した。3ヶ所とも普段から囲碁に関する活動が行われている場所で、ピピオロ芸術小学校ではシッダルタ・アビラ氏が囲碁を正課として教えており、国立大学ではエミル・ガルシア氏が囲碁の指導を行う人々のチームを率いている。また、恵光寺では、リカルド・キンテロ氏が週末に囲碁指導を行っている、という具合。 ピピオロ芸術小学校では、まず子供達が地元の踊りや歌を披露。その後に、幼稚園児とのアタリ連碁が行われ、また小学生とSIIGのメンバーを交えた36組のペアが3局のペア碁大会に興じた。大学では、4局の日墨親善囲碁大会が行われ、日本チームが全勝。メキシコ囲碁協会会計のダニエル・モラレス氏より、SIIGの杉目正尚会長に、訪問の記念としてクリスタルのタブレットが贈呈された。



ラテンアメリカ青少年大会がインターネット上で開催

対局するチリの学生。

 インターネット上で11月28-29日に開催されたラテンアメリカの青少年のチーム大会「Orion Latin American Online Youth Team Tournament」で、チリが優勝した。1チームは3人編成で、大会にはチリのほか、メキシコ、ベネズエラ、エクアドルの4カ国から9チームが参加した。2位にはメキシコのチーム、3位にはベネズエラのチームが入賞した。なお、今年の7月4-5日には同様の大会「Las Tres Aguilas」が同じくインターネット上で開催されており、ラテンアメリカの5カ国より、25級-6級までの学生55人が参加する盛況ぶりだった。


American Go E-Journal
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囲碁ニュース [ 2015年12月8日 ]

ゴーサム囲碁大会が開催

 11月21日の週末、ニューヨークで第3回ゴーサム囲碁大会が開催された。72人が参加し、最強のオープンセクションでは、Zhu Haichen7dが優勝した。Zhu7dはニュージャージー州在住で、かつては聶衛平囲碁スクールで修行した経験がある。
 22日の日曜日にはペア碁大会が開催され、12ペアが参加した。ペア碁大会はこれまで米国囲碁コングレスで開催されてきたのみだったが、米国囲碁連盟の支援もあって、今回はじめてそれ以外の機会に大会が行われることになった。優勝したのはStephanie Yin1pとRongxin Yu7dのペア。また、Alexandra Patzさんと彼女の息子Douglas君は碁石の仮装で参加し、ベストドレッサー賞を獲得した。同大会には米国囲碁連盟のオークン会長も参加。閉会式では、ペア碁大会の開催に満足を表明した上で、より多くのペア碁大会が開催されることを目指したいと述べた。

ペア碁大会に参加する米国囲碁連盟のオークン会長(左から二人目)。


American Go E-Journal
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囲碁ニュース [ 2015年11月11日 ]

LAでコッツェン・オープン大会が開催

 10月24-25日の週末に、ロサンゼルス中心街においてコッツェン・オープントーナメントが開催された。西海岸出身者を中心に150人近くが参加した。同大会はエリック・コッツェン氏がスポンサーとなって毎年開催されている。

大会の様子。

 今年の優勝は韓国棋院の元院生であるマーク・リー7d。五戦全勝で初優勝を飾り、「昨年は準優勝だったので、是非優勝したかった」と喜びを語った。リー7dは、賞金の1000ドルを若者への囲碁普及を図るアメリカ囲碁財団に寄付した。同大会の対局の様子はインターネットで配信され、金明完9p、ジェニー・シェン2pがライブでのコメントを行った。

左からスポンサーのエリック・コッツェン氏、米囲碁連盟のアンディ・オークン会長、
優勝のマーク・リー7d、米囲碁連盟のラリー・グロース理事。

 なお、例年のように、週末にわたってタコスの無料ケータリングサービスが参加者に供されたほか、二人のマッサージ師が待機し、対局者の疲れを癒やした。

 大会スポンサーのエリック・コッツェン氏は、「皆満足していたようで本当に嬉しい」と述べ、「囲碁は本当にすごい。チャレンジという意味でも、人についても、あらゆる意味で。戦いを見通して、勝ったときの感じは本当にたまりません」と囲碁に対する思いを語った。

マッサージの様子。
左はYilun Yang7p、中央はスポンサーのエリック・コッツェン氏。
Yangプロは大会中に、他のプロとのエキシビジョンマッチを行った。


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囲碁ニュース [ 2015年11月4日 ]

