日本囲碁ニュース (名人戦)
日本の囲碁ニュース・棋戦情報をお伝えします。
日本で行われている囲碁のイベントや棋戦情報を皆様にお伝えします。
囲碁ニュース [ 2026年9月1日 ]
名人戦開幕
一力遼名人に芝野虎丸棋聖が挑戦する第51期名人戦挑戦手合七番勝負が開幕した。名人戦の挑戦手合が3期連続の同一カードとなるのは、第7期から9期の趙治勲名誉名人と大竹英雄名誉碁聖(いずれも趙の勝利)以来2度目。2強時代の両雄の充実ぶりが伝わる。一力は棋聖戦の雪辱を、芝野は2期ぶりの名人復冠をそれぞれ期すシリーズだ。第1局は、8月26、27の両日、山梨県甲府市の「常盤ホテル」にて打たれた。
序盤、白番の芝野は右辺の黒模様を軽く消し、右下の荒らしに向かう。その後、右下を捨てて下辺の白模様を盛り上げるフリカワリを目指すが、一力が直ちに下辺に侵入し、険しい攻防に突入した。形勢は互角のまま進んだが、中央で打たれた芝野の一手で、AIは白の勝率を50%近く落とした。局後、その局面のAI推奨手と想定図を示された芝野と一力は共に「黒よしに思える」と感想を述べたという。それほど判断の難しい局面だったことがわかる。二日目に入り、芝野が必死の追い上げを見せるが、一力が的確に応じていった。一日目に急落した評価値を戻すには至らず、芝野が投了を告げた。一力は「開幕戦に勝つと、シリーズを制する確率が高い」と自身のデータを分析し、かたや芝野は「開幕戦はあまり勝ったことがないが、シリーズの成績とはあまり関係ない」と語る。今シリーズは、第4局まで間をあけずに一気に進行する。どちらが流れをつかむのか。第2局は9月2、3の両日、静岡県伊豆市の「東府やResort&Spa-Izu」にて打たれる。
囲碁ニュース [ 2026年8月10日 ]
井山、天元戦挑戦者に
一力遼天元に挑戦する、第52期天元戦(新聞三社連合主催)の挑戦者決定戦が、8月6日、大阪市の日本棋院関西総本部で打たれた。20代が活躍し10代が台頭する中、30代半ばの井山裕太碁聖と村川大介九段がこの大勝負に臨んだ。とりわけ村川は、余正麒九段、芝野虎丸棋聖、関航太郎九段の強豪を降しての見事な勝ち上がりだ。四隅全てでカカリが打たれる積極的な立ち上がりから、険しい戦いの碁となった。白番の村川が下辺に打ち込み、黒石を分断すると、井山は左下の白に襲いかかる。互いに弱い石を抱える難戦は互角の形勢が続いたが、井山が下辺左側の黒石を上辺につなげ、左下の白の大石を捕獲して、優勢に立った。その後、村川が右下の黒を取りかけに向かうが、井山が華麗にシノぎきって、黒番中押し勝ちとした。村川は「どこが悪かったのか、最初の構想がおかしかったのか、よくわかっていない」と無念の敗戦を振り返り、「次のチャンスに向かって努力していきたい」と静かに語った。第45期まで通算8期天元位に就いた実戦のある井山は「久々に(天元戦のタイトルマッチに)戻ってくることができ、ひとまず、しあわせに思う」と喜びを語り、海外で行われる第一局に向け、「新鮮な気持ちで楽しみたい」と抱負を語った。
囲碁ニュース [ 2026年7月28日 ]
芝野、名人戦挑戦者に決定
一力遼名人への挑戦者を決める第51期名人リーグ戦(朝日新聞社主催)の最終一斉対局が、7月27日に打たれ、芝野虎丸棋聖が1敗を堅持して3期連続で挑戦者に名乗りをあげた。ここまで単独トップの6勝1敗の芝野と単独2位の5勝2敗の許家元九段の一戦が、事実上の挑戦者決定戦となった。許が勝てば2敗で並びプレーオフとなる。「自力優勝」のある黒番の許は気合い十分で臨み、序盤から中盤にかけてリードを奪っていた。だが、「左下で少し誤算があって、実戦ははっきり持ち込んでだいぶ悪くした」と許が振り返る。ここで逆転した芝野がリードを手放さず白番中押し勝ちを収めた。芝野は「今期は自分なりに戦えていたと思うので、そこはよかったが、勝った碁の中でも苦しい碁はかなり多かったので、7勝1敗という結果は、内容的にはできすぎ」とリーグ戦を振り返り、「せっかくここまでこれたので、しっかり準備して戦いたいと思います」と抱負を語った。
