日本囲碁ニュース (本因坊戦)

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囲碁ニュース [ 2025年5月15日 ]

本因坊戦開幕。一力先勝

 三連覇を目指す一力遼本因坊に、初の本因坊位奪取を期す芝野虎丸十段が挑戦する、第80期本因坊戦五番勝負(毎日新聞社主催)が開幕した。第1局は、5月14日、山梨県甲府市の「常盤ホテル」にて打たれ、152手まで、一力が白番中押し勝ちを収めた。「前例のない形」、「経験のない形」と両者が振り返った序盤では、一力がリードを奪った。黒は、左辺の白模様に入っていったが「黒があまりいい格好ではないので、苦しくしてしまっているように感じていた」と芝野。だが、昼食休憩後、左辺から逃げ出していった黒が中央で戦いを仕掛け、険しい応酬からコウになる。白が左上を取り、黒が中央の白の大石を取ったフリカワリにより、「ほぼ互角」まで芝野が挽回。勝負は右辺の黒模様がどのくらいまとまるかが焦点となった。「右辺の囲い方が難しく、どの図も自信が持てなかった」という芝野は、侵入してきた白を取りに向かったが、この判断が疑問だったようだ。一力が逆に黒の薄みを突きながらシノぎきり、勝負を決めた。白星スタートとなった一力は、「しっかりコンディションを整えて勝負したい」、芝野は「本局はあまりいい内容の碁ではなかった。次はしっかり準備してがんばりたい」とそれぞれ二局目に向けて抱負を語った。第2局は、5月25日に、秋田県能代市の「旧料亭金勇」にて打たれる。

囲碁ニュース [ 2025年4月8日 ]

芝野、本因坊戦挑戦者に

 第80期本因坊戦(毎日新聞社主催)の挑戦者決定戦が、4月7日、千代田区の日本棋院東京本院で打たれ、芝野虎丸十段が、孫喆七段に黒番中押し勝ちを収め、4期ぶり(3回目)に挑戦者に名乗りをあげた。本局は、序盤は孫が打ち回した。下辺の折衝で少しずつポイントをあげると、芝野の猛攻をかわしつつ、右辺の黒模様を荒らしながらシノいで優勢を築いた。さらに左下の黒を攻める展開となり、AIの勝率は「白99%」の評価が続いた。芝野も「しのがれた時点でまずい展開になっている。他の打ち方をしなければいけなかった」と振り返る。だが、左辺で白が出切りを打ったあたりから流れが変わる。孫は「感覚的には正しく打てばやれそうだと思ったのですが、実戦は仕掛け方がまずかった」と反省。その後は、芝野が的確に打ち回し、孫を投了に追い込んだ。無念の敗戦となった孫は「ここまで進んでこれたのは初めてですし、自分なりに頑張ったのかなと思うのですが、この碁には悔いが残ります。(来期は)また、一から……」と言葉少なにコメントを残した。芝野は、今年に入り、国内戦では負けなしの15勝1敗。局後は、「本因坊戦は苦しい碁が多かったので、挑戦者になれてよかった。(七番勝負に向けては)また準備して臨みたい」と意気込みを語った。

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