イベロアメリカ選手権、キューバで開催

 10月9-11日にかけて、キューバ・ハバナのキューバ囲碁アカデミーにおいて第17回イベロアメリカ選手権が開催された。キューバから19人、それ以外から18人が参加した。米国からは3人が参加した。

 優勝はブラジルのウヤマ・ヒサオ7d。これに、アルゼンチンのフェルナンド・アギラール7d、キューバのサンチアゴ・アルバレス5dが続いた。アギラール7dは、「囲碁を通じた国際交流を深める素晴らしい機会だった」と感想を述べた。大会にはキューバスポーツ省高官が訪れ、その様子は地元のテレビ局に放映された。

大会の様子。
上位入賞者。左から二位のアギラール7d、優勝のウヤマ7d、三位のアルバレス5d。


American Go E-Journal
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囲碁ニュース [ 2015年10月28日 ]

オバマ大統領、大学時代に囲碁を習っていたことが判明

2010年に胡主席にプレゼントされた碁盤。
ノースカロライナ州のフランク・サラントリー氏が製作した。

 アメリカ囲碁協会のアンディ・オークン会長によると、なんとバラク・オバマ大統領は大学時代に囲碁を打った経験があるという。
 最近カリフォルニアで開催された政治パーティーに出席したオークン会長は、その際にオバマ大統領と会話する機会を得た。その際、オークン会長が自らの地位を話したところ、大統領は「私は、大学時代にティムという男から囲碁を習ったことがあるんです」と語り、「ティムは囲碁のマスターでした」と加えた。大統領はお付きの人に囲碁を打ったことがあるかと聞いた上で(その人は囲碁を打った経験がなかった)、「とても複雑なゲームです。直線的ではなくてね。」と語った。会話はあっという間に終わり、まもなく会場のスタッフがオークン会長とその子息を部屋から外に移動させた。
 なお、オバマ大統領は2010年、胡錦濤中国国家主席(当時)にアメリカ製の囲碁セットをプレゼントしたという過去がある。


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囲碁ニュース [ 2015年10月14日 ]

シアトル囲碁センター、20周年記念行事を開催

 シアトル囲碁センターにおいて10月3日、センター開所20周年を記念する行事が開催された。囲碁大会には48人が参加、秋季大会の参加人数としてはここ数年で最大となった。最強のオープンセクションでは、エドワード・キム7dが優勝、ピーター・ネルソンが2位となった。また段位ハンデ戦では、同囲碁センター設立以来ボランティアとして積極的に運営に関わってきたクリス・キルシュナーが全勝で優勝した。なお、この行事には日本棋院から山城宏九段および熊丰六段が訪れ、熊六段は4日にレクチャーおよび大会の対局の解説を行った。また、欧州囲碁センターのマネージャーを務めるハリー・ファンデルクロフト氏もオランダから駆けつけた。囲碁大会の後には、日本の伝統音楽の演奏などが行われた


米囲碁協会のアンディ・オークン会長(左)と、欧州囲碁センターのハリー・ファンデルクロフト・マネージャーが対局。
囲碁大会、一回戦の様子。

山城九段の挨拶、熊六段の多面打ち指導碁


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囲碁ニュース [ 2015年10月7日 ]

倡棋杯(Chang qi Cup)、ハーバード大で開催

会場となったハーバード大学の
Student Organization Center at Hilles。
 9月26-28日にかけて、ボストン近郊ケンブリッジにあるハーバード大学において倡棋杯(Chang Qi Cup)が開催された。これは、中国の国内プロ棋戦である倡棋杯の準決勝3番勝負をアメリカに舞台を移して行うと同時に、地元のアマチュアプレーヤー向けの大会を開くというスペシャルイベントである。ちょうど、習近平主席が米国を訪問したのと時を同じくしての開催となった。

 中国版倡棋杯は上海市応昌期囲碁教育基金会などが主催する大会で、4年に一度開催される応昌期杯や応氏ルールで知られる応昌期氏を記念して2004年に創設された。その準決勝3番勝負は、連笑7段vs李欽誠初段、柁嘉熹9段vs邱峻9段という組み合わせとなった。

連笑7段(左)と李欽誠初段。連7段は21歳で中国ランキング11位(3月時点)、李初段は17歳。共に若手最強レベルの棋士が激突。共に超のつく早打ちで、その対局は昼食後すぐ終わるほどだったという。
柁嘉熹9段(左)邱峻9段という国際経験も豊富な二人の対決。柁9段(24歳)は2014年にLG杯で優勝しており、この倡棋杯でも2010年に優勝経験がある。邱9段(33歳)は2011年富士通杯準優勝。2009年に同じく倡棋杯を制している。こちらは連-李戦とは対照的に長丁場の対局となった。


 結果は連笑7段と邱峻9段が共に2勝1敗で決勝へと駒を進めた。

 アマチュアの大会には約150人が参加し、大盛況となった。優勝はSeo Joon Jung、2位はEvan Choだった。プロの試合を間近に見られるとあって、総勢では約200人が馳せ参じ、常昊9段等による解説などを堪能した。


右は優勝のSeo Joon Jung、右から2番目は劉思明中国棋院院長。


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囲碁ニュース [ 2015年9月8日 ]

メキシコ囲碁連盟、第2回「メキシコ碁コングレス」を開催

 メキシコ囲碁連盟は、8月29-31日にかけてメキシコシティにおいて第2回「メキシコ碁コングレス」を開催した。メインイベントはメキシコ碁オープン大会で、3日間、6回戦にわたって競われた。42人が参加し、結果はコングレスのメインオーガナイザーである囲碁連盟会長のエミール・ガルシア氏がディフェンディングチャンピオンのアブラアム・フロレンシア氏を破って優勝した。これと並んで、囲碁、折り紙のワークショップや、子供の13路盤大会、『ヒカルの碁』のビデオ上映なども行われた。コングレスには米国在住の金明完(Kim Myungwan)韓国棋院九段が招かれ、「キリ違え」についてのレッスンを行った。

 コングレスのサイトはこちら(http://congreso2015.go.org.mx/


会場からはトラテロルコ遺跡が望まれる。
会場の様子。

13路盤大会。左側の男性がメキシコ囲碁協会会長・大会メインオーガナイザーとして動きまわり、オープン大会チャンピオンにもなる八面六臂の活躍を見せたガルシア氏
金明完九段のレッスン。

 

金九段(左)がガルシア氏にテオティワカンのピラミッドの上で指導碁。


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囲碁ニュース [ 2015年9月1日 ]

ロックハート7d、三星火災杯ワールドディビジョンで枠抜け

 ソウルで開催された三星火災杯ワールドディビジョンにおいて、アメリカのベンジャミン・ロックハート7dが勝ち抜いた。決勝では、同じくアメリカのRicky Zhao7dを倒しての枠抜けとなった。ロックハート7dは、9月に北京で開催される32強戦に出場する。ワールドディビジョンは、3年前からアジア主要国以外のプレーヤーの進歩を奨励する目的で設けられた。過去3回は、すべて米国出身者が優勝している。ロックハート7dは、昨年も決勝に進出したが、Eric Lui7dに敗れていた。今年、ワールドディビジョンの参加枠はこれまでの8人から12人に拡大された。参加者は欧州4人、北米3人、ラテンアメリカ1人、アジア4人だった。


枠抜けを果たしたロックハート7d
http://www.usgo.org/news/2015/08/
lockhart-wins-samsung-cup-world-division
/


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囲碁ニュース [ 2015年8月19日 ]

第31回US囲碁コングレスが開催


 8月1日から9日にかけて、第31回US囲碁コングレスが開催された。US囲碁コングレスは米国最大の囲碁イベントであり、年に1度、一週間にわたって開催される。開催都市は毎年変わり、今年はミネソタ州セントポールのセントトーマス大学が舞台となった。ホストは地元のツインシティ囲碁クラブ。総勢では370人近い参加者が集まった。
 US囲碁コングレス中には、米国最大の囲碁大会であるUSオープンのほか、様々なサイドトーナメント、プロ棋士によるレクチャーなどが行われ、文字通り「朝から夜中まで」囲碁漬けとなることができる。

左から、USオープンマスターズ準優勝のChen Wang7段と
優勝のYulin Tongプロ4段
 メイン大会はUSオープンとUSオープンマスターズからなり、USオープンには250人余り、また最強クラスにあたるUSオープンマスターズには26人が参加し、そのうち9人がプロだった。USオープンマスターズは、中国のYulin Tongプロ4段が8勝1敗で優勝した。2位は同じく中国のアマチュア強豪Chen Wang7段。両者は、昨年ルーマニアのシビウで開催された欧州囲碁コングレスのオープン大会でも優勝、準優勝を飾っている。昨年の優勝者であるMark Lee7段は優勝のTongプロを破ったものの、3敗を喫して3位にとどまった。

 なお、今回のUS囲碁コングレスでは、米国とキューバの国交正常化に伴い、史上初めてキューバからのプレーヤーの訪問が実現した。訪れたのはキューバ囲碁連盟のラファエル=トーレス・ミランダ会長と、ラザロ=ブエノ・ペレス氏。ミランダ氏は自動車輸入業を営んでおり、1990年代に同業者の日本人から囲碁を習った。当時キューバには囲碁を打つ人が全くいなかったこともあり、教えた日本人は当初、ミランダ氏が本気で囲碁を覚えるとは思わなかったようだが、同氏はその魅力に取りつかれ、努力を重ねて上達。また同時にキューバ囲碁の発展に尽くすことになった。キューバの囲碁は、日本の「囲碁国際交流の会」や日本棋院の支援を受けて広がった。現在の囲碁人口は現在2000人程度で、ほとんどの都市にプレーヤーがおり、最強のアマチュアは5段のレベルに達しているという。現在直面している困難は、インターネットへのアクセスが限られていること、また国際大会への参加が難しいこと。キューバは10月9-11日にかけて、ハバナのキューバ囲碁アカデミーにおいて、ラテンアメリカ最大の大会である第17回イベロアメリカ囲碁選手権を開催。キューバの囲碁をラテンアメリカだけでなく世界に知らしめる機会となる。

右から二番目がミランダ会長、左端がペレス氏。ミランダ会長「US囲碁コングレスでは、囲碁のレベル、そして囲碁イベントのバラエティならびにその量に驚かされました。このコングレスから多くのことを学び、キューバに持って帰れればと思います。」  photo by Phil Straus
 なお、US囲碁コングレスの公式サイトはこちら:http://www.gocongress.org/2015
  アメリカ囲碁連盟(AGA)のYoutubeの公式チャンネル(https://www.youtube.com/user/USGOWeb/videos)では、コングレスのビデオの他、対局の記録なども見ることができる。来年のUS囲碁コングレスはボストンで開催される。


American Go E-Journal
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囲碁ニュース [ 2015年6月30日 ]

アメリカ囲碁財団が選ぶ「Teacher of the Year」、
シカゴの数学教師Guo初段が受賞

 青少年への囲碁指導に特に貢献したアメリカ囲碁協会メンバーを称えてアメリカ囲碁財団(AGF)が授与する「AGF Teacher of the Year」に、イリノイ州シカゴ在住のXinming Simon Guo 初段が選ばれた。Guo氏は数学教師で、数年来、シカゴにおいて青少年への囲碁指導にとりくんでいる。2012年秋にはシカゴの学校と提携し、中国語のクラスで囲碁の指導を始めた。これが成功をおさめ、学校からは「もっと囲碁の時間を増やしてほしい」「放課後に囲碁の指導をしてほしい」といった声があがったほか、ある学校では囲碁指導時間の後に大会を開くまでになった。こうした声に応えるために、Guo氏は囲碁指導のできる教員を養成するための研修を始め、2014-2015年には、Guo氏以外の教員もこのプログラムに参加した。

 他方、Guo氏は2012年、『GoAndMath Academy』を設立して、「生徒の数学能力、特に数字に対するセンスを発達させるために囲碁を利用すること」をそのミッションとした。2013、2014年には中国語の教員、数学の教員を対象にいかに囲碁指導を行うかに関するワークショップをイリノイ州の数学教員理事会といった場所で開催した。数学教員対象のワークショップにおいては、特に囲碁と「各州共通基礎スタンダード(CCSS)」(米国の生徒が高校卒業までに習うべき学習内容を定めたもの)との関係についてのプレゼンテーションを行い、「算数・数学の授業の中でどのように囲碁を用い、CCSSの数学スタンダードに含まれる「計算と基数」「代数的な思考」「数字と十進法の演算」といったテーマの理解に役立てるか」といった内容について説明した。Guo氏のアプローチを取り入れた授業を行った教員の数は2013年に50人。一方、授業を受けた学生は合わせて3500人、2014年には6500人に達したという。また、現在Guo氏が関係している機関は、シカゴ近辺の学校が40校、大学3校、博物館・図書館3軒に上る。