井山裕太碁聖と福岡航太朗本因坊の一戦は、敗れた方がリーグ陥落という注目局となった。序盤は白番の井山が優勢を築きAIの勝率を「90%」台としたが、その後に福岡が追い上げ、逆に勝率は「黒90%」となる。だが、井山は中央の黒を取りかけに向かい再逆転し、福岡の猛追を振り切り中押し勝ちとした。
囲碁ニュース [ 2026年5月5日 ]
名人リーグ戦、許が1敗を堅守
一力遼名人への挑戦権をかけた第51期名人戦(朝日新聞社主催)のリーグ戦は第6節に入り、5月4日は、許家元九段と福岡航太朗七段のカードが組まれた。ここまで許は3勝1敗(1手空き)と優勝争いに加わり、福岡は2勝3敗と残留争いに回っている。互いに負けられない一戦は、序盤から気合いのこもった熱戦となった。
布石早々、右上のAI定石から許が「研究で打ったことがある」という手を放ち、コウが絡む大難戦に突入。互いに長考して読み続け、一時は右辺が硬直状態となった。結局読み合いを制した許が優勢を築き、その後は福岡の頑張りに的確に応じて寄り切り、許の黒中押し勝ちとなった。難戦を振り返る感想戦は2時間も行われた。
4勝1敗とした許は、本木克弥九段と並んで首位を堅持。3勝1敗(1手空き)の芝野虎丸棋聖、2勝2敗(1手空き)の井山裕太碁聖と優勝を争う後半戦となる。4名の中の直接対局は、6月に「井山×本木戦」、7月に「芝野×井山戦」、最終局の8月に「芝野×許戦」が組まれている。
局後に「許さんのスタートダッシュは初めて。十段戦を奪還できなかったので、これですね」と朝日新聞記者に振られ、許は「そうですね、これにかけます」とにこやかに返答した。
囲碁ニュース [ 2026年1月9日 ]
名人リーグ、芝野が福岡を制す
あけましておめでとうございます。昨年は、一力遼棋聖が棋聖、名人、天元、本因坊を防衛し、王座を奪取して史上3人目の五冠を達成した。一力が一強時代を築いていくのか、あるいは、新たな波が訪れるのか――新年1月は、棋聖戦七番勝負がハワイにて開幕、一力の世界戦優勝をかけたLG杯決勝三番勝負開幕、上野梨紗女流棋聖に上野愛咲美女流立葵杯が挑戦する姉妹対決、テイケイ杯俊英戦の5名によるプレーオフなど、注目対局が目白押しとなる。
1月8日、やはり注目の名人リーグ戦の2節、芝野虎丸十段と福岡航太朗七段の一戦が、日本棋院東京本院にて打たれた。芝野は昨年、74局の最多対局と最多勝利(52勝)に輝いている。1節は手空きだった芝野にとっては初陣。福岡は桑原樹七段との10代対決(史上初)を制し白星発進している。優勝争いに大きく関わることが予想される本局は、期待に違わぬ大熱戦となった。序盤は四隅で定石が打たれ、両者手堅い印象だったが、AIの勝率は白番の福岡に傾き、芝野も「ずっと苦しく、やられたと思っていた」と振り返る。芝野は中央の白の大石の攻めに向かう。福岡は中央を放置し、シノギ勝負にもっていき、しのぎ切る。AIの勝率も大きく白に傾いていた。だが、解説の鶴山淳志八段によると「AIの数字は、この後を白が完璧に打った場合」。その「完璧」な手順は、人間的には理解不可能というほどの難解さなので、「そもそもAIの数字ほど白が優勢だったとは言えなかった、ということですね」。その言葉どおり、芝野の好手に続く福岡の一手で形勢は逆転。抜き去った芝野が、1目半勝ちを収めた。局後の芝野は、「いい結果が出てよかった。いい内容の碁だったと思う」と穏やかな笑顔で語った。




