日本囲碁ニュース (碁聖戦)

日本の囲碁ニュース・棋戦情報をお伝えします。
日本で行われている囲碁のイベントや棋戦情報を皆様にお伝えします。

囲碁ニュース [ 2021年8月31日 ]

井山、碁聖を奪取し四冠に

 名人戦開幕局から1日あけた8月29日、一力遼碁聖に井山裕太棋聖が挑戦する第46期碁聖戦挑戦手合五番勝負(新聞囲碁連盟主催)の最終局が、東京都千代田区の日本棋院にて打たれた。黒番の一力が二連星、白番の井山は小目と三々という立ち上がりで、「井山さんは番碁の後半は地にからく打つ」と言われる通り実利を取り、右下で積極的に仕掛けていった。日本棋院のYouTube解説を担当した鶴山淳志八段は「右下での井山さんの妥協をしないシノギで黒が苦しい展開に。黒としてははっきりした敗着がないのがつらい」とコメント。井山は「右下で少し成功したかなと思いましたが、そのあとも厳しく攻められて、やはり難しいなと思いました」と振り返る。その攻められた下辺の白が生き、上辺の黒模様がどれだけまとまるかが勝負となった。鶴山八段は、右辺の白の出を「地味だが繊細な一手」と勝因にあげる。黒の形に切りの狙いが残り、右上の戦いを有利に進めて一力を投了に追い込んだ。初防衛を果たせなかった一力は、「本局も含め精一杯やった結果なのでしょうがない。来年戻ってこられるよう、しっかりがんばりたい」と言葉少なに語った。4期ぶりに7度目の碁聖を獲得した井山は、棋聖、名人、本因坊に加え四冠となり、「最近は1日制で結果を出せなかったので、まだまだやれるということを証明できてよかった」と喜びを語り、「自信というものは脆いものだと思っているので、自信過剰にならないよう、精神的なブレを小さくすることを意識している」と好調の理由を語った。一力をはじめとする若手の台頭については「みんな強くなってしまったものは仕方ない」と記者団の笑いを誘い、「最近は他人と比べるよりも自分の中の物差しで測るようにしている」と話した。また、今年誕生したご子息について尋ねられると「自分自身もっとしっかりしなければと思わせてくれる存在ですし、彼が生まれた年に成績が悪いとあとで何を言われるか…」と笑顔になった。

囲碁ニュース [ 2021年8月18日 ]

井山の闘志、タイに戻す

 一力遼碁聖の2勝、挑戦者の井山裕太棋聖の1勝で迎えた第46期碁聖戦挑戦手合五番勝負(新聞囲碁連盟主催)の第4局が、8月17日、新潟県新潟市の「新潟グランドホテル」で行われた。両者は来週開幕する名人戦の七番勝負でもあいまみえる。本局は、碁聖戦にとどまらず、名人戦の行方を占い、ひいては日本囲碁界のトップが入れ替わるかもしれない歴史的な頂上決戦として注目を集めた。初めての立会人をつとめた張栩九段は、自身が頂点に上っていった番碁、後輩の井山に明け渡した番碁が「いろいろ思い出されて、昨夜は眠れなかった」と語り「どちらの気持ちもよくわかる。二人とも好調ですし、思いのこもった一手一手が繰り出され、必ず素晴らしい碁になる」と両者にエールを贈った。その言葉どおり、両者、立ち上がりから、本局のために用意してきたと思われる手を繰り出し合った。井山の右辺の黒模様への打ち込みから盤上が賑やかになり、さらに右下隅にも打ち込み積極的に仕掛けていく。これに一力も落ち着いて応じ、右辺と下辺の戦いはいい勝負に分かれた。その後、中盤の戦いの中、右上のハサミツケが、一力が「感情的になってしまった」と反省した一手。ここから井山が右上の黒を取り込みリードを奪った。さらに井山は下辺にも打ち込み、検討陣が驚く妙手を2手放つ。その後、左上で井山に打ち過ぎがあり、紛れるかと思われたが、下辺の攻防は読めており、白の有利なヨセコウに持っていく。実質的には黒が取られ、一力が投了を告げるところとなった。井山は「最終局を打てるのは嬉しい。自分なりにコンディションを整え精一杯やりたい」、一力は、「気持ちを切り替え、精一杯、後悔のないように打ちたい」とそれぞれ最終局への抱負を語った。「頂上決戦・第1章」の決着がつく第5局は、8月26、27日の名人戦開幕局を挟み、8月29日に、東京都千代田区の日本棋院で打たれる。

囲碁ニュース [ 2021年7月20日 ]