 Guo氏は、現在学校の数学の授業で簡単に取り入れることのできる囲碁・数学のカリキュラムを制作中という。なお、「AGF Teacher of the Year」の賞品はミネソタ州セントポールで開催されるアメリカ囲碁コングレスへの招待となっている。Guo氏は、コングレス期間中の8月3日に活動に関する報告を行う予定。



American Go E-Journal
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囲碁ニュース [ 2015年6月17日 ]

『ビューティフル・マインド』の主人公ともなった数学者、
ジョン・ナッシュ氏(86)が事故死

1950年、プリンストンの卒業式にて。
博士号を授与されたナッシュ氏。
(写真:ニューヨークタイムズ紙より)
2001年発表の映画『ビューティフル・マインド』
より、囲碁を打つシーン。
ラッセル・クロウがナッシュ役を演じた。

 近代経済理論の幅を大きく広げた功績で1994年にノーベル経済学賞を受賞し、また統合失調症との長い闘病とそこからの回復が本・映画『ビューティフル・マインド』の主題ともなった著名な数学者、ジョン・F・ナッシュ・ジュニア氏が、5月23日、米ニュージャージーにおいて自動車事故により同乗していた妻と共に亡くなった。86歳だった。
 ナッシュ氏は20世紀最大の数学者の一人と考えられており、思考の独創性に加え、超難解とされ誰もが恐れをなすような問題に積極的に取り組む怖いもの知らずの大胆さで知られた。
 同氏はプリンストン大学在学時代、「ナッシュ」と呼ばれるゲームを考案、これは同大学の数学科がある建物ファイン・ホールの休憩室に集う学生たちをとりこにするゲームとなった。ナッシュは、このプリンストンで囲碁にも嗜んだ。そして、ゲーム理論の祖とも言えるフォン・ノイマンとオスカー・モルゲンシュテルンが1944年に著した『ゲーム理論と経済行動(Theory of Games and Economic Behavior)』で投げかけた未解決の問題に挑み、「ナッシュ均衡」のような業績を残したのだった。



American Go E-Journal
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囲碁ニュース [ 2015年5月21日 ]

アメリカ碁コングレスで「パンダネットーAGAシティーリーグ」決勝戦!

決勝進出を決めた2チームのメンバー

 「パンダネットーAGAシティーリーグ」の決勝戦進出チームはロサンゼルスチームとワシントンチームになった。予選はオンライン対局で行われたが、決勝戦は8月1日にアメリカ碁コングレスの会場で対面で行われる。
 ロサンゼルスチームが勝てば2年連続優勝、ワシントンチームが勝てば初優勝になる。8月1日にパンダネットでライブ中継されるので是非ご覧ください。


American Go E-Journalより

囲碁ニュース [ 2015年5月13日 ]

サンディエゴ碁チャンピオンシップ

大会の様子

 4月19日にサンディエゴ碁チャンピオンシップが開催され、29人が参加した。オープン戦の優勝者は4回連続でカリフォルニア大学サンディエゴ校の学生になった。今年その栄誉を勝ち取ったのは、オープン戦でただ一人三勝ゼロ敗の成績を上げたレラン・ゾー7段だった。級位戦ではイギリスのポール・マーゲッツが3勝して優勝した。家族と一緒にアメリカを訪問しており、級位戦にはマーゲッツ家のメンバーは合計4人出場していた。
 この大会はカリフォルニア大学サンディエゴ校の碁クラブ、サンディエゴ州立大学碁クラブ、サンディエゴ碁クラブが共同で開催した。


American Go E-Journalより

囲碁ニュース [ 2015年4月24日 ]

パンダネット-AGAシティーリーグ

 アメリカ囲碁協会(AGA)は、3年前から「パンダネット-AGAシティーリーグ」を開催している。アメリカとカナダの都市ごとにチームを作って、パンダネットで毎月1回対局している。各チーム4~5名で構成し、対局ごとに選ばれた3名が対局する。A、B、Cの3つのリーグに分かれている。Aリーグは強豪チームが揃っており、7段以上の選手が多く、今年は北米在住のプロ棋士も4名参加している。Bリーグは3段から7段の選手が多い。Cリーグはハンデ戦で級位者も多く参加している。
 Aリーグの決勝戦は8月に行われるアメリカ最大の囲碁の祭典「アメリカ碁コングレス」の会場で対面で行われる。Aリーグのネットでの最終対局は4月26日(日)に開催される。現在のトップはロサンゼルスとワシントンチーム。後を追うボストンチームもまだ決勝に進出する可能性がある。

昨年のアメリカ碁コングレスで行われた決勝戦の様子

囲碁ニュース [ 2015年3月31日 ]

サンディエゴの桜祭り

碁レッスンの様子

 サンディエゴのバルボアパークで第10回桜祭りが開催された。天候に恵まれ、また300万ドルをかけた庭園の拡大工事がほぼ終わっているということもあり、満開の桜を見に数千人が訪れた。サンディエゴ碁クラブのメンバーは、バルボアパーク内の日本親善庭園(Japanese Friendship Garden)で花見客に囲碁レッスンを行った。レッスンを受けるために並ぶ人が出るほどの任期で、5歳から85歳までの人に囲碁レッスンを行った。

 

American Go E-Journalより

囲碁ニュース [ 2015年3月19日 ]

ニュージャージー オープン

 アメリカの新しい制度でプロになったアンデイ・リュー(Andy Liu)初段は2月28日と3月1日に行われたニュージャージー オ−プンで優勝して、一等賞の$700を勝ち取った。2位はマンチェン・ジャンで、3位はマイケル・ジャオニアン・チェンで、4位はエリック・ルイだった。3人ともアマ7段である。
 天候が悪かったので、申し込んだのに現れなかった人は何人かいたが、それでも参加者は170人に上り、昨年より40人を上回った。

 

American Go E-Journalより

囲碁ニュース [ 2015年3月12日 ]

小学生がキャンディ目指してチェスと碁のトーナメント

 オレゴン州ポートランド市の4つの小学校の子供たちはキャンディを勝ち取るために、碁とチェスのトーナメントで勝負を争った。囲碁は13路盤で行われ、24人の子供たちは全員が初心者か10級以下だった。参加賞として全員がチョコレートをもらった。

 

American Go E-Journalより

囲碁ニュース [ 2015年3月5日 ]

高校生への囲碁奨学金


受賞者のエイミー・スー

 囲碁の普及と促進のために設立されたアメリカ囲碁基金(American Go Foundation)は高校生への奨学金制度を設けている。毎年1,000ドルの奨学金を2人に支給している。AGF会長のテリー・ベンソン氏は「今年は例年にも増して素晴らしい論文が提出された。高校生が囲碁を数学的、心理的に探究している姿を見るのは素晴らしい」と述べている。奨学金受賞者はニュージャージー州のエイミー・スーとニューヨークのレオン・レイに決まった。2名とも囲碁の学習者及び指導者として活動している。

American Go E-Journalより
  翻訳 ジョンパワー

囲碁ニュース [ 2015年2月26日 ]

2015年のアメリカ碁コングレス


セントトーマス大学

 アメリカの囲碁界で最大のイベントであるアメリカ碁コングレスは8月1日から9日までミネソタ州セントポール市のセントトーマス大学で開催される。ミシシッピ川に沿って広がっているキャンパスはセントポール市の中心街にもミネアポリス市の中心街にも近い便利な場所にありながら、美しい自然も楽しめる。コングレス期間中は毎日たくさんのトーナメントとイベントが行われる。日中韓から訪問するプロ棋士と北米在住のプロ棋士による指導碁もあり、アジアからも毎年多くの人が参加している。
参加登録はhttp://www.gocongress.org/

American Go E-Journalより
  翻訳 ジョンパワー

囲碁ニュース [ 2015年2月12日 ]

キューバとの交流の可能性が膨らむ

 最近、アメリカとキューバが外交関係を再開したことにより、キューバとの碁の交流がもっと盛んになる可能性が出て来ている。具体的にいえば、先ず今年のアメリカ碁コングレスに キューバからの派遣団が参加できる可能性が出てきた。昨年もアメリカ碁コングレスにキューバを招待したが、アメリカの国務省はビサを発行してくれなかったので実現しなかった。アメリカ囲碁協会理事のボブ・ギルマンは「今年は成功の望みが持てます。」と語っている。
 今年のコングレスはミネソタ州セントポールで開催される。アメリカ囲碁協会は3名のキューバの選手を招待した。2013年に数人のアメリカ人の碁プレイヤーたちがハバナ市を訪問し、キューバ人と交流を果たした。

