日本囲碁ニュース (名人戦)

日本の囲碁ニュース・棋戦情報をお伝えします。
日本で行われている囲碁のイベントや棋戦情報を皆様にお伝えします。

囲碁ニュース [ 2019年11月21日 ]

藤沢、名人リーグ入りならず

 王座戦第3局に負けないほど注目を集めたのが、18日に東京都千代田区の日本棋院で打たれた名人戦最終予選決勝だった。結果は、一力遼八段が藤沢里菜女流立葵杯を破り、多くのファンが期待した史上初の女流棋士リーグ入りは持ち越しとなった。初の名人リーグ入りを決めた一力は「初めて最終予選決勝まで進んだのが6年前。まさか6年かかるとは思わなかった」と安堵の表情とともに終始笑顔で記者団の質問に答え、藤沢は「序盤からずっと苦しく、チャンスがなく終わってしまいました。内容的に残念な碁でした」と振り返った後、「力をつけて、また来期リーグ入りをめざしてがんばりたい」と頼もしいコメントを残した。

囲碁ニュース [ 2019年10月9日 ]

芝野快挙達成。史上初「10代名人」誕生

 張栩名人に芝野虎丸八段が挑戦する第44期名人戦七番勝負(朝日新聞社主催)の第五局が、10月7、8の両日、静岡県熱海市の「あたみ石亭」で打たれた。8日午後7時7分、252手までで張が投了を告げ、白番中押し勝ち。芝野虎丸新名人が誕生した。19歳11カ月の七大タイトル獲得は、井山裕太四冠の20歳4カ月の記録を塗り替え、入段から5年1カ月での七大タイトル獲得は許家元八段の5年4カ月の最短記録を更新した。三代タイトル獲得者は規定により九段に昇段する。九段昇段も最年少・最速記録となる。
 張は本局を「苦しいと思う局面が多く、明らかに僕のほうがミスが多かった。内容的に完敗でした」と振り返った。局後、大勢の報道陣に囲まれ記者会見に臨んだ芝野は、「僕なんかが名人でいいのかなという気持ちはあります。でも、なかなか挑戦者になれず10代のうちは厳しいかなと思っていたので、勝ててよかったです」とはにかみながら答えた後、「これに満足せずに頑張りたいと思います。できれば、井山先生のようにタイトルを取っていきたい」と勝負師らしい表情で淡々と抱負を語った。

囲碁ニュース [ 2019年10月2日 ]

芝野、最年少名人に王手

 張栩名人に、芝野虎丸八段が挑戦している第44期名人戦七番勝負(朝日新聞社主催)は、第三局が9月17、18の両日に岐阜県岐阜市の「岐阜グランドホテル」にて、第四局が25、26日の両日に兵庫県宝塚市の「宝塚ホテル」にて行われ、いずれも芝野が勝利した。対戦スコアは挑戦者の3勝1敗となり、史上最年少名人に王手をかけた。また、第六局目までに名人を獲得すると史上初の10代の名人が誕生する。芝野は「先に三勝できたのですが、もう一回勝たないとあまり意味がないので、これまでどおりがんばりたいです」と語り、追い詰められた張は、唇をかみ苦笑しながら「まあ諦めずにがんばるしかないですね」と語った。一気に芝野が駆け抜けるのか、張が踏ん張り巻き返すのか、注目の第五局は、10月7、8日に静岡県熱海市の「あたみ石亭」で行われる。

囲碁ニュース [ 2019年9月12日 ]

名人戦・台湾対局にて、芝野が一勝を返す

 張栩名人が先勝して迎えた第44期名人戦七番勝負(朝日新聞社主催)の第二局は、9月10、11日の両日、台湾・台北市の「シャングリ・ラ ファーイースタン プラザホテル台北」にて行われ、芝野虎丸八段が195手黒番中押し勝ちを収めてスコアを一勝一敗のタイに戻した。母国開催となった張は、前夜祭で「感無量。感謝の気持ちを力に変えて、明日はいい碁を打ちたい」とあいさつし、芝野虎丸八段は「アウェイの対局で、張先生を応援されている方がほとんどでしょうが、いつもどおりがんばります」と臨んだ。一日目は、芝野の研究をはずし、柔軟で積極的な攻めに向かった張が攻勢に立つものの、妥協をしない一手に芝野が反発して難戦に突入。一日目の長手数新記録となる120手目を張が封じた。二日目は、張が、黒に地を与えて厚みを築く封じ手から、中央の黒を取りかけに向かい、「取るかしのぐか」の難しい激戦となった。白にチャンスはあったようだが、芝野が粘り抜き、大石をしのいで勝利をつかんだ。地元の大盤解説会場には、150名の集客を予定していたところに400名が集まり、終局後に会場に現れた両対局者に大きな拍手が送られたという。芝野は「一回勝てたのでホッとした部分があります。次も自分らしく打てたらと思います」、張は「結果を残せなかったのは残念ですが、まずい碁でもなさそうだったので。まだまだこれから長期戦ですから、次局以降もがんばりたいと思います」と語った。
 第三局は9月17、18の両日、岐阜県岐阜市の「岐阜グランドホテル」にて行われる。