一力、初防衛に王手

 一力遼碁聖に井山裕太棋聖が挑戦している第46期碁聖戦(新聞囲碁連盟主催)五番勝負の第3局が、7月17日、石川県金沢市の「北國新聞会館」で行われた。井山が先勝し、一力が1勝を返して迎えた本局は、対局前の「一つ勝って精神的にも楽になった。明日は気負わずに自分の力を出し切りたい」(一力)、「第2局はそれなりに粘り強く打てた。明日もこれまでと変わらず自分のベストを尽くし、いいパフォーマンスができるように集中したい」(井山)という落ち着いたコメントからも好調の両者の自信が伺え、好局が期待された。黒番の井山が実利、一力が厚みを築く展開となるが、井山は「序盤、右下の分かれがやや甘かったのかもしれない」と振り返った。その後、白模様に井山が打ち込み、一力の取りかけが始まる。「黒をいじめて他で得をする選択肢もありましたが、黒の大石が生きる手が自分には見えなかったので、終盤の強手を決断した」と局後の一力。そのまま大石を仕留め、138手まで、白番中押し勝ちとなった。対戦成績を2勝1敗とした一力は、初防衛に王手をかけた。敗れた井山は「次局まで少し時間が空くので、気持ちを新たに頑張りたい」、一力は「第4局まで1カ月空くので、いい状態で臨めるように準備したい」とそれぞれ抱負を語った。1勝3敗から勝利した本因坊戦七番勝負のように、井山の逆転はあるのか。一力が一気に防衛を果たすのか。注目の第4局は、8月17日、新潟県新潟市の「新潟グランドホテル」にて行われる。

囲碁ニュース [ 2021年7月13日 ]

一力碁聖、一勝を返し、タイに

 第46期碁聖戦(新聞囲碁連盟主催)の第2局が、7月12日、一力遼碁聖の地元、宮城県仙台市の「ホテル佐勘」で行われ、本因坊戦10連覇を達成したばかりの井山裕太棋聖を迎え撃った。「中盤の戦いがいまひとつだった」と井山。優勢を築いた一力が、勝ちを読み切って手堅くヨセ、黒番半目勝ちをおさめ、対戦成績を1勝1敗の五分に戻した。
 井山は「次局は、またコンディションを整えて精一杯やりたい」、一力は「初めての地元仙台での対局で結果を出せてホッとしています。第3局もすぐにあるので、気を引き締めて頑張りたい」とそれぞれ豊富を語った。第3局は、7月17日、石川県金沢市の「北國新聞会館」で行われる。
 一力は、第46期名人戦(朝日新聞社主催)挑戦者決定リーグで、7月8日に許家元十段が羽根直樹九段に2敗目を喫したことで、最終局を待たずに井山名人への挑戦権を獲得している。碁聖戦と合わせ、井山と一力の12番勝負の行方が注目される。

囲碁ニュース [ 2021年6月29日 ]

井山、碁聖戦に先勝

 一力遼碁聖に井山裕太棋聖が挑戦する第46期碁聖戦(新聞囲碁連盟主催)の五番勝負が開幕した。一力が初防衛するのか、井山が4期ぶりに奪還を果たすのか、注目の第1局は6月26日、岡山県倉敷市「マービーふれあいセンター」で打たれ、135手まで、井山棋聖が黒番中押し勝ち。4日前に打たれた本因坊戦第5局に続いて、強さを見せつけた。「打ちたい手を打つ」という井山の信念のとおり、本局は中盤の井山の強手から流れを引き寄せた。一力も「黒85のブツカリが予想以上に厳しかった」と敗因を振り返る。その後も井山は妥協せず最強手を選び、攻勢のまま積極的に局面を動かし続けて一力を投了に追い込んだ。局後の井山は「中盤、中央で主導権を握れて打ちやすくなったと思う。まず一つ勝ててよかったです」と目の前の一局一局に集中する意気込みを語り、敗れた一力は3月から続いていた連勝が12でストップしたが、「第2局まで2週間以上あくので、気を取り直してがんばりたい」と気を引き締めた。第2局は、7月12日、一力の故郷でもある宮城県仙台市「ホテル佐勘」で打たれる。この間、6月29、30の両日には本因坊戦第6局が組まれており、井山には大勝負が続く。

囲碁ニュース [ 2021年5月6日 ]

井山、碁聖戦挑戦者に

 一力遼碁聖への挑戦をかけた第46期碁聖戦(新聞囲碁連盟主催)の挑戦者決定戦が5月6日に打たれ、井山裕太棋聖が、伊田篤史八段に211手まで黒番中押し勝ち。失冠した2018年以来3期ぶりに碁聖戦のタイトルマッチに名乗りをあげた。序盤、井山が好手を放ち流れを引き寄せるが、中盤に伊田が一流の力強さを発揮して井山の大石を取りかけに向かい、盤上は壮絶な様相に。一時は検討陣から「黒が絶対絶命」の声も聞かれたが、井山が妙手を繰り出しシノいで勝負を決めた。井山は、すでに「名誉碁聖」の資格を有する棋戦で7期目を期す。迎え撃つ一力碁聖は、「井山さんが本命だと思っていました。こちらがタイトルを持っている状態でのタイトル戦は初めてですが、井山さんと打つときは常に挑戦者だと思っているので、挑戦者の気持ちで臨みたい」と語った。 5番勝負の第1局は、6月26日、岡山県倉敷市で行われる。

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