今度はキューバからアメリカへの訪問を実現させるために、 現在、募金活動を行っている。ギルマン氏は以下のように述べている。「アメリカでの囲碁の発展のために、日本、中国、韓国が多大な援助をしてくれました。今度は私達がキューバを応援する番です。」集まったお金はアメリカ囲碁協会を通じて募金され、キューバ人の渡航費に充てられる。

American Go E-Journalより
  翻訳 ジョンパワー

囲碁ニュース [ 2015年2月4日 ]

ポートランドの餅つき祭りで囲碁教室開催


子どもに囲碁を教えるポートランド碁クラブの
ピーターフリードマン

 1月25日にポートランド州立大学で恒例の餅つき祭りが行われた。このお祭りは日本流にお正月を祝うイベントで、日本料理や日本文化を楽しむことができる。大変人気があり、今年も数千人が訪れた。ポートランド碁クラブのメンバーは囲碁教室を開催し、50人以上に囲碁を教えた。


American Go E-Journalより
  記事&写真 ピーターフリードマン、 翻訳 ジョンパワー

囲碁ニュース [ 2015年1月19日 ]

アメリカ囲碁協会のプロ資格取得戦
(AGA Pro Qualification Tournament)

 日本であまり知られていることではないが、北米にも囲碁のプロ制度がある。北米では、アジアの囲碁のプロの組織から資格を得た、いわゆるプロ棋士はかなり前から住んでいる。現在は合計12名おり、日本棋院で棋士になり、一昨年引退したジェームス・カーウィンもその一人である。

 2012年に、韓国棋院の支援を得て、アメリカ囲碁協会は念願の地元のプロ制度を作った。トーナメントでトップの成績を取ったアンディ・リュー(Andy Liu)とガンシェン・シ(Gangsheng Shi)が最初の地元のプロとなった。初年度だけは二人で、その後年に一人と、プロの人数を少しずつ増やしていく。2013年にカールヴィン・スン(Calvin Sun)が加わった。

 アメリカではトーナメントの賞金はまだ額が小さく、プロがそれで生計を立てることはできないが、協会の支持があって生徒を取ったりして、これから本格的なプロ制度を目指すことになろう。韓国囲碁協会との協定に基づいて、北米のプロは韓国の五つのプロ棋戦に参加でき、また定期的に韓国でプロのトレーニングを受けることができる。

 2014年度のプロ資格取得戦の最終ラウンドは1月4日から10日までマサチューセッツ州の海岸のリゾート町ナンタスケットで行われた。季節外れのために、ツーリストが少なく、その点でトーナメントには最適であったが、雪も降っていて、かなり寒かったようである。最終ラウンドは二つに分かれていた。まず、8人の候補者は総当たり戦をやった。次に、全員が勝ち抜き戦に進んだ。最後の決勝と3位決定戦は三番勝負だった。(総当たり戦であたった場合、その碁は三番勝負の最初の一局としてカウントされる。)


プロ資格取得戦で優勝したライアン・リ

 総当たり戦で7勝全勝で優勝したライアン・リ(Ryan Li)は勝ち抜き戦でも優勝して、目出たくプロ初段となった。決勝で、エリック・ルイ(Eric Lui)を二連勝で負かした。三位決定戦でベン・ロックハート(Ben Lockhart)が勝った。ルイとロックハートは2015年のトーナメントにシード権を得た。

 名前で分かるように、今までなったプロは皆アジア系のアメリカ人である。今年のトーナメントに参加したプレヤー8人の内、5人はアジア系だった。参加する人はアメリカ合衆国かカナダの市民に限られるが、アジアで碁を覚えた移民が親だと、小さいときから碁に接する機会があり、こういうアジア系アメリカ人はトップの選手になっている。しかし、ヨーロッパ系アメリカ人は3位に入ったので、近い将来プロになる可能性がある。

 日中韓台に次いで、プロ制度を作った地域として北米は5番目である。刺激をうけて、ヨーロッパも2014年にプロ制度を作った。ヨーロッパの方は中国の支援を受けている。初年度に誕生した二人のプロはスロバキアのパボル・リシ(Pavol Lisi)とイスラエルのアリ・ジャバリン(Ali Jabarin)である。ヨーロッパでは毎年プロを二人認定する予定である。


American Go E-Journalより
  記事&写真 クリスガーロック、 翻訳 ジョンパワー