囲碁ニュース [ 2019年9月6日 ]

名人戦が開幕。張名人が大逆転で先勝

 史上最年少の名人誕生なるか――。張栩名人に芝野虎丸八段が挑戦する第44期名人戦七番勝負(朝日新聞社主催)が開幕した。「自分が碁を始めたころに活躍されていた張名人の相手になるとは不思議」と語る19歳の芝野に対して、張は「海外では10代の活躍は当たり前。もうすぐ40になる僕のタイトル保持のほうがすごい記録」と語る。8月27、28の両日、東京都文京区の「ホテル椿山荘東京」で打たれた第一局は、張栩名人が辛抱の末、大逆転で黒番6目半勝ちを収めた。一日目は、張が気合いのこもった手を繰り出すなか、芝野が攻めを巧みにかわしながら右辺でポイントをあげ優勢を築き、芝野が封じて終了した。二日目に入り、「左上一帯の白模様を無難にまとめれば挑戦者の勝ち」と評される状況で芝野は妥協せずに打ち進めたが、その打ち過ぎを捉え、「勝負手気味に打った手がうまくいった」と張は振り返る。難解な手所を制し白模様を大きく荒らした張が逆に優勢に立ち、そのまま逃げ切った。「中盤で失敗しました」と芝野。初めての二日制の洗礼を受けたかっこうだ。先勝した張も、「もっといい碁を打たなければ」と気を引き締めた。第二局は、張の故郷である台湾・台北市の「シャングリ・ラ ファーイースタン プラザホテル台北」にて、9月10日、11日に行われる。

囲碁ニュース [ 2019年8月15日 ]

芝野が名人戦挑戦者。プロ入り後、史上最短記録

 第44期名人戦(朝日新聞社主催)の挑戦者決定リーグ戦・プレーオフが、8月8日に打たれ、芝野虎丸七段が河野臨九段に黒番半目勝ちを収め、張栩名人への挑戦権を獲得した。規定により、八段昇段も決めた。19歳9カ月での7大タイトル挑戦は、井山裕太四冠の持つ19歳3カ月、一力遼八段の19歳3カ月に続く史上三番目の若さ。プロ入り4年11カ月での7大タイトル挑戦は、史上最速記録となる。また、第6局までに名人を獲得すれば、史上初の10代の名人が誕生する。初の7大タイトル挑戦をかなえた芝野は「なぜ挑戦者になれないのかと周りに言われていたので、とりあえず安心しました。10代初タイトルの記録は気にせず、自分の力を出し切りたい」と語った。終盤まで粘り続けた河野は「リーグ終盤は碁の内容がものすごく悪かった」と振り返り、「今日はいい碁を打ちたいと思っていましたが……仕方がないです。また腕を磨いて来期もがんばります」と語った。
 張栩名人と芝野の対戦成績は、張の1勝4敗と、芝野が勝ち越している。注目の七番勝負は、8月27日、28日に東京都文京区の「ホテル椿山荘東京」にて開幕する。

囲碁ニュース [ 2019年8月8日 ]

名人戦リーグは、芝野と河野のプレーオフに

 張栩名人への挑戦権をかけた第44期名人戦リーグ(朝日新聞社主催)は、最終一斉対局が8月1日に東京と大阪で行われた。ここまで、リーグ内の順位上位から、井山裕太四冠、芝野虎丸七段、河野臨九段が2敗で並ぶ混戦レース。三者はそれぞれ羽根直樹九段、鈴木伸二七段、山下敬吾九段との対戦で、全員が勝てば、順位上位の井山と芝野がプレーオフを戦うという状況だった。まず、劣勢だった芝野が逆転で勝利を収め、プレーオフ以上を確定させた。続いて優勢だった井山が、緩めず最強を追及した一手から逆に主導権を奪われ、逆転負け。最後に残った河野は、劣勢から我慢を重ねて終盤に逆転。本因坊リーグに続いて、芝野と河野のプレーオフに進むこととなった。挑戦者をかけた大一番は、8月8日に行われる